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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
エルマンド帝国 黎明期
274/287

274.皇太子誕生

やっと出せた‥。


投稿ペースも少し戻ったかな?と思います。



 季節は秋。僕はまだ、カルナチョスにいる。


 他の3人。エルド、ライド、ノフスもまだ首都エルドイオに帰っていない。エルドイオ周辺の農地は豊作で美味しい食べ物がたくさんできたという報告が来ていた。うらやましい。



 僕の場合、理由は新生女神教国の監視と諜報。


 旧ユニオン東部にある新生女神教国。現在、中心都市があり、その周囲の都市も呼応している状態であるため、いきなり攻め込む前に、呼応した都市を切り崩し、こちらへと寝返らせる工作を仕掛けている。


 成果が出るのはまだ時間がかかる。


 それと、ここに僕がいることで、新生女神教国が仮にものけのカラとも言えるエルマンド帝国首都エルドイオを直接攻撃した場合、ここから東にある最も近い新生女神教国への町の攻撃、もしくは攻撃した新生女神教国の部隊を分断し、背後から包囲殲滅するための軍の指揮を執る必要がある。


 そして、今一番危惧しなければいけないのが、ここカルナチョスへの攻撃だ。


 仮に、ここカルナチョスが落ちるようなことがあれば、ブフラルの奪還をするべく動いているノフスやマルコと分断されてしまう。


 そういうわけで僕はここに配置されることが当然であった。



「失礼します。リュート神聖国から書簡が届いております」



 文官が持ってきたリュート神聖国からの手紙。その内容は新生女神教国について。要約すると、



「女神教国にとどめをさすときは言ってね。こっちも協力するから」



 だそうです。


 拒む理由がないどころか、相手を考えると最悪、女神本人?とご対面もありえるため、むしろありがたいので、「ぜひ」ということを色々修飾した手紙を送る。時期などの相談はエルマンド帝国にリュート神聖国からの大使がいるので、そちらを経由することになる。


 まあ、本当に女神とご対面になったら、どうにもならないとは思うが。



 エルドとライドはワールハイトで順調に目的を果たしている。


 ワールハイトの財政状況その他から、ニゴ帝国との戦争終結後、正式にエルマンド帝国への参加が決まった。今、それを発表すると反対勢力がニゴ帝国への利敵行為に走ることが予測されるため、戦争終結後に発表される。このことを知っているのは側近のみのため、情報の洩れはないと思われる。


 その後、2人はエルラノーア商会の主力傭兵たちと共に、ニゴ帝国に攻められている町で比較的守りが薄い町へ移動し、ニゴ帝国を迎撃する。


 ワールハイトの同盟都市の中でニゴ帝国に接する町はすべて防壁が備え付けられている。


 資材や食料の備蓄もあり、防衛に関してはかなり準備をしてきた町であるため、早々落ちないだろうと思われている。


 だが、いくつかは人手不足になっており、そういう町に2人を中心に傭兵を送ることで、相対的にワールハイトの権威を落とすことも目的にしている。


 エルドに関しては、防衛時の指揮と駐屯する町の内部の掌握の任務があり、直接の戦闘には出ないように言ってある。ライド1人でも過剰戦力なのだから、ここで前に出て、万が一撃破されたら目も当てられない。むしろ、ニゴ帝国軍を撃破して先に行かれる可能性の方が高い気もするが。



 とにかく、2人にはニゴ帝国の目を他に向けさせないよう動いてもらうことが重要だ。


 この任務は冬、雪が降る直前まで続けてもらう予定だ。そして、冬は首都エルドイオに帰還してもらう。


 政務もあるのだが、何よりも、エルドの子供が生まれるためだ。


 というよりも、エルドが、



「何があっても帰るからな。帰らないと何言われるかわからん」



 と、言っていた。




 ノフスとマルコのコンビで動いてもらっていた、旧ユニオン西部ブフラルの町の解放とモンスター討伐だが、無事終わったと連絡が来たので、予定通り、治安維持などを目的に駐留する軍を配備。これにより、エルマンド帝国とワールハイト同盟が完全につながった。



 その後、ブフラルの準備が整えば、ニゴ帝国への攻撃となる。


 攻撃をしなくても、ニゴ帝国からすれば、南のワールハイト、東のエルマンド帝国との2正面作戦を展開せざるを得ない。そうなれば、現在のワールハイトへの攻撃の苛烈さは維持できないと思われている。



 そのブフラル自体は奪還成功のしらせを受けた、元住民たちを中心に、人が集まり始めていた。


 現在はエルマンド帝国軍、マルコ、ミーアを中心とした冒険者たち、そして、討伐したモンスターの素材を目当てに商人たちが住民のほとんどであるが、少しずつ復興が進みつつある。


 冒険者たちは、ブフラルの奪還後、周辺の警戒と同時に魔の森内部に入り、討伐を続けていた。エルマンド帝国から食料や装備品などの支援もあり、また、今回の奪還作戦で冒険者の認知度もエルマンド帝国内で高まった。そのことで志願者も増え、と冒険者の周辺環境が良くなった。


 リュート神聖国からワールハイトまでの東西の貿易路となる場所であるので、このまま順調に復興が進めば、人も自然と増えていくだろう。


 今回、ブフラルの奪還のため派遣されたのが工兵であるのは、ここに理由がある。


 奪還作戦中は素早く陣地を構築し、整備を中心に冒険者たちの支援。奪還後は町の整地から始め、建物の建設はもちろん、ニゴ帝国、魔の森を警戒し、防壁を作成。近くに川があったため、水をひき、飲み水として問題ないことを確認後、配水設備を作成、農業用の水路も作成し、と訓練がてら、良い経験を積ませてもらいつつ、復興に多大な貢献をしてくれた。


 現在彼らは、一部を残し、エルマンド帝国へと帰還中である。そして、その後、エルマンド帝国首都エルドイオとカルナチョス、カルナチョスからブフラルを結ぶ街道の拡張整備の任務に就く。

 

 完成すれば、多くの人が通ることになるだけでなく、軍など大多数の人が素早く移動可能になる。物資も素早く、かつ大量に移送できる。インフラ整備は非常に大事だ。



 こうして、ニゴ帝国の勢いはなくなり、ワールハイトへの攻撃に集中できなくなったため、エルドたちは無事、首都エルドイオに帰還できた。



 そして、そのまま、何事もなく冬を迎え、年が明け、春になる。



 エルドとルルの子供が生まれた。男の子だ。この子が次代の皇帝になる。


 名前はリカルド。リカルド・エルマンド皇太子


 能力は全て1。スキルもなく完全に普通の赤ん坊なのだが、鑑定すると




―――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 リカルド・エルマンド

種族 ハイヒューマン

性別 男

年齢 0歳


―――――――――――――――――――――――――――――――――――



 ヒトの進化種だった。



一気に皇太子誕生。母親は魔道士のルルでした。


次回更新は1週間後を予定しております。

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