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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
海王とのダンジョンバトル
257/287

257.海王とのダンジョンバトル・開始直後

あまり進みませんでした。おさらいも含めているので、次話以降進めていきます。


ジャイアントスクイード→ジャイアントオクトパス

に訂正しました。話の内容は変わりありません。すいません。


 ダンジョンバトルが開始された。


 僕らはダンジョン最下層の司令室で戦況を見ていた。


 ここにいるのは、僕とゴブオウ、ガキン、マクシミリアーノである。ミヒャエルはこの間、本来のダンジョンや領域テリトリー内の監視をそれぞれ交代で行うため、アレハンドロは別の任務のためここにはいない。


 バトル開始後、海王軍はゴブリンやオークを中心とした地上部隊、それぞれ約1000匹をウチの東、西、南の3つの入り口に送ってきた。これで、ウチが援軍を送る場合、どれかの部隊を全滅させないと外に行けなくなった。



「‥様子見ですね」

「そうですね」



 ゴブオウとマクシミリアーノ、マックが言う通り、海王はまず、様子見として調査隊を送ってきて、ウチのダンジョンの情報を収集してきた。


 流石に海王の部隊が1000☓3程度のわけがないのは明白だ。しかもそれぞれの部隊の隊長もインプという低位の悪魔だし。

 とれるだけ、情報を取り、集めた情報を分析して、本格的な侵攻を始めるのだろう。ウチが得意とする戦術だが、やられると序盤では厳しいものがある。



「‥どこまで行かれるかな?5層くらい?」

「‥いえ、おそらくは3層までだと思います。今回は3層以下に通常より強いモンスターを1部隊配置しておりますので」



 僕の質問に答えるゴブオウ。その辺りのモンスターの配置などは任せていたので。


 こちらのダンジョンに入ってきたモンスターは“鑑定”の対象になる。インプは初見の魔物。当然、今は召喚できないが、ここで倒すことで召喚が可能になる。



「他はいいけど、インプだけは倒しておかないとね」

「特にインプは低位の魔物ですからな。期待が持てます」



 そういって、笑う僕とゴブオウ。新入りのマックはよくわかっていない様子で見ているので、説明してあげよう。



「高位の魔物が召喚可能になった場合、能力が高いが、それ以上の進化ができない場合が多い。しかし、低位の魔物の場合、進化先がいくつかある場合がほとんどだ。しかも、能力が低い分、召喚にかかるコストも低くて済む上、系統の進化条件などがわかると、他に応用ができる。高位の魔物になるまで時間がかかるが、ウチくらいになると、下手に高位の魔物だけが召喚可能になるよりも、低位の魔物が召喚可能になる方が嬉しいんだ」




 一方、海王のダンジョンに侵攻する我がモンスター部隊だが、苦戦していた。


 まず、海王のダンジョンは海底にある小さな火山、海底火山の中にある。


 入り口は全部で4つ。


 正三角形の形で火山の周りに配置された3つの入り口に、直接火山の中に入る入り口の計4つだ。


 その全てが海水で埋まっているため、水中で呼吸ができないモンスターは通常では活動ができない。

 

 部隊の中心にゴブリンソーサラーが魔法で巨大な空気の塊をつくり、その中でゴブリンたち調査隊が活動するような体制をとり、周囲を低位の水棲モンスターで固めている。部隊長はデーモンだ。1部隊でおよそ500。これを4つの入り口に向かわせる。


 どうやら、火山は5階層分で、途中でさしたる抵抗もなく、直接火口に入った部隊が5層まで到達する。


 あまりにも抵抗がなかったので、5層に着いた瞬間、周囲を強力な魔物たちで襲われるのだろうと思っていたのだが、そんなこともなく、調査に入ることができた。


 火口付近のため予想通り、火魔法は使用不可。通常ならば、熱でここまで近づくことができないはずが、なぜか、温度の問題もない。一部の場所には空気もあるため、陸上型のモンスターも行ける。…いや、罠か。


 調査した結果、おそらくだが、空気のあるところに一定以上の刺激が加わると、地下のマグマで熱せられた海水が爆発し、水蒸気爆発を起こす仕組みになっているようで、熱と衝撃の両方によほど強いモンスターでない限り、即死となる。


