282.VS女神
やはり日曜日には間に合いませんでした。すいません。
色々入れたら、戦闘だけで1話終ってしまった。
女神対、リュートと僕の1対2の戦闘。
状況的にはこちらが不利。
「アアアアッ!!!」
「ふん。そんな攻撃避けるまでもないわ」
リュートが神剣で切りつけるが女神はそれを避けようともしない。当然、神剣が当たって、女神が斬れるが、どういうわけか浅くしか斬れない。
「ほらほら、こんどはこっちから行くよ」
「させるか!」
そんなリュートを僕は魔法で支援、回復するのみ。という状況だ。
なぜこんなことになっているのか?というと、以前言われていた、
“神を倒す、というよりこの世界へのアクセス権を失くすには神剣が必要”と言う言葉が思い出される。
どういうわけか、女神には神剣以外での攻撃はすべて防がれるのだ。当たって攻撃自体は入るのだが、一切のダメージが入らない。そういう現象が起きる。
そういうわけで、神剣を持たない僕の攻撃は一切ダメージを与えられず、リュートの持つ神剣による攻撃のみがダメージが入るということになる。しかも、神剣による攻撃が入ったからといって一撃で倒せるわけではなく、あくまでダメージが入るというだけ。しかも明らかに本来の威力の10分の1以下のダメージ。下手すると100分の1程度にまで減衰される。
女神の攻撃は単発で、しかもこちらの攻撃にカウンターを狙えば、狙えるのだが、どういうわけか狙ってこないのが救いなだけで状況は悪い。
「ええい!うっとおしい!!」
そう言って、女神が取り出したのは杖。見た目は何の変哲もない木の先に透明のグミというかゲル状の球体が付いた杖。
どうやらこれが女神の戦闘形態のようだ。
「喰らいな!!」
そういって杖の先から出たのはゲル状の球体。要は杖の先端が分裂して僕とリュートの同時に体当たりというかぶつけて来た。
見た目は柔らかそうなゲルなのに、当たるととんでもなく痛い。HPでいうとこれ一発で4割ほど削れた計算だ。
一方、リュートの方は決して避けられるタイミングじゃなかったと思うんだが、完全回避したようで、ノーダメージ。
リュートは女神の攻撃後の隙を突き、神剣による連続を開始。
僕はリュートを支援しつつ、自身を回復。
どうやらドッペルでほぼ全力を出せる僕と違って、ホムンクルス、しかも促成栽培で能力が下がった状態のリュートの攻撃では女神に対して厳しいのかもしれない。まあ、僕はこの空間にきたことで、ドッペルゲンガーとの接続が切れなかっただけマシだと思うしかないが。
ここ僕の領域外のはずなんだけどねぇ。助かっているけど。
おっと。女神が体勢を立て直して攻撃にうつった。一瞬、溜めが入るのでわかりやすい。試しに
「ライトニングブリッド」
雷撃球を女神の手に当てると、ダメージは入らないが、衝撃波は通るようで一瞬の硬直を女神がすることで、女神の攻撃がキャンセルされた。どうやら、こういう妨害は入るようだ。
ならば、こういうのはどうかな?
「フリージングソーン」
氷の棘で女神の足をとると見事にすっころんだ。その隙を逃さず攻撃を入れるリュート。
だが、大きなダメージは入らない。
「ガアア!!」
女神が吠えた後、円状に魔力の波動が広がる。こちらも魔力の塊をランスのように円錐にし、先端を波動にぶつけることで相殺。女神はその間に棘から脱出し、リュートに向けて反撃。リュートはそれも難なく捌きつつカウンターを入れる。
女神の攻撃は一撃の威力は高いが、一瞬とはいえ溜めが入るため、読みやすく、対応もしやすい。他の杖を使った攻撃も同様で、なんだろう完全に初心者が滅茶苦茶振り回しているだけという感じ。これならいくらでも隙をついて攻撃できる。
しかもすべて単発。
なんだろう。簡単に言ってしまえば、能力はチートで凄い高いけど、全く使いこなせていない上、いつまでも使いこなせるようにはならないだろうな、という感じ。
問題はこっちの火力不足。
これはいわゆる千日手じゃないか?
