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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
エルマンド帝国 黎明期
284/287

284.エルド1世 20歳

投稿が大変遅れて申し訳ございません。この時期色々あるんです。すいません。


今話から新章です。話自体はもう少し続きます。




 女神との闘い、そして、神が去った後、数年が経ち、エルドは20歳になった。あの戦いでエルマンド帝国は統一が完了したと言って良い状態になった。


 北東部にある5本川流域はそのエルマンド帝国とリュート神聖国の間に挟まれつつも独立を保っているが、以前のような悪質な商売をするような船主は追放され、健全な経営と営業で財政の立て直しを迫られているため、外部へ何かをするような余裕はない。女神教の残党は潜伏しているが、規模の拡大は見張られており、できない。


 ここは、今は別ルートの開拓、発展もあって、エルマンド帝国、リュート神聖国両国から特に価値を見いだされていない地域となっている。



 南にある、ドラゴンハンターの街との貿易は増加の一途となっている。西周りの湿地帯のルートが整備されてきたことも要因の1つだ。


 整備されたといっても、いくつかの毒の沼地が浄化されたのと、野営ができるスペースが少し増えた程度で、魔物はまだまだ出る。たまに大物も出るため、決して安全とは言えないルートだ。


 冒険者の仕事としてはその分、高額な報酬が約束される高ランク冒険者の仕事の定番となっており、たまに騎士団の遠征も行われる場所としても活用される。



 さて、エルマンド帝国自体は?というと、3極の完全統一後、内政の充実を図りつつ、反乱分子や外敵への対応に追われていた。


 反乱分子とは、反エルマンド帝国を掲げて、活動している、女神教の残党やエゴ帝国やユニオンの支持者たちで、いくつかの商会もついているため、資金力もそこそこある。だが、商人たちはしたたかで、援助というよりは、いわゆる投資に近い感じで対応しており、成功すれば良し、失敗すればいつでも関係は絶てるようなことしかしていない。



 外敵に関しては、周囲の国ではなく、勇者やダンジョンマスターのことで、現状せいぜい4~5歳の勇者なぞ、どうとでもなるが、ダンジョンマスターはそうはいかない。


 勇者に関してはハイヒューマンなら脅威度が跳ね上がるのだが、ハイヒューマンはそうそう出てこない。今後も出て来る可能性があるのは、エルドを含めた王族、貴族からと騎士団、冒険者からで、出てくるとしても、まだまだ時間がかかるのは確実だ。


 それに、勇者の場合、人とむやみに争い、殺したりと言ったことをすると、能力が死ぬ。さらに、対魔物に関しては特攻効果が発揮されるが、人相手にはなんの特攻効果もないため、ある程度戦闘能力に長けた冒険者や騎士にはあっさり負けることもある。



 ダンジョンマスターの場合、2~3年でダンジョンコアのレベルも上がり、領域テリトリーの拡大に伴い、外との接触が増える時期。つまり、一番能力も大したことがないのに調子に乗りやすい時期である。


 で、そんなダンジョンマスターがやってきては喧嘩を売りに来るというわけだ。こちらとしてはもちろん、ダンジョンバトルなどはしない。ダンジョンマスターとしては放置だ。だが、この地を治める者としては、無視できない。


 ちなみにダンジョンマスターが来るとすれば、西か南からのみである。


 理由は、北は海王の領域と接しており、新たなダンジョンマスターが来る余地がない。同じ理由で東はサミーがいるため、こちらからも来ることはない。



 コンコン!失礼します。



「イオ宰相、そろそろ、例のダンジョンマスターがこちらへ移送されてまいります。処刑場へお越しください」



 伝令の兵がそう言って立ち去る。



 新たなダンジョンマスター?正直、ダンジョンマスターとしてはひよっこな奴しかいない。この数年で、これで3人目だが、魔神様が言っていた通りと言おうか、3人とも見事に性格が終わっている。


 ただ、ひたすら引きこもっているなら良いのだが、破滅願望持ちとか、テロリストと大差ない。当然騎士団としても無視はできず、日頃の訓練の成果を見るという目的もあって、ダンジョンアタックをして、攻略。ダンジョンマスターを捕縛、処刑場で衆目にさらされつつも、公開処刑となることが多い。


 これも最初に知ったのだが、ダンジョンマスター同士の争いは禁止されているため、ダンジョンバトルが行われる。つまり、直接の戦いはできないのだが、直接でなければ問題はない。


