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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
ダンジョンマスターたち
46/287

46.ダンジョンバトル前

実は見た目によらず、サミーはいい奴です。

 本来ダンジョンマスター同士が争うとよほど力量差がない限り、お互いのダンジョン、ダンジョンモンスター共にぼろぼろになり、回復まで多大な時間と労力が必要になるが、それは魔神様的にはよくないことらしい。

 確かに、その間ダンジョンマスターの活動は止まるし、英雄や勇者に対応できず、両方滅びることもあるだろう。

 そこで現在のダンジョンとダンジョンモンスターをコピーした異空間を用意し、そこで戦うことで、実際のお互いのダンジョンには影響が出ないようにしたのがダンジョンバトルらしい。


 

 というのがサミーが説明してくれた内容。



「‥‥というわけだ。わかったか?」

「わかった。ダンジョンバトルを受けよう」

「よし」

「だが、条件はどうする?」

「条件?」

「ああ、お互いが勝った時と負けた時にどうするか?を決めないと意味ないでしょ」

「む。よし。俺が勝ったらお前は土下座してリザードマンと言ったことに詫び入れろ」

「うん。僕が勝った場合は?」

「ハハハ。そんなことは起こらないが、万一俺が負けたらお前の言うことをなんでもきいてやろう」

「わかった。それでいい。けど、もう1つ条件を付けたい」

「?…もう1つ?なんだ?」


「お互いが直接指揮するのは面白くないから代理に指揮させるにはどうだ?」

「ほう!?」

「指揮は代理がして、俺たちは見てるだけ。」

「ふむ。面白い。いいぞ」

「お互いの勝利条件は代理の死亡もしくはダンジョンコアの破壊でいいか?」

「いいぞ。あと、ダンジョンバトルは時間がかかることが多いから、1週間の時間制限をつけたい」

「いいけど、1週間過ぎた場合の勝利条件はどうなる?」

「到達階層で決める。それも同じなら代理同志のタイマンだ」

「いいよ。そっちの代理は?」

「あとで顔見せするからそっちも連れて来いよ?」

「わかった」

「よし。開戦は24時間後だ。首洗ってまってろ!!」



 ということで、ダンジョンバトルとやらに参加が決まった。




 さて、ダンジョンバトルを代理に任せることにしたが、この場合の代理とは<ダンジョンマスター代行>の特性をもつモンスターということになる。

 ダンジョンマスター代行とはその名の通り、ダンジョンマスターの承認のもと、ダンジョン機能の一部を使うことができるモンスターで、高度な知能と理解力が求められる。


 毎度おなじみ、ゴブリンの例をとると、<ダンジョンマスター代行>をつけることができるのは最上位種のゴブリンキングとゴブリンクイーンのみ。

 うちのダンジョンにはゴブリンキングがいるので、その中の1体を<ダンジョンマスター代行>としている。主な仕事はゴブリン含むダンジョンモンスター軍の統率、管理だ。




 今回代理に任せることにしたのはもちろん理由がある。

 

 まず、負けてもダンジョンにとってそれほど致命的なことにはならなそうだからというのが1つ。なぜなら、直接ダンジョンマスターを害する行為は魔神様が嫌っているようなので、負け=即死といったことにはならなそうなためだ。


 もう1つの理由としては、現在のわがダンジョンの全力がどのくらいなのか?を試す絶好の機会だからだ。ここ何十年か訓練という名の生存競争に勝ってきたモンスターたちがどのくらいの強さなのか?は実際に戦ってみないとわからない部分が多い。ダンジョンそのものも、これを機に見直さないといけないことも出てくるだろう。


 そして、あのサミーというダンジョンマスター。番号でいうと32番ということがわかっている。鑑定はできないが、コアからの情報で番号は確認できた。32番ということは僕の少なくとも70年以上先輩にあたる。弱いわけがなく、マスター同士の対決では負ける可能性が高い。代理に任せることで、向こうの最高戦力を削ることに成功したわけだ。


 そして最大の理由が面倒くさいから。

 負けて、特に大きなデメリットがあるわけでもなし、もう対人的に限界です。疲れました。のんびり観戦したいので、他のモンスターに任せます。

ダンジョンマスターの誕生は10~20年に10人程度。つまり1~2年に1人の割合で生まれます。

ダンジョンマスターの30番台は計算上70~140年程度主人公より先に誕生したことになります。そうなると、DP収入などからとんでもない強化をされている可能性があります。

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