34.ダンジョンコア破壊
今回はキリが良いところまでのため、いつもよりも短めです。
ゴーレムたちとの戦闘後
「やっと倒せましたか?」
バルダが確認のため、ゴーレムをつついてみても特に反応はない。
「ふうっ。何とか倒せたな」
ワアッと歓声が上がる。
「けが人はどうだ?」
「私ら2人、けがはしているが大丈夫だ。が、ラドからの2人は戦えないだろう」
ルシアーノは一応聖職者で回復魔法が使えるが、限りがありここでは簡単な治癒程度で終わらせた。仮に本格的に治しても戦闘ができるまでの回復はできなかったため、そのように説明する。
「それなら仕方ないが、英雄様ってのはすごいんだな。攻撃が全然通らなかったし、一撃まともにくらったわけでもないのにこのざまだ」
「それはわかっていたことだ。だから最初に回避に専念しろと言ったんだ。まあうちの従者たちも攻撃は通らなかったから、気にする必要はない。それに俺の通常の攻撃でもそれほど効く感じはしなかった。倒せたのはスキルの効果があってこそだ」
「凄い威力の<スラッシュ>でしたね。剣技の中では初級のスキルということですが、スキル自体を使える剣士は少ない。流石ですね」
「<スラッシュ>は最初に覚えたスキルで最も得意とするスキルだからな。これで大分助けられてる」
「それはバルダ殿の実力です。それでここからどうなさいますか?」
「けが人には悪いが俺たちはこのまま進む。この先がどうなっているか確認してから戻った方が良い。食料の問題もある」
そう。このメンバーでは<収納>を使えるものはいない。個人で用意した食糧と水で進んできたが、帰りのことも考えなくてはいけない。某ゲームのように転移して入り口まで帰れるわけではないのだ。行きで消費した食糧と同じだけ、もしくは疲れもあればそれ以上の食料を消費することになるからだ。
「わかりました。戦闘は無理でしょうが、ついていくだけならなんとか」
一行は扉を開けて1本道を先に進む。そしてまた扉の前に来た。
「開けるぞ。もし、ガーディアンであれば撤退だ」
「「「了解」」」
「コアルームであれば助かるんですがね」
「そうだな。では開けるぞ」
扉を開けた先はコアルームであった。
「誰もいないな」
「ああ、真ん中の魔石がコアですか?」
「ああ、よし、周囲に罠はない。入るぞ」
そしてコアを全員で取り囲み、
‥‥ダンジョンコアが破壊された。
次回からはダンジョンコア破壊後のラドの街周辺のことの話になる予定です。