女神の攻撃はこっちが多少集中力を欠いたところで当たるものではないし、こっちは当ててはいるが、大したダメージにはなっていない。
せめて、何かリュートの攻撃力を上げるか、僕の攻撃が通るようになればそれで均衡がくずれるのだが‥。
そんなことを考えながら女神の攻撃に対応していると、突然、女神が攻撃パターンを変えた。リュートの攻撃に対し、喰らいながら、範囲攻撃をリュートにぶつけたのだ。
リュートはたまらず距離を取らされる。ダメージ自体は大したことはなさそうだ。
「これで終わりだ!破壊とは豊饒の反対。デストロイウォール!!」
女神はすかさず、一瞬の溜めと短い詠唱のあとこちらに向きつつ、杖の先を地面に半円を描くように当てる。
どうやらデストロイウォールとは、下から上へ向けて触る物を破壊する壁を作りだし、そのままこちらへぶつける魔法のようだ。魔法ではなく技かもしれないが。
この壁、範囲が広く、避けることは不可能。しかもまともに触れたら、即死級の大ダメージが待っている。
チラッと横のリュートを見ると、リュートは立ち止まって、剣を縦にして自身の魔力を下から上へ流れさせる。ああ、そういうことね。
リュートのやりたいことがわかったので、こっちも真似をしてみる。
たぶん、こういうことだよね。
下から上への衝撃に合わせ、こちらも下から上へ魔力を流す。衝撃を一度受けて、左右に割る!
そうすることで、無傷で破壊の衝撃をやり過ごす。…意外と簡単にできるもんなんだな。
「な!」
僕ら2人とも同じ対応でやり過ごしたのを見て、女神が驚いている。いや、そんな難しい対応じゃないんだが‥。
どうやら女神は今ので少し消費したのか、動けない様子。ここを最大のチャンスと見たのか、リュートが砂時計を取り出す。
砂時計?見た目は普通の砂時計のようだが?
「これ、切り札ね。“幸運の星”!!」
紫のような淡い光が僕とリュートを包む。
「限界時間は3分ってところだけど、これでイオもあらゆる攻撃が女神に通るようになるはず」
‥は?それって神剣と同じような特性を付与したってこと?
リュートはそのまま女神に斬りかかる。先ほどより明らかに大きなダメージが入っている。試すつもりで、
「ライトニングブリッド×3」
女神の攻撃を潰しつつ、感電させて動きを止めつつ、ダメージを入れる。…リュートの言う通りダメージが通った!これならいけるか!?
3分間ただひたすら女神の攻撃を潰しつつダメージを入れる。
途中から女神は完全に防戦一方。しかも防御も大したことないので、攻撃が面白いように入る。
しかし、僕とリュートの猛攻で相当ダメージを入れたと思うんだが、無情にも削りきれず3分が過ぎてしまった。
砂時計の砂がなくなり、効果が切れる。
「フハハハハハッ!!残念ね!時間切れよ!!このまますべてを消し飛ばしてあげる!!」
女神が両手を上げて膨大なエネルギーを貯える。このエネルギー量。僕らを消し飛ばして余りある。この神域だけじゃなく、世界にも何らかの影響がありそうなほどだ。だが、リュートも完全にエネルギー切れで動けないし、僕の攻撃は届かない。絶体絶命のピーンチ!!
ドス!!
「それは困るな。女神よ」
「は?」
女神のお腹から子供の手が出ている!!誰!?っていうかこの声、あのお方ですよね?女神もなんでお前がここに!みたいな顔をしているし。
女神、戦闘形態はドラ〇〇クエ〇〇8のラスボスのひげがない姿が一番近いです。それらしい攻撃もさせてみたりする。
最後はすべてあの人?が持っていくという・・。
次回更新は1週間後を予定しています。