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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
海王とのダンジョンバトル
260/287

260.ニニムの戦闘能力

ニニム無双、後編です。



「オーラブレード!」



 海王ニニムの放った超強力な一撃で、イオのダンジョン全体が揺らぐ。


 

「なんだよ、今の一撃。50階のここまで振動が伝わるって、おかしいでしょ」 

「‥マスター、オーラブレードは光と無属性魔法、剣術のスキルがそれぞれレベル7必要ですが、ここまでの威力は出ませんよ」

「おそらく、チャージや強化魔法などの重ね合わせと複合でここまで威力を上げたんでしょう。どちらにしろ、とんでもない威力ですが」



 ぼくのつぶやきに解説を入れるゴブオウとガキン。


 オーラブレード自体は剣術の威力増加と与えたダメージの数分の1程度のHP回復効果とアンデッドへの特攻効果の付与だが、いくらニニムのステータスが高いと言ってもこの威力は出ない。


 チャージはMP消費をして、その分、次の攻撃の威力を上昇させるスキルだ。




 ニニムがオーラブレードを放った後の10層の階段前の部屋は爆風と塵やほこりが舞い散り、全く先が見えない状態になっているが、いくら比較的上位のアンデッドといえども、さすがにこの威力には勝てない。動くような反応は一切ない。


 視界が晴れたあと、出て来たのは、天井が崩れた道と、次の階層が見えそうなほどの斬撃。



「ふむ。やはり魔神様の用意したしかけか。通常なら20層程度ならダンジョンそのもの・・・・も斬れるのだが、そうはいかないらしい」



 海王ニニムの狙いはどうやら、ダンジョンそのものを斬ること。それでダンジョンコアやダンジョンマスターが斬れなくとも、最下層の30階層までは一直線の道ができる。


 だが、それは裏ワザ。


おそらくニニムは以前、この戦法を使っていたのだろう。今回のダンジョンダトルでは反則として、できないようにダンジョンに仕掛けをしていたらしい。


 それで僕のダンジョンは助かった。力技とはいえ、とんでもないことを実行する奴だ。



 ニニムが様子を見ている間にダンジョンは自動的に修復を始める。その間、後ろからニニムの護衛隊であろうモンスターたちが追いつく。



「若!先行し過ぎです!あれほど、事前に先行し過ぎないよう言ったはずですよ!」

「爺、遅かったなぁ」

「我々が遅かったのではありません。若が早すぎるのです!」



 どうやら、ニニムの後に入ってきた部隊はニニムの近衛だったらしい。その近衛を率いて来たのはニニムと同じくらいの大きさの小型のクジラの魔人。ホエールバトラー。


 執事バトラー闘士バトラーの二面を持つダジャレモンスター。


 見た目は執事の格好をして白く長いひげを1本づつ生やした人型のクジラで足はヒレだったりする愉快な見た目だが、ダンジョン執事であろうため、かなりの上位種である。


 近衛たちも見た目はフルプレートの貝製の鎧を着た人型のモンスター、シェルナイトを中心に、水でできた狼、アクアウルフと、女性型で魚の鱗やヒレを持つセイレーンがいて、明らかな水陸両用のモンスターたち。


 水陸両用と言っても、陸上では水中ほどの能力を発揮できないようで、ニニムにはついていけなかった。



 ニニムの独断先行はいつものことらしく、大人しく怒られているニニム。




 さて、ニニムの様子を見ているだけではこちらはやられっぱなしなだけである。しかし、ニニムの様子を見ている限り、少なくとも21階層までは短時間で攻略されるだろう。


 ここまでで、ニニムの能力が分析できたことはある。



「まず、ニニムはHP、MP10万以上、攻撃力は1万以上の超越者だ。スキルレベルもほぼすべて最低でも7はある。それとHPとMPの自動回復の極大もある。体力的にもほぼ無尽蔵と考えて良いだろう」



 すでに限界突破をしており、スキルレベルも最低で7。おそらくいくつかは10の最高値に達している。


 HPとMPの自動回復については、これまでのダンジョン攻略でわかった。


 モンスターたちはニニムに傷をつけることはできなかったし、即死系の罠も避けてはいたが、即死でない罠、特に喰らっても軽微な傷しか負わないような罠はいくつか当たっていた。


 しかし、傷はたちまちに回復した。MPに関しては見た目ではよくわからないが、オーラブレードを使った後、間違いなく3割以上消費をしていたが、それすら、たちまち回復したのは見えた。


 自動回復の極大は1分間に30%の回復。3分ほどでほぼ全回復する。カップラーメン並みだ。


 回復量からニニムが習得しているのは極大だと確定だ。HPの回復はHPが全快の時は体力の回復にまわる。HP、MPや継戦能力はほぼ無限。数字で言えば、ニニムは、1分で3万ダメージ当てても死なない。



 以上のことから、ウチのモンスターたちでは20階層までの奴らはニニムを倒せないし、21階層までの到達は確定だ。


 では21階層以下の階層で待ち受けるモンスターたちがニニムを倒せるか?というとそれも簡単ではないだろう。そもそも、おそらくニニムは20階層で止まる。

 

 その時にこちらが20階層を攻略できないと判断されれば、ニニムは20階層で止まり、あとは時間切れを待つ可能性が高いと予測している。ニニムとダンジョンに残るモンスターたちとの連絡は可能だから、情報はニニムに届く。



 ニニムたちは配下のモンスターたちとも合流し、11階層へ降りた。


 ニニムが降りた後、一言。



「めんどお~くさいのぅ」



 11階層を見た瞬間、すごく面倒くさそうに言った。


 なにせ、11階層は見渡す限りの草原。フィールド型と言われる階層だ。それでも壁はあり、壁、天井に景色を投影している。しかし、広さはこれまでの比ではない。


 調査範囲も広いし、階段も3つある。当然モンスターは四方八方から襲い掛かる。



 ニニムは魔力を溜め、



「ダイダルウエイブ」



 ニニムの周りに海を召喚し、波を周囲に送る。



 草原にいたモンスターは陸上型で、水中適応はない。フィールドにはあちこちに転移の罠があり、海水を輩出する排泄管としての役割もあるので、水はほどなくしたらひくが、モンスターは全滅だろう。


 そして、ニニムたちはその波に乗って階段を高速で目指す。


 この状態では罠も起動してしまっているため、器用に避けていく、調査も同時に行ったのか、階段に向けて一直線だ。


 これ、想定以上に攻略速度が速い。


 もうこれだから、戦闘型マスターとのダンジョンバトルは嫌なんだよ。


ニニムは当然、まだ切り札を持っています。というか、今までの無双が陸上で行われていますので、水中だとどうなるんでしょうかね。強く設定し過ぎたかも。


次回更新は一週間後を予定しています。

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