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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
転生からのダンジョン運営をしよう
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29.ギュンターの末路

変態オヤジご退場です

 ワールハイトに住む大魔法使いギュンター、彼は今日もやりたい放題していた。そんな彼は当然ひっそりと天寿を全うできるはずもなく、因果はめぐる。そして、そんな彼にふさわしい末路が待っている。

 

 

 ここはそんなギュンターの被害者の関係者たちが集まっていた。


 「ぼくの許嫁であったクリスは奴に暴行されて、その後自殺したよ。よほどひどい目にあったんだ。そんなやつを許せない」

 「俺の自慢の一人娘は奴の子を身ごもったが、行っても門前払い。絶望して身投げした」

 「僕はあのとき彼女を守れなかった。僕に火の魔法を浴びせ、嫌がる彼女を無理やり‥。あんなのはもうごめんだ。復讐だけを考え鍛えたんだ」

  

 などなど、ギュンターにされたことを話しあう人たち。総勢20人ほど、彼ら全員復讐のみを胸に誓い機を待っていた。

 しかし、いかに鍛えたとはいえ、魔法が当たれば人間ではひとたまりもなく、機をうかがうだけとなっていた。そんな中で一人。


 「もう機をうかがうだけじゃだめだ。これ以上は待てない。なんとしても僕だけでも復讐をする」

 「いや、待て待て早まるな。やつはあれでも大魔法使いで領主お抱え。無駄死にするだけじゃ」

 「くっ‥。いやしかし、もう限界なんだ」

 「わかっているよ。ここにいるみんなが限界なんだ。しかし、ただ行ったところで何にもならん手ひどいしっぺ返しをくらうだけよ」

 「そんなことはわかってる。しかし、ただ待つのはもう嫌なんだ」


 ワイワイ‥ガヤガヤ‥


 現在はすぐに行動を起こそうとする積極派と機をうかがう慎重派、議論は平行線となる。 

 そんな中、一人の男が提案する。


 「みんな、聞いてくれ。おそらくもう少ししたら奴は街に出てくるだろう。その時に襲おうではないか!?」

 「無理だ。前にそうしてから、奴は一人のようでも周りに護衛が付いてくるようになってしまった。無駄死にするだけだ」

 「考えがある。さすがに奴はこの街の詳しい道は知らない。護衛がしにくい場所がある。そこで待ち伏せする。当然護衛は来るだろう、奴も距離があると手出しできないが、接近してしまえば大丈夫。もちろん、死ぬ可能性もあるから、来たくなければ来なくてもいい。だが、俺たちはたとえ死んでも敵を討ちたい」


 おお。そうだ、おれも行くぞ。などなど賛同者が出て来る。




 その頃、ギュンターはそんな会議など知らずにいつものように街へ出て、女性を物色していた。

 そして、人通りが少なくなった場所に出た瞬間、


 「死ね、ギュンター!!」

 

 いきなり、剣を持った男に襲われる。それを間一髪かわしたギュンターは一旦、距離を取ろうと逃げる。

しかし、人通りはどんどん少なくなる方向へ誘導させられていることに気づけない。

 そして、さらに屋根の上からの矢による攻撃にさらされる。矢をよけたが、左腕に当たってしまい、苦痛に顔を歪めるギュンター。

 ここは不利と考え逃げることにしたギュンターだが、人通りはどんどん少なくなっていく。そして、少し開けた場所に出たため、初級の詠唱の短い火魔法<ファイアショット>という多少貫通力のある火の玉を使い、追ってきた弓使いを攻撃する。弓使いは熟練者というわけではなく、所詮は弓を少し練習した程度の素人に近い人物であったため、弓の精度は低く、さらにまともに<ファイアショット>を食らってしまい、絶命する。


 「ふん。わしを倒そうなど100年早いわ。これであとは貴様だけだ。この腕の治療費は高くつくぞ」


 そこに復讐者の増援が来てギュンターを挟み撃ちにする。

 

 「護衛はすべて引き離した。しばらくは来れないだろう。今のうちにギュンターを始末してかたき討ちだ」

 「おう」


 「ちっ!挟まれたが総勢3人程度でやられる、わしではないわ。返り討ちにしてくれる」


 と<ファイアショット>の詠唱に入る。それに気づいた復讐者たちは一斉に剣による攻撃をするが、詠唱が終わるのが一瞬早く2人がやられてしまう。だが、残り1人をなった者の攻撃を受けギュンターは避けそこない弓による攻撃を受けていた左腕を切断されてしまう。しかし、その分距離を稼ぎ出せたので再び詠唱に入るが痛みのせいで集中できず、仕方なしにいつもは脅すためにしか使われていない護身用のナイフを持ち形撃する。


 「うおお!!娘のかたきだ、死ね!!」


 復讐者の剣でギュンターは左肩から右の腰にかけて斜めに切られ、一方ギュンターのナイフは復讐者の胸の心臓に刺さる。






 ワールハイト領主の執務室にて


 「影か」

 「は、報告いたします。街に出たギュンター様が暴漢に襲われ、死亡いたしました。護衛も襲われましたが、そちらは無事です。いかがいたしましょうか」

 「どうもしない。そのまま発表せい。元はあやつが原因だ。それにあやつ程度の魔法使いはすでにいる。影響はない。むしろいなくなってくれてこちらとしても頭痛の種が減ったというものよ」

 


 その後、ギュンター死亡の発表があり、彼の屋敷は怒った市民たちにより略奪、破壊され、弟子たちは領主に保護されるか散り散りになっていく。ギュンターに家族と呼べる人がいなかったのが唯一の救いであった。

ということで、相討ちとさせていただきました。次はラドの街の話をする予定です。

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