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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
海王とのダンジョンバトル
263/287

263.ニニムきれる

いつもありがとうございます。


ニニムの装備品;トライデント

三つ又の槍だが、剣としての使用もできる。つまり、槍技と剣技の両方が使える。



「‥まいったなぁ」

「まいりましたねぇ」



 僕とゴブオウが悩んでいたのは、現状の戦力分析。


現状の戦力分析の結果は、明らかにこちらの方が分が悪い。


 ダンジョンコアのレベルが同じでも、向こうの方が100年ほど先にダンジョンマスターになっているため、ディティールのところで劣っていることがはっきりした。


 具体的に言えば、どこに振り分けたかにもよるのだが、モンスターたちの層の厚さ。


 チームや集団として見た場合の全体の質とでも言おうか。


 とにかく、このままでは厳しいということだ。



「海王の防御はそこまででもないが、向こうのモンスターが水に特化している分、こちらはなかなか攻めきれない感じですな」

「おそらく、ニニムの配下はそこまでDPは使っていない。水中で必要な能力を重点的に上げている感じだ。しかし、その分、ニニムの強化にDPが使われているんだろう」



 ゴブオウと僕の感想だ。



 ダンジョンは基本的に防御側が有利。ニニムはDPを攻撃というか、自身に振っている。一方、僕らは満遍なく振り分けている。そのため、どちらかというと防御に重点的に振っているということになるのだが、その防御が簡単にやぶられている状況。


 海王自身という過剰戦力で攻略しているんだから、当然と言えば当然なのだが、体力、精神力などを削っているかというと、けしてそうではないのでやられ損となっている。

 向こうとすれば、消耗がないのだから、早期に投入した方が良いということになる。



「だが、これはあくまで中盤。これからが終盤だ。ここからは今までのようにはいかない」

「そうですな。だが、その前にこちらが21階層に到達できるか?という問題がありますな」

「そっちは、アレハンドロとマックがいるから、なんとかしてもらうしかないな」



 ゴブオウの指摘は、アレハンドロとマックになんとかしてもらうしかないだろう。というか、あいつらなら大丈夫だろう。



 さて、他のダンジョンマスター代行は?というと、ミヒャエルは元々研究班のため、今回は不参加で、ダンジョンなどに不測の事態が起きた時用に待機してもらっている。


 一方、ガキンは、ダンジョン21階層以下の防衛準備とこっちの攻撃側の援軍の準備をしてもらっているため、ここにはいない。



 ここでニニムたちの様子を見ておこう。



 ニニムの進撃は止まらない。


 元々の予測通り、21階層到達は比較的簡単だろう。実際、19階層まで、余裕を持って攻略していた。


 20階層の階段前のボス部屋まで来ていた。20階層のボスは相当の強さを持つモンスターを用意した。ボス部屋も広く、100対100くらいの戦闘なら余裕でできるくらいの広さがあるので、ニニムの部隊なら丸ごと相手にできる。


 今回はそれが裏目に出たと思う。


 なにせ、ニニムの部隊丸ごと相手にしなければいけないのだから。



 20階層のボスはデーモンキング。悪魔たちの王、悪魔王である。

 

 悪魔王といっても人の王のように王冠をかぶっているとか、華美な服装を纏っているとかそういうことはなく、ただの青年の人がなんだか強そうな武装をしているという感じの見た目だ。悪魔は、見た目はあまり気にしないらしい。


 そんな悪魔王の補佐に悪魔将軍、デーモンジェネラルが3体に、最硬度を誇るダマスクスのゴーレムと魔法に対し高い耐性を誇るミスリスゴーレム各10体を前衛の盾とする配置だ。


 だが、その盾がニニムの前では盾にならないだろう。仮に盾になったとしても、1撃か。デーモンたちの攻撃は当たったところで、さしたるダメージにならない。相手の回復力を上回ることができないだろうし。


 なので、大して期待をせずに見ていた。



 ニニムたちは、20階層のボスを見て無駄に前口上などはなく、すぐに戦闘態勢に入る。


 ここまで乗ってきた波はこのボス部屋に入るときには消えていた。そのため、波に乗るときには、また召喚しないといけない。


 あれだけの水の召喚にはどうやら高い集中力がいるらしく、デーモンジェネラルたちは周りの配下を狙いながら、デーモンキングがニニムを狙う補助をすることで、ニニムは海の召喚ができずにいた。


