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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
海王とのダンジョンバトル
250/287

250.魔神様への質問

感想、誤字報告ありがとうございます。


 なぜか、僕がいる街エルドイオでお茶していた魔神様。とりあえず、話を聞きに行きましょう。


 ドッペルのまま転移で着いた瞬間、先手を取られる。



「やあ、来たね。待っていたよ」



 そう言って右手を上げながら、話しかけられた。ペース乱されまくったけど、聞くべきことは聞こう。



「お久しぶりです。魔神様。こんなところにまでわざわざご足労いただきましたが、何用でしょうか?というより、話す内容が内容なので、場所を変えませんか?」

「ここはいいところだね。何、すでに僕らには認識阻害をかけたから、僕らのことは誰もわからないし、話している内容も周りは理解できないさ。気にすることはないここで話をしよう。要件はもちろんダンジョンバトルのことと“この世界”についてだよ。まあ、軽い雑談程度に思ってくれて良いよ」



 くっ!流石魔神様。場所を変えて話をと思ったが駄目だった。確かにおっしゃる通り、周りの人はこちらを気にするでもなく、ここだけが隔離されたかのような空間になっている。そもそも、いつ認識阻害なんてかけたんだよ。最初の手をあげた時か?


 元々、力が違いすぎるとしか言いようがないのだから、素直に諦めて、ここで話をしよう。もうどうにでもなれだ。



「わかりました。失礼します」



 そう一言断って、僕は魔神様の対面に座る。



「うんうん。素直が一番だよ。君は色々な発想を実行に移しているからね。我も感心しているよ。今回子供の義体で降りて来たものの、この子供って発想が良い。見た目に騙されて、周りの大人を手玉にとりやすい。本当に人は愚かだ。君もそう思わないかな?ああ、本題だったね。ダンジョンマスター15番、ええっと、ニニムだったかな?彼とのダンジョンバトルは、彼のダンジョンコアがレベル8になった1か月後にしたよ。レベルアップした時にはまたちゃんと連絡するからね。もうそろそろだ。その時を楽しみにしていてね」



 魔神様、雑談の最中にさらっと本題の大事な話に切り替えないでください。危うく聞き逃すところでしたよ。本人には言えないが。


 海王ニニムとのダンジョンバトルはニニムがレベルアップした1か月後。ニニムがレベルアップした時は教えてくれると。



「わかりました。楽しみにしておきます」

「ああ、さて、そんな枝葉のどうでも良い話は置いておいて」



 あ、今までの話はどうでも良かった話ですか。



「君は“視た”ね?この世界の仕組みを。色々誤解しているだろうし、質問もあるだろう。今回はその話をしに来たのさ。ダンジョンコアレベル8になった裏特典と思ってくれて良い」



 どこにも記載などはないが、ダンジョンコアレベル8になったら、魔神様と直接話す機会が与えられると。正直、ありがたい。聞きたいことは山ほどある。全部は無理だろうし、まともに答えてくれるかも怪しいが、聞くだけ聞いてみよう。



「第何回かわかりませんが、題して、魔神様への質問コーナーというわけですか?」

「うむ。その認識で間違いない。そういうテンションは我は好みだぞ」



 軽くふざけてみたけど、こういうノリは良いようだ。思った通り、他のダンジョンマスターにも同じく質問を受けつけたりしたようだ。

 さて、何から聞こうか、というかあのことから聞くのは決まっているのだが。



「あの設定は誰が、何の目的でしたんですか?」

「あの設定とは、魔力の毒への変異ことかね?」

「ええ」

「最初に言ったが、この世界は女神が魂の安息のために作った世界だ。当然、設定は女神がしたことだ。目的はそのままだ。この世界に来て、ある程度時間が経過した魂はお前たちが言う輪廻転生に戻るだけのこと」

「‥?……輪廻転生に戻る?…!!!」

「気が付いたか?」

「証拠は何もないので、仮説ですが」

「聞こう。言ってみよ」



 なぜ、魔力を毒へと変化するようにしたのか?その目的について、魔神様の答えを聞いて、考えるとあることが思い浮かんだ。



「もしかして、女神は、いや神々の言う“死”とは、魂の死であって肉体の死ではないのでは?」

「そのとおりだ。そもそも、この世界は魂の安息のために創ったが、なぜ、魂に安息が必要か、考えたことはあるか?」

「いえ」



 神は肉体が死のうが、それは死ではないと。魂が死んで初めて死だと、そういう認識ですか。それに魔神様が言う通り、魂の安息もおかしい。


 魂を休めたところで何が起きる?いや、そもそも魂に安息って必要なのか?神は魂の休息は必要だと言っているのであれば、僕はこう質問する。



「もしかして、魂って傷が付いたり、削れたりするんですか?」

「うむ。傷はつく。傷がつかない魂の持ち主は神のみ。魂の傷という点では、お前たちが元いたような高度文明を持つ世界は特に魂に傷がつきやすい。故に、輪廻転生を介して、より文明の低い世界で一定時間を過ごさせることで、魂は回復する。その後はまた高度文明を持つ世界に行って貰う」