 つまり、エルマンド帝国に所属している騎士、冒険者たちでダンジョンを攻略、ダンジョンマスターの捕縛や殺害は可能であった。


 能力的にもちょうど良いくらいなので、場所を特定次第、活動開始となる。



 今回連れて来られたダンジョンマスターには、能力封じの効果付きの特別製の縄でしっかり縛られた状態で移送をさせている。



 公開処刑場に連れてこられたダンジョンマスターは、簀巻きで吊るされていた。


 姿としては全長1mくらいで、頭に先端が丸くなった触角を持つインプと呼ばれる悪魔系。口には呪符を貼られ、一切の行動を封じられている。こうなると脱出は不可能。


 公開処刑場は人であふれていた。娯楽がないからなぁ。



 処刑に当たり、担当の文官が罪状を読み上げる。



「かの者、過日、自らのダンジョンで生み出したギガゴブリンというモンスターを使い、我がエルマンド帝国並びに、南部にあるエルフの里を襲撃、犠牲者を出したダンジョンマスターである!」

「処刑せよ!死刑!死刑!」

「子供を返せ~!」

「息子を返して!お願い~!」

「パンツ見せて~!」



 観衆から遺族だろうか、訴えが。一部おかしいのもいるようだが。まあ、罪状から言って文句なく死刑だが、担当文官が呪符を外し、ダンジョンマスターの言い分を聴衆に聞かせる。捕縛している縄がメインであり、呪符はなくても能力封印はされている。



「まさか、人間どもにこの魔王ミニミニ様がやられるどころか、このような見世物にされるとは。しかし、うぬのその軽率な行為が、ここに集う人間どもを巻き込むことになるのだ!死して後悔するが良い!封印の札さえなければ、こちらのものよ!さあ、この偉大なるミニミニ様の力に震え上がるがよ………アッ」



 なんか、前口上長く話していたが、途中で死刑は執行。最後まで聞くに耐えないのだから、これは仕方ない。調子乗るにも限度がある。というか、これで同じダンジョンマスターとは、恥ずかしい。


 余談だが、このアホのダンジョンマスターが持っていたダンジョンコアはすでに回収されており、城で使われる予定だ。


 そして、このようなことが他に2件ほど。アホばっかりだったので、何の痛痒もなく、処刑できた。


 さらに余談だが、リュート、魔王、竜王のところはもっとひどいのが来ていたらしい。対応は3者それぞれ。リュートはほぼエルマンド帝国と同じ対応。竜王は傭兵、ドラゴンハンターを目指す者たちの練習相手として、かろうじて生かされており、魔王は自由意志を奪った上で奴隷扱いとなっているらしい。

 

 要は、頭がアレすぎて、部下としても使い道がないということだ。



 話を戻して、エルマンド帝国だが、冒険者たちの間で、ダンジョンコアが高値で売れるということで、僕のダンジョンにあるダンジョンコアを取って売ろうとする奴が出て来た。


 現在、エルマンド帝国首都エルドイオにあるダンジョンは本拠であるダンジョンの他に採取用、鉱石用、初心者用などがあり、それぞれダンジョンコアを設置している。


 低難易度のダンジョンなら、比較的すぐにダンジョンコアを見つけることができる。そのダンジョンコアを取って、売ろうとしている奴らがいて、対応としては、冒険者ギルド、王城経由でダンジョンコアを設置場所から移す行為には、ダンジョンの自衛策として関連するダンジョン内に警報が鳴ったあと、ガーディアンが出現すると発表している。だから、取るなよ?ということなのだが、それでも取ろうとする奴がいる。


 そういう奴にはガーディアンが出て迎撃に当たる。


 ガーディアンとして、召喚されるのはナイトメアナイトという死霊系ナイトでHP、攻撃力に優れている反面、素早さは低く、範囲攻撃もできないなど欠点も少なくはないのだが、名前の通り、精神攻撃が得意で、相手は大抵、怖がってそのままダンジョン外へ逃げていき、ダンジョン入り口で捕まるパターンとなる。


 あまりにも襲撃者が多い場合、ガーディアンとして、ホラーリッチも一緒に出てくる。


 ホラーリッチはリッチ系の中でも力は最下級。こちらは主に範囲攻撃の精神攻撃を使うため、一定の耐性がない者は恐慌状態となり、戦いどころではなくなる。他にも範囲攻撃の魔法攻撃もあるが、能力が低いため大した威力はない。


 ちなみに、このホラーリッチ、元はすべてミヒャエルの実験で出た実験体。色々な薬やらで能力をいじられた後、ギリギリリッチになれるくらいの能力にしたあとでリッチ化させた。こいつらはリッチらしくなく、思考能力はほぼない。ただ与えられた命令に従って行動するだけの存在だ。


 元々、完全な敵であったとはいえ、若干良心にくるものはあるのだが、ミヒャエルは「リサイクル」と言っていた。マッドサイエンティストここにあり。という感じだ。


 襲撃者たちは大抵、こいつらに追っ払われて、運が悪いと死ぬ者が出てくるのだが、そこは自業自得。こっちは警告はしているのだし。




神がいなくなった後も法則などは変わりません。イオ的にはこれ以上急いでダンジョンコアのレベルアップの必要はないのですが、DPは入ってきていますし、姿勢は変わりません。惰性というのでしょうか。


次回更新は今月あと1回行い、あとは来年になるかと思います。申し訳ありません。






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