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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
エルマンド帝国 黎明期
270/287

270.カルナチョス

すいません。諸般の事情で投稿予定日を過ぎました。


いきなりユニオン中心都市のカルナチョスから始まります。


 僕と海王ニニムのダンジョンバトルが終わった直後、ユニオンの中心都市であるカルナチョスでは、エルマンド帝国を征服すべく、軍の招集と訓練が行われていた。


 ここでカルナチョスという都市について確認しておこう。


 

 カルナチョスは東西の交通路の中心にある都市であるだけでなく、北は海、南はエルマンド帝国に繋がっている道がある。


 しかし、3極の戦争状態が進むにつれ、西部が消滅し、商圏が1つ消滅したことで、カルナチョスの貿易構造を変化せざるを得なかった。


 そこで目をつけたのが、南にあるエルマンド帝国。

 

 噂によれば、豊富な食料だけではなく、様々な資源もあると言われているため、そこを配下に加えることは、新たな商機となる。

 

 ダンジョンがあるのも噂で聞いているが、発展具合や、住んでいる人口などの情報は持っていなかったのだが。



 カルナチョス、ひいてはユニオンの盟主はカルナチョスを牛耳る商会長も兼務している。


 元々カルナチョスには2つの大きな商会があった。


 カルナ商会とナチョス商会だ。


 海沿いの街道が使えなくなり、カルナチョスを経由する街道が主要街道になると同時にこの2つの商会も大きくなり、カルナチョスに住む者はこのどちらか、または両方の商会から、物を買い、生活をするようになるほど、大きくなっていく。


 通常、これほどの大きな商会が2つあれば衝突を起こすものなのだが、ある時、後継者問題に悩まされることになる。


 いわゆる商会内部での後継者争いが激しさを増し、後継者同士が相討ちになる形でほぼ、いなくなったのだ。


 その事態を見て、当時この2つの商会長たちは、話し合った。



「お互いの残った後継者は男女1人ずつ。お互いを結婚させ、商会も1つにしよう」



 と。


 そうすれば、後継者問題の解決だけではなく、カルナチョス経由で売買されるすべての商品の値を思い通りにすることができる。


 いわゆる談合である。まあ、候補者が他にいないこともあるため、完全に独占状態となる。どちらにしろ健全な商売の状態とは程遠いことに変わりはない。


 不幸だったのは、これが行われたのが、周辺の自治都市で最も大きく、最も栄えている都市で、最も経営規模の大きな商会で行われたことだろう。


 他の商人たちは傘下に入るか、排除されるかの2択しかなく、しかもそれが周辺の都市にまで及ぶことになったのだ。そうして都市連合ユニオンが形成された。



 カルナチョスはエルマンド帝国を認めていない。認めてしまえばこれから起きるのは侵略戦争だからだ。


 認めない以上、ユニオンとしては開拓という名目で、



「あらたに開拓に適した土地を見つけたよ。だけど、そこに人がいるね。しかもあれはウチから逃げた犯罪者たちだ。討伐しなければいけないね。ああ、ついでに彼らが持っていた物は没収だ。犯罪者の持ち物なんだから当然だよね?」



 そんな理屈で1万にも及ぶ兵を集めたカルナチョス。




 まさに、これからユニオンVSエルマンド帝国の戦争が始まるかという機運が高まっている時。


 カルナチョスの、ひいてはユニオンの盟主である、ドン・カルナチョスの居城にて、訪問者の知らせを届けるべく、伝令がドン・カルナチョスへ謁見する。



「失礼いたします」

「何事か?」

「はっ!ただいま、城門前にドン・カルナチョス様への謁見を希望する使者がまいりました」

「それはどこからだ?」

「エルマンド帝国です」



 ドンは「エルマンド帝国などという国はない。あれは大規模開拓予定地だ」と言いつつ、色々確認をする。



「使者は何人か?」

「はっ!4人です」

「男か女か?」

「すべて男、といいますか、少年です」



 おそらくドンは色々疑問に思っただろう。「なぜ、使者が少年なのか?」「しかもたった4人?」「そもそも、戦争は決定だ。いまさら何の用だ?」などと。だが、ドンの指示は、



「面白い。会ってやろう。だが、近衛を呼べ。完全装備で呼べるだけな!」



 使者の返答如何によらず、殺す気満々である。



 だが、状況から言えば、それも当然。


 すでに戦争が決まっており、交渉や、譲歩など出来ることがない状態なのだから、門前払いなら穏健といえるだろう。


 おそらく、今回は、使者が逃げることができないよう、中に招き入れ、逃げ道を塞ぎ、交渉決裂と見せて、使者を殺し、そのまま宣戦布告する流れだと思われる。


 その際、「謁見なので」とか適当に理由をつけて、武装を解除させることができれば、最高だ。無抵抗になるわけだから、余計なケガなども防ぐことができる。


 この場合、使者にできることは、死者になる時間を延ばすことだけだ。


 うん。うまいこと言った。(自画自賛)



 ‥まあ、普通なら、なんだけどね。




 ドンに謁見するのは、エルマンド帝国からの使者として来たエルド、僕、ノフス、ライドの4人。魔法攻撃担当のルル、回復、補助担当のアイシャはいません。首都エルドイオで留守番です。


 謁見の間に入る前に、案の定、武器などは没収。服だけで、謁見に臨むことになる。だが、『収納』持ちの僕らにはあまり関係ないんだよね。この措置。エルマンド帝国の城みたいに魔法無効化空間でもないと。まあ、こうなることを見越して、本当の武器などは渡していないし。



 で、それぞれ挨拶と自己紹介をするのだが、エルドのところで当然、周りがざわつく。そりゃあ、



「私はエルド。エルマンド帝国の皇帝である。今回はユニオン盟主ドン・カルナチョス殿に直接話がしたいと思って、参った次第である」



 なんて言うんだもん。これ、直訳すると



「俺は、エルマンド帝国の皇帝だ。お前らの敵の首魁だぞ。俺の首はいらんかね?」



 と、要は殺してくれと言っているようなもんだよ、エルド。



 そうなると、当然‥



「そうか、わざわざここまでご苦労でしたね。ではあなたの首を持って、開拓予定地に送り返しておくとしましょう」



 チャキ!チャキ!



 近衛が戦闘態勢になり襲ってくるよね。そりゃそうだ。エルドの首を取れれば、あとは蹂躙して、支配下に置くだけだし。


 ‥まあ、取れれば、だけど。





「なんだ、コイツラ。これでも近衛か?ただの雑魚だろ?」

「見た目だけは強そうなんだけどね」

「‥物足りねえ」

「‥お前らが強くなり過ぎなんだよ…」



 まあ、心配はしていなかったよ。武器?この程度の奴らにそんなんいらんわ。



武装した一般的な近衛兵<<生身のエルドたち


強さはこんな感じです。そりゃ勝負にならない。

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