51.2日目
ドラゴン隊やらかします。
5階層のゴーレムたちが近づく前にブレスで一掃した竜たち。
あとは部屋にある隠し通路から6階層へ行くだけ。隠し通路も軽く殴ればすぐにわかるような壁に隠されているだけなので、すぐに見つけられるだろうと思っていた。
しかし‥‥
「ここはコアルームか?コアがないぞ」
「ここから降りる道はない!?」
「しかし、他に道はないぞ!?」
「まさか!?コアを持って逃げているのか?」
などなど言っている竜たち。
「おい、イオ。どうなっているんだ!?なんでコアも下に行く道もないんだ!?」
と、サミーさえ混乱気味。
「そんなに見つかりにくいものではないんだけど‥‥」
と言っておいたが、いくら探しても、コアなど見つかるはずはなく、隠し通路も見つけられず時間だけが過ぎていく。僕は
(探知系とか探索系のモンスターくらいいるでしょ。脳筋だなぁ)
とか思いつつ様子を見ている。その間にゴブオウはホブゴブリン、その上位種であるゴブリンコマンダーを隊長とした小隊編成した隊を送り込む。その後ろからゴブリンシーフを中心とした探査系チームを送り順調にダンジョンのマップ化をしていく。
5階層にて守護者らしきドラゴンがいたので、ゴブリンコマンダー、ゴブリンナイトを中心とした戦闘型小隊編成で戦闘。鱗は固く、物理攻撃は効きにくいことがわかっているが、魔法攻撃にもそこそこ強いということが分かった。しかし、より強力な物理攻撃や魔法攻撃では貫通できることが証明され、無事撃破。そのまま進み、9階層まで到達した。
こちらは全く順調である。しかしサミーたちはまだ5階層を中心にうろうろしている。こちらの当初の計画上、10階層くらいまでは来てくれないとこちらも動きにくい。
なぜなら、こちらのダンジョン入り口付近にもドラゴン隊がひしめいていて、こっちの援軍が送りにくいからだ。
サミーは違うのかもしれないが、代理のゴンソルは脳筋と、僕の中では評価が確定した。あれから半日以上なんの策もなく、ただ探し続けているのがわかっていて、時間だけが過ぎていく。
いつ、隠し通路が見つかるかわからないため、もう夜だというのに、寝るに寝れなくなってしまったではないか。
サミー夫妻は2人で色々話し合っているようだが、手出しはできないルールのため、ゴンソルの対応を見守るしかできない。
「このままじゃ埒があかないから、そろそろフェアリードラゴン投入するしかないんだが、気づけよゴンソル!!」
とサミーが画面に向かって言っている。
「フェアリードラゴン?」
とサミーに聞いてみると、
「ん?ああ、フェアリードラゴンは妖精竜ともいわれているやつで、竜としては弱いが魔力やら風やら使って、探知探索がうまい。これだけ探して見つからないのであれば使うしかないだろう」
と答えてくれた。
「なんで、もっと早く使わなかったんだ?」
「言ったろ。弱いって。その上珍しいから、まともに出すと、ただ数を減らすだけだ」
「ふーん。でもこの状況なら出すしかないと思うけどな」
「その通りだ。だが、決断はゴンソルだ。ゴンソルのバカを見るしかできないのは歯がゆいぜ」
と僕とサミーの会話。そして、ボソッと
「こうして頭を潰す策にまんまと乗ったサミーも十分おバカよ」
とレミーさんがつぶやいていた。
ここまでは主人公の策がうまくいっているようですが、ドラゴンたちが脳筋すぎた。
そしてドラゴンたちがまだやらかします。