 一番簡単な回避方法は近寄らないことだ。


 火口にいる部隊はしばらく調査で次の階層には行かないように命令し、他の3つの入り口から入った部隊の到着を待つ。


 これで、お互い入り口を解放しない限り、援軍は送れなくなった。…実際には抜け道があるが。



 こちらの今いる部隊に援軍を送ろうと思った場合、自分のダンジョンで再編成しても、出口は塞がれているため、出ることができないが、それなら、最初から編成しておけばよい。


 つまり、援軍を最初に編成して、相手のダンジョンの入り口前、ダンジョンバトル空間で待機させておけばよい。過去、何度か使った方法だ。


 最初に侵攻する部隊を分けて進めたと考えても良い。


 この残した部隊にどれだけの大駒がいるのか?や状況に変化を加えることができるか?など、いわゆる切り札になるモンスターを置くことで、有利に進めやすくなる。情報としても漏れることはないはず。


 ちなみに、今回はここに、アレハンドロを置いている。本格侵攻に入る時、絶対に指揮官として必要となるため、ここで待機させ、収集した情報を伝え、なるべく、絶好のタイミングで投入を考えている。サッカーでいうスーパーサブ、バスケットボールでいうシックスマンといったところか。わからない人ごめんなさい。



 こちらの海王のダンジョンの攻略は順調に進み、この日は3層まで進むことができた。探索魔法などを使いながらなので、あまり進まないが、まあ、このくらいだろうという攻略速度だ。


 明日は5層までの攻略を予定しているが、おそらくはここら辺からフロアボスのようなモンスターが待ち構えていると予測している。



 翌日、4層もフロアボスのような魔物はおらず、あっさり攻略。5層で下に降りる階段前の大部屋でやっとボスっぽいモンスターが出て来た。


 ‥デカイ蛸。ジャイアントオクトパスというらしい。全長15mくらいある?


 蛸からすると、近接攻撃なのだが、こちらはすべての攻撃が遠距離攻撃、しかも水で威力が減衰する。厳しい。だが、この程度のことはなんとかできなくては、先へ進めない。



「‥水中戦闘の経験が足りないな」

「そうですね」

「‥確か、少しではあるが、水中戦闘ができる環境があったはずだけど、ここまで大規模なのはなかったからなぁ。そもそも陸戦型モンスターに連携して水中で戦えってのは酷だしね」

「なかなか、自然環境では難しいかと」



 ゴブオウと話していたのだが、こういう特殊環境下での戦いは訓練させないとなかなか自然界で経験することはない。一言で言えば準備不足。


 これは次回以降に生かしていこう。


 それでもこのくらいの相手なら、多少は苦戦するものの、問題なく処理して5層クリア。射程の違いだけで、素の能力はこちらが上であったことが主な要因だ。

 


 一方、こちらのダンジョンに侵攻してきた、海王たちのモンスターだが、3層のフロアボス戦で相当苦労した。


 大幅に数を減らしたまま、4層へ突入。当然、さらに櫛が欠けるように数を減らし、フロアボスとの戦いで全滅した。


 この全滅の直前、海王側から援軍が出て来た。同じ部隊編成の軍が3つ。またインプを隊長とした各1000体ほどの軍だ。やはり、元々、用意していたモンスターたちを分けて突入させていたようだ。


 3層までは完全に攻略済なため、実質4層からの攻略開始だ。


 4層のフロアボスは連戦となり、結局相手を少し削った程度でやられる。海王軍はこれで5層へ到達した。その後、5層で調査を重ね、援軍が2つ来た段階で5層のフロアボス、フレイムドラゴン3体とシルフ3体、他、オークソルジャーやシルバーウルフなどの雑魚モンスター、20体ほどを相手に、大勢の犠牲を出しつつ勝利し、6層へ。



 ウチのダンジョンは当初の予定通り、6層で3つの入り口から入ってきた軍が合流するような造りになっている。


 だが、下に降りる階段は3つあり、また構造上簡単に合流はできないようになっている。



 海王の軍はここ、6層で前線基地を作るようだ。


 まあ、この階層には特に罠はない。キルモードは次の階層から発動する。だが、おそらく海王のモンスターたちはまだ、戦力と認識されるようなレベルのモンスターを投入していない。まだまだ、あくまで様子見の段階だ。



いつもありがとうございます。


次話更新は一週間後を予定しています。

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