262.ニニムのダンジョンの攻略・中層
投稿時間が予定より遅くなりました。すいません。
デーモンロードのアレハンドロを中心としたパーティーがニニムのダンジョンの11階層で調査をしていた部隊と合流。12階層のクリアを目指して進む。
デーモンやエンジェルなどの精神系モンスターは呼吸などの必要はなく、水の中でも活動ができる。しかし、実体があり、水の物理的な影響は受ける。水中適応がないため動き自体は陸上の時よりかなり悪い。
彼らが水中でできる有効な攻撃が近接戦闘か水弾などの魔法攻撃だった。
12階層で出てくるモンスターは巨大なタコやイカに加えて、ホタテや魚のモンスターといったモンスターたち。
動きが普段と違うためか余計な被弾が増え、魔法攻撃でなんとか倒すが、被害も出ていた。なにせ、12階層のフロアボスのマーダーアリゲータという巨大なワニのモンスターの攻撃をアレハンドロが被弾したくらいだ。明らかに次のフロアで苦戦する未来しか見えない。
「‥無理だな。マクシミリアーノ‥マックも出そう」
「そうですね。戦力の逐次投入という悪手になりましたしね」
「浅慮な戦力投入‥上手い。プププ」
僕の意見に追随するゴブオウ。シャールさん、ダジャレに笑わないで。
アレハンドロが13階層の攻略に向かう間、マックの部隊も加勢に向かう。
道はすでに作ってあり、道中は罠も解除済。アレハンドロが13層の攻略中に合流するだろう。
ニニムのダンジョンの13層目は12層で出て来たイカとタコにお供にサメやら槍を持った魚に手足が生えたモンスター、ザハギンなどが出て来た。
アレハンドロの部隊は苦戦しながらもなんとか進む。基本は水弾などで遠距離から攻撃しつつ、近くに来られたら、近接戦闘が得意な者が抑えつつ、他の部隊員が狙撃して仕留めることで極力消耗を抑えるように進んでいたが、イカとタコは全長で10mを超える。
近接戦闘で抑える前に、イカとタコの射程範囲内に入ってしまっているため、こちらが被害を受けることになる。
イカとタコは“高速連打”というスキルをメインで使用してくる。
簡単に言えばタコなら8連打、イカなら10連打の攻撃がくる。耐久できなければ、他の者もこの攻撃をくらうことになる。
この攻撃が来る前に仕留めなければいけないのだが、HPも相当高く、弱点に当てても、アレハンドロ以外の者だと2~3発の攻撃を必要としていた。
そんなモンスターが全方向の周囲から襲ってくるのだ。アレハンドロだけでは対処は困難だった。
そこにマックが到着する。
マックは到着すると、すぐに苦戦の原因であるタコとイカを魔法で狙撃し、きっちり弱点に1発ずつ当て倒していく。タコとイカさえいなければ、他は大したことがない。
「‥苦戦しすぎだろう?」
「!仕方ないだろ!数多いし、反対方向からも来やがるし」
「お前がきっちり仕留めれば済む話だったろう?別に消費もないんだし」
到着早々、アレハンドロに文句をつけるマック。無口だが、アレハンドロに対してはそこそこしゃべるマックだった。
喧嘩をしているようでも、この二人は意外と気が合うのか相性が良いのか、連携などに問題はない。
お互いが逆方向を担当することで、苦戦もしなくなった。
アレハンドロの反対方向をマックがサポートすることで、アレハンドロの判断が早くなり、対処が早くなったことも一因だろう。
ニニムのダンジョンの13層目のフロアボスはまたデカいイカとタコ。
「‥これはまた、デカいな」
「ああ、20mはあるぞ」
「今までの傾向から、こいつらもっと下の階層で普通に出てくるんだろうな」
「そうだな」
マックとアレハンドロの言う通り、今までより、一回りも二回りもでかいタコとイカが2匹ずつ。他にお供のザハギン10匹。
幸い、動きは他と変わらず、大して早くはない。
とりあえず、マックとアレハンドロが弱点に1撃ずつ加えたが、仕留められず、3発で仕留めることができた。ザハギンはこの階層とほぼ同じ能力であったため、ただの雑魚だった。
「‥ヤバいな」
「ああ、俺たちで3発かかるって、相当HP高いぞ、こいつら」
マックたちが戦闘後の検証で、このジャイアントオクトパスとジャイアントスクイードのLVは50超え。推定でHPは5万ほどだった。
他の配下のモンスターたちでは、倒すのに10発前後は当てないと倒せない計算になる。しかも弱点に当てた上で。…戦力不足は明らかだった。
マックたちはその後、15層まで到達する。ここまでイカとタコの能力にほとんど変化がなかったことが救いだった。今後を考えると不気味とも言う。
さて、ニニムの方はというと、こちらが、14層に到達した時点で、再度攻略を開始し、16層、17層はあっさりクリアされてしまった。
ここで立ち止まるかと思いきや、どうやら20層攻略をひとまず目標にするようだ。この時でこっちはようやく15層にたどり着いたところだった。
「マスター、海王の対処はどうしますか?予定を早めますか?」
「ん?予定って、20層以下まで海王が来てから、本格的な迎撃うんぬんってやつだよね?ゴブオウ」
「ええ。海王は大胆さと慎重さを併せ持つことがこれまでで十分わかりました。このままだと20層までの到着は時間の問題。一方、こちらは、20層まで攻略ができるかすら怪しくなってきました。そろそろここで対処をしないと、かなり厳しい戦いになるかと」
ゴブオウの状況分析は正しい。それは今のところ、だが。
海王ニニムは遅かれ早かれ、最後はこっちのダンジョンを攻略しに来るのは性質上、予測はしていた。おそらく守りに入らないだろうとも。
当然、その場合は21層以下の下層を想定していた。かつ、その時には配下のモンスターはそこそこ消耗しているはずであった。
その計画を20層より上で行うように早めるというのが、ゴブオウの提案だ。
「却下で!」
「マスター!なぜですか?」
「ニニムのダンジョンの20層目までは何としても攻略はする。その時、ニニムは必ず21層以下の攻略を目指す。だからだ。その予定は変える必要はない」
想定外のことに対して、想定外で対応をするのはありえる。というより、想定内の対応では対応ができないから、当たり前だ。しかし、今回の場合、元々想定内の条件に落ち着く。そこに対して、こちらが想定外の対応をすれば、それは隙になる。
まあ、想定内の条件にするためにはニニムのダンジョンの20階層攻略のめどがつくことが最低条件になるのだが。
ここはいつも通り、配下のモンスターたちを信じることにする。適切に援軍を送ってやれば、問題はないはず。
‥となれば、そろそろかな?
次回投稿は次の日曜日の夜を想定しています。