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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
ダンジョンマスターたち
63/287

63.侵入者

のんきに旅行計画を立てる主人公‥‥

 この日僕は次にどの町へ行こうかダンジョンの僕の部屋で色々考えていた。

 僕のダンジョンの入り口は3つ。西にある“魔の森”の中に1つ。“南村”のさらにずっと南に1つ。サミーのダンジョンに近い東に1つ。どれも人が住むところから離れており、人が入ってくることはない。まあ、元々僕のダンジョンは先のゴブリンの1件で英雄によって処理されたと思われているままであるので、探しに来るものさえいないのだが。よって、僕のダンジョンに入ってくるとすれば、野生の?魔物だけであるのだが‥‥。



「マスター、東の入り口から侵入者です」


 と、ゴブオウから報告が入る。



「侵入者ってことは人だよね。たまたまってことはないよね?ゴブオウ」

「入り口の位置や状況から考えて、それはありえないかと。マスター」



 一応、ゴブオウに確認を取ったが、やはり“たまたま”入り口を見つけたというのは考えられない。サミーのダンジョンに近いとはいえ、数十kmはあるし、入り口は周囲の草原にカモフラージュしていることもあり、目的を持って探さないと見つけることはほぼできないはずだ。

 そもそも、サミーのダンジョン側からか北側から来たにせよ、移動手段が未発達のこの世界、最低1週間は野宿しなくてはいけないくらいの距離がある。もちろん、入り口周囲は野生の魔物に見えるように偽装して警戒をしている。野宿している人がいれば、その時点で警戒するが、ダンジョン内に入ってから初めて警戒されるということはまずありえない。この時点でこの侵入者がただの人であるはずがない。



 改めて、この侵入者を見てみると、すでに3階層へ到達していた。階層を降りた時に辺りを見回して警戒しているのだろうが、その動作が終わると『転移』か?と思うほどの速度で下への階段目指して一直線に進む。しかも『陰影』という姿を隠すスキルを使用しているので下級のモンスターにはまず見つけられない。しかも『罠探知』を使用しているのか、きれいに罠を避ける。下級のモンスターとはいえ『探知』に優れたモンスターに対しては『陰影』を解き、素手で一発殴る。それだけで、モンスターは吹き飛び壁へたたきつけられる。一応モンスターは生きてはいるようだが、しばらくは動けないだろう。侵入者はそのまま4階層への階段を降りる。


 4階層へ降りた侵入者は辺りを見回した後、一直線に5階層への階段を目指す。

 この4階層は一直線に階段を目指すと罠で足止め、その隙を突き幽霊ゴーストによる不意打ちで息の根を止めるというコンボが待っており、迂回するようにしてあるが、この侵入者は『陰影』を解き、罠を触れることなく『罠解除』のスキルを使用し、幽霊ゴーストによる不意打ちを余裕をもって対応、幽霊ゴーストたちを『麻痺スタン』の魔法で全員を麻痺させて動きを止めた。侵入者は何事もなかったかのようにそのまま5階層へ。この間1時間とかかっていないだろう早業である。



 僕はこの間に『鑑定』をしていたが、最初に『鑑定』をしたときは普通の人間の兵士くらいのステータスしか表示されず、違和感しかなかったので、もう一度『鑑定』をしてみると今度は先ほどとは全く違うステータスが表示される。さらにもう一度『鑑定』をしてみるとまた先ほどとは全く違うステータスが表示される。この後も何度か『鑑定』をするが、先ほど見たようなステータスが表示されることもあれば、全く違うステータスが出たりと『鑑定』の意味がない。

 これはまず間違いなく『鑑定偽装』のスキルだろう。『鑑定遮断』のスキルとは違い、ステータスは見えるが、正しいステータスが視れないようにするスキルで、今回はランダムに数種類のステータスを見せていると思われる。

 『鑑定』のスキルは魔神様など、この世界の理を閲覧することができるスキルと考えられ、通常の生物が持つのは非常に珍しいスキルである。この世界では『鑑定』のスキルがあることは広く知られているが、ここまで『鑑定』を警戒しているのは……

 ちなみにステータスで一切の変化がない部分だけを見せると‥‥




―――――――――――――――――――――――――――――――――――


名前 リュート・エル・セイツ

種族 人族(型ダンジョンマスター)

性別 男


―――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ‥‥‥やはりダンジョンマスターだよね‥‥。


『鑑定』スキル持ちは非常に珍しいですが、『鑑定遮断』は珍しいスキル、『鑑定偽装』はかなり珍しいスキルという希少度です。ある程度力のあるダンジョンマスターはすべて持っていることが多いですが。

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