 魔神様の話から、元居た世界を上位世界とすると、上位世界で傷がついた魂は肉体の死後、より文明の低い世界、下位世界へ転生し、そこで魂の傷を癒す。そして、また上位世界へ戻す。その繰り返しをしていると。

 あれ?ならば、僕らがこの世界の文明を進めるのは良くない?



「もしかして、ですけど、僕らがやろうとしていることは魔神様たちにとって都合が悪いですか?」

「いや、そんなことはない。というより、そこが今回の我と女神との対立点だ」



 詳しく話を聞くと、魔神様はこの世界ができてしばらく経つので、そろそろ、文明を進めて、安息地となる新たな世界を創れば良いという考えなのに対し、女神はこの世界の文明を進めないようにし、魂の安息地として存在させ続けようとしている。と。



 そして、魂の回復には20年もあれば、だいたい十分らしい。つまり、女神からすると、それ以上この世界に魂が留まるのは無意味。なので、そこを過ぎると大体肉体が死ぬように魔力の毒への変化を設定したと。さらに、早いサイクルになることで、文明の発展ができないようになるので、一石二鳥だということらしい。



「お聞きしますが、魔力の毒への変化する設定、そのものを変えることはできますか?」

「それは我ら神、特に上級神であれば条件さえ揃えば可能だ。ただし、魔力はこの世界の根幹そのもの。それをすれば世界は崩壊するであろう」



 なんとなく、そんな気がしたが、条件付きだが、できるんかい。すげーな神さま。ただ、それをすると世界崩壊って、本末転倒だし。



「では、話を変えて、女神の討伐はどうすれば良いですか?」

「結論から言えば、それは無理だ。不可能だ」

「なぜですか?それは、僕らが神ではないからでしょうか?」

「そうではない。魂が傷つかない存在、それが神だ。神にはたとえ同じ神であっても傷を着けることはできん。だから神を討伐、殺すことは不可能だ」

「僕が元居た世界では神は死ぬような神話がいくつかあるんですが、それは嘘だと?」

「お前の言う話は事実であり、事実ではない。お前たちの言う神の死とは、そうだな、わかりやすく言えば、アクセス権を失うと言えば良いか。世界へのアクセス権だな」

「ええっと、神同士などの争いで敗れた方がその世界へのアクセス権を失うと?」

「そういうことだ。アクセス権がないだけで、神が死ぬことはない」



 要はあれだね。神々の争いって、オンラインゲームの中の対戦で今後のアクセス権をかけた争いで、負けた方がアカウントをBANされると。確かにアカウントBANされても生きているのに変わりはないもんな。

 

 僕らはそのゲームの中のキャラクターという認識なのだろう。そりゃあ、文字通り次元が違う。話も通じないよな。向こうからすれば、ゲームの1キャラクターが何言っている?って認識だろうし。



「では、女神がこの世界へのアクセス権を失わせるにはどうすれば良いですか?」

「ふむ。それは神が神のアクセス権を失わせる武器で攻撃して、この世界での存在を消せばよいな」



 魔神様、それ無理では?要は神が神剣とか持って戦って勝てば良いってことなんだろうけど‥。



「えーと、条件厳しすぎません?」

「ん?何がだ?魂へ攻撃できる武器は神剣などと呼ばれているが、それを女神に使うだけだ。それで女神のこの世界へのアクセス権はなくなるぞ?この世界の神剣は確かに世界に1.2本程度しかない上に、女神の信者どもが独占しておるが、神ならば作成は可能だぞ?」

「いや、あの僕、神じゃないんですが。そんな簡単に作れないですし、使えないんですけど?」

「は?何言ってんだ?ダンジョンコアレベルが8超えたらダンジョンマスターは皆、神だぞ?まあ、8じゃ亜神ってところだが。9で立派な神、下級神だな」



 ‥‥ハイ??聞いていませんが??





思っていたより長くなってしまったので、次回も続きやります。



次回更新は1週間後予定です。

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