254.海王とのフェイスオフ
イメージは完全にボクシングの対戦前です。
少し短めですが、キリが良いので。
時間はあっという間に過ぎ、海王とのダンジョンバトルまであと1週間。今日はついにダンジョンバトルのルールの通知と、海王とのフェイスオフ。顔合わせがある。
ピコーン!
魔神からのメェール!が来てるよ~?
早速魔神様からの連絡が来た。ちなみになぜかコアはこのようにメールが来ると来たことを知らせてくれる。どういう設定なのだろうか?
早速、メールを読む。
内容はダンジョンバトルのルールについて。
今回のダンジョンバトルのルールは“30階層ルール”ということだった。
30階層ルールとは、お互いのダンジョンの階層を30階層に調整して行うことだ。
初期ならともかく、今の僕らのダンジョンが30階層ということはまずない。そのままぶつかっても良いのだが、今回はコアを通して、全ダンジョンマスターに生放送される、一大イベントだ。
中だるみや無駄な長期化をさけるため、選りすぐった30階層でより緊迫感のあるバトルを、ということだ。ちなみに、戦っているダンジョンマスターは放送が見られない。当たり前か。
そして、同様の理由で、対戦時間は60日となる。
60日経って、勝負がつかない場合は、クリアした階層数の多い方が勝ちになる。
他のルールはおおむね、通常のダンジョンバトルと変わりはない。
ダンジョンコアは1つ。マスターも参戦する。コアかマスターのどちらかを破壊、もしくは殺害したほうが勝ち。
バトル空間という空想空間で行い、ダンジョンそのものとそこで戦うモンスター、ダンジョンマスターまですべてコピーしたいわゆるアバターでダンジョンバトルは行われる。
そのため、ダンジョンがいくら破壊されようと、モンスターやダンジョンマスター自身が死のうと現実世界では全く影響はなし。
さらに物資の消費などもない。
まさにファンタジーバトルと言えるだろう。
今回のバトルでは勝者に魔剣グラムが与えられる他、DP5億Pが2人のダンジョンマスターに与えられる。
通常のダンジョンバトル同様、自分が持っていないモンスターを倒した場合、バトル終了後召喚可能になる。
ダンジョンバトルに関しては、最初だけ、真っ白いバトル空間に自分のモンスター軍を準備しておき、開始後相手のダンジョンへ侵攻を開始することができる。追加の軍は自分のダンジョンの出入り口を通ってバトル空間へ行き、相手のダンジョンの好きな入り口に入っていく。
入り口が相手のモンスターなどでふさがれていると当然入ることはできない。
こちらの入り口が塞がれていると、援軍は送れない。こちらと相手、両方の出入り口を確保することが戦術的に最重要なことだ。
バトル開始前に、白いバトル空間にて、海王との話し合いがある。ルールの変更は認められないため、今回は他に何を賭けるのか?という話合いだが、今回に限り魔神様からの立会人がいるのでその挨拶も兼ねている。
さて、そろそろ、呼ばれる時間だ。
真っ白いバトル空間。そこにいたのは黒いスーツに身を包んだ人間型の男。髪を七三分けにした170cmくらいのかっちりとした男だ。この男が立会人だろう。
ほどなく、小太りのおっさんトドが現れる。おっさんトド?と思うかもしれないが、そうとしか言えないのだから仕方ない。このおっさんトドが海王である。
その様子を確認した男は一礼して話し出す
「初めまして。私、今回のダンジョンバトルの立会いと放送時の司会、実況を務めさせていただきます魔神配下Aとでもお呼びください」
彼が魔神様直属の配下だということだ。格としてはダンジョンマスターと変わりない。初めて見るし初めて聞くが、それだけ魔神様が本気だということの証だろう。
「今回ニニム様、イオ様におかれましては、我が主設定のルールでダンジョンバトルを行っていただきます。その様子はダンジョンコアを通し、すべてのダンジョンマスターが閲覧可能であり、録画も可能となっております。また、放送は不肖、私が司会と実況を務めさせていただき、解説には“魔王”ジャギアス様、“竜王”エルドゥー様“現人神”リュート様が交互にいらっしゃっていただくことになっております。まさしく、ダンジョンマスター最高クラスのダンジョンバトルが行われるものと確信をしております」
なんか、豪華特番って感じだ。魔神配下Aは続ける。
「また、ダンジョンバトル終了後、我が主から直々にお言葉をいただくことになっております」
いわゆる、よく頑張った的なアレがあるらしい。
「では、全ダンジョンマスターが注目している一戦です。お互い正々堂々としたダンジョンバトルを期待しております。ではお二人とも、意気込みをお願いいたします。まずはイオ様から」
そうふられたので、海王に向かって、
「ではそう言うことなので、お互い正々堂々と良い戦いをしましょう」
「ではニニム様お願いいたします」
「ふん!ワシは正々堂々と戦っても、そこの小僧が正々堂々とは限らんじゃろ。まあ、せいぜい恥をかかん程度に頑張ってくれ」
ピキッ!なんだと、このおっさん。魔神配下Aさんもほらほら言い返してみたいなジェスチャーしてるし、良いか。
「僕が勝って、ケツの穴から手を突っ込んで奥歯ガタガタ言わせますよ!」
「なんだとこのガキャー!!貴様こそ、三枚におろして、海のモンスターのエサにしちゃるわ!!」
「ふむ、お二人とも素晴らしい意気込みですね」
魔神配下Aが2人を見てなんかずれたことを言っているが、そんなわけで、海王とのダンジョンバトル前のフェイスオフは終了した。
いつもありがとうございます。
今回のダンジョンバトルは完全にスポーツ中継…。
ダンジョンバトルのTV中継がどんな感じか閑話でやろうか迷い中です。
次回更新は1週間後で予定しています。