 裏を返せば、ニニムの配下がニニムの補助ができていないのだ。


 その状況にニニムがだんだん苛立ってきているのが目に見えてわかった。そしてついに‥



「あー!もう!!面倒くさいんじゃい!!まとめて吹き飛べ!!!!」



 その持っているトライデントを剣のように振り回し、斬り、突き、払いと連続して繰り出し、“剣風乱舞”を発動する。


 その範囲内にいる者は全てニニムに斬られる。味方をも。


 ニニムの攻撃にダマスカスゴーレムは1撃なら耐えた。ミスリルゴーレムは耐えれなかったが。デーモンジェネラルも1体が巻き込まれ、やられた。


 それを見た、デーモンキングは回復魔法のキュアをダマスカスゴーレムにかけ、ニニムの配下にフレイムボルトという火魔法の複数対象の攻撃魔法でとどめをさす。


 これで、デーモンキングにデーモンジェネラル2体、盾役のダマスカスゴーレムが10体。キング以外はかなりの手負いだ。


 一方、ニニムの配下がだいぶ減ったとはいえ、当然、ニニムは無傷。ホエールバトラーも無傷ではあるが、どうやらホエールバトラーは戦闘の指揮はしていないようだ。そのため、配下たちがニニムの補佐を有効にできていない。しかし、配下の前衛職は今ので尻込みしてしまい、前には出られない。


 そこにゴーレムが突っ込む。そこにデーモンジェネラルたちが的確に狙撃をし、確実に数を減らす。


 ニニムはゴーレムを斬り払い、デーモンキングに突っ込む。


 デーモンキングは斬られたが、反撃をする。


 お互い被弾したが、ダメージはデーモンキングの方が多い。しかし、ニニムはダメージを自動で回復し、完全回復。デーモンキングも自動で回復するがダメージは残る。


 この繰り返しでデーモンキングが倒れた時、ニニムの配下たちもダマスカスゴーレムやデーモンジェネラルを倒したところだった。



 それを見ていた僕は



「‥思ったよりデーモンキング粘ったね。ここまでやれると思っていなかったよ」

「まあ、デーモンキングも限界突破はしていましたからね。さすがに火力が違い過ぎましたが」

「ニニムって、配下がいない方が力を出せて強いんじゃ?」

「かもしれませんな。しかし、最後は味方ごと巻き込む攻撃をしてきますから、盾扱いで考えれば、いないよりはいた方がよいのでしょうな」

「配下の統率ができていないのが大きいってことだね」

「そうですな。今回はそこが狙い目の1つになりそうですな。そういった意味でも今回のデーモンキングたちは十二分に役割を果たしましたな」



 ニニムは配下を統率できていない。配下の中にも統率ができる者がいない。強さという点でもニニムのサポートすらできていないのでは、ニニムにとってはつらいところだろう。



 こっちはこの間にガキンが援軍を用意し、送るための準備をしていた。


 29階層から2階層への一方通行の転移罠を利用し、援軍をニニムのダンジョンへ送る。そのための露払いとなるモンスターたちを先に送り込む。幸い。ここらへんにはニニムのモンスターはいなかったため、スムーズに援軍を送ることができた。


 海竜という水専用みたいなドラゴンがいる。ニニムのダンジョンの環境が水がない可能性も考慮し、最初から送ると決めずに一旦様子を見てから決めることにしていた。


 だが、ニニムのダンジョンが水しかないことがわかったため、援軍として送ることにした。他にも、空気の維持の目的で魔法を使っているモンスターたちや戦闘に向く、比較的水で戦えるモンスターたちも21階層以下の攻略のために送り出した。



 ニニムのダンジョン攻略の中心となるアレハンドロとマックたちはなんとか苦戦しつつも、順調に攻略をしていた。


 こっちはニニムと違い、完全に正攻法の攻略だ。罠を解析し、解除か避け、モンスターたちも丁寧に処理。ほとんどはアレハンドロとマックが処理することになるが、こいつらも自動回復を持っているため、永続的な戦闘が可能だ。



 そうして、ニニムたちに遅れること1週間。目標の20階層に到達した。


 

 ダンジョンバトル終了まであと1カ月。



剣風乱舞;剣技Lv7


説明をしていなかったスキルの設定でした。


次回更新は一週間後を予定しています。


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