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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
海王とのダンジョンバトル
247/287

247.新たな配下

後半はまとめとおさらいが主ですので読み飛ばし推奨です。今後大事な話なので、いれました。


 まず、するべきは新たなダンジョンマスター代行の作製、召喚。


 今後海王とのダンジョンバトルでは水中戦が想定されるため、水中戦ができる種族のマスター代行が望ましい。

 しかし、ダンジョンマスター代行にするには条件がある。各種族の系統の中で最上位種であること。

 その条件から現在ダンジョンマスター代行として召喚できるのは天使系か悪魔系のみとなる。


 せっかくなので、この2種族、両方からダンジョンマスター代行を召喚しようと思う。



 天使だが、最上位種はセラフィム。全ての天使系の統率者だ。能力的にはどちらかというと防御寄りのスキル構成で集団の防御魔法と集団回復を得意とする指揮官タイプにした。


 悪魔はデーモンロードが最上位種。悪魔たちの王族たるデーモンキング。その中でもひとつ抜きんでた存在だ。

 こちらは範囲攻撃、範囲攻撃支援を得意とする後方指揮官タイプにした。



 天使と悪魔は特徴が非常に似通っている。精神生命体とでも呼ぶべきモンスターで、魔法防御が高く、状態異常もほぼ無効。さらに、物理に関しても、『魔力防御』、『魔力闘衣』というスキルを上位者は持ち、『魔力防御』は自身のMENを物理防御にも適応させることができるスキルで、発動中はMPの消費をし続けるが、非常に有効性が高く、僕もすぐに取ったスキルだ。

 『魔力闘衣』は自身が作った物しか着ることはできないが、魔力や物理に対し高い防御性能を誇る衣服を作り出すスキルである。弱点は作る際のMP消費が大きいことか。これもすぐにとったスキルだ。


 両スキルとも魔法防御、MENが高ければ高いほど効力も大きくなるスキルだ。天使と悪魔系にとって正に最適なスキルであろう。



 当然、生み出す際に使用するDP量も多くなる。通常のダンジョン1~2個生み出すのに必要なDPをすべて注ぎ込んで1体を召喚することになる。


 しかし、今のうちのダンジョンのDP取得量からすると賄えるくらいの量である。


 さあ、出でよ!新たな幹部よ!!



 召喚された天使、セラフィムは真っ白いローブを着た整った顔をした絶世の美女かと思うが性別は男。つまり美形、イケメンである。くやしいのはなんでだろうか?


 青い長髪と青い目をしたセラフィムは戦闘時には戦闘モードとなり、『魔力闘衣』にて作成した白い大盾と専用に作ったランスを持つ。

 大盾、ランス共に魔法力増幅器にもなり、魔法効果を上昇させる。


 そんなセラフィムは跪き、左手を右胸に当てつつ

 


「お初にお目にかかります。マスター」

「うむ。お前には代理たるダンジョンマスター代行の仕事をしてもらう。名はマクシミリアーノ。通常はマックと呼ぶことにしよう」

「はっ!ワタクシの名はマクシミリアーノ。これよりマスターの片腕としての働き存分にお見せいたしましょう」



 一応、こっちもそれなりに威厳あるように言ったけど、これで良いみたいだ。皆への紹介はあとでするとして、もう一体を呼び出す。



 召喚された、デーモンロードは煌びやかな服装の威厳ある金髪の大男。悪魔系は元々色々と任意に姿を変えることができる種族なので、これが本当の姿というわけではないが、通常の姿はこれだということになる。

 まさに悪魔たちの王の中の王という風格といおうか、そんなものが全身から出まくっている。僕と比べて明らかに主従関係が逆転しているように見える。

だが、そんなデーモンロードも僕の前に跪き、



「お初にお目にかかります。マスター」

「うむ。お前の名はアレハンドロだ。以後、ダンジョンマスター代行として働いてもらう」

「かしこまりました。我はアレハンドロ。マスターに仇なす者をせん滅いたしましょう」



 こっちも精いっぱい威厳あるように言ったのだが、アレハンドロ君はダンジョンマスター代行の仕事を理解しているのかな?殲滅は仕事じゃないよ?きちんと後で理解してもらおう。



 すぐにこの2名を連れて、他の職員?たちに紹介して話し合いをさせる。


 同じダンジョンマスター代行のエンシェントエルフのミヒャエルは聞いてきた



「あの新たな2名のステータスはHPMP2万の他2千程度ですが、上昇はさせないので?あれではモンスターの統率は厳しいかもしれませんよ?」



 どういうことか詳しく聞いてみると、今現在、僕のダンジョン最深部、つまり精鋭中の精鋭のモンスターのステータスは大体HPMP3万の他3千が目安になる。モンスターは本能として自分より弱い者に従うと命令するといつか反発をする。

 つまり管理不能の状態になってしまう。それではダンジョンバトルでは致命的だ。



「じゃあ、とりあえず慣れるまでは今のままで、海王とのダンジョンバトルまでには3倍にしよう。それくらいで大丈夫だよね?」

「それであれば問題はないかと。それまでは戦闘訓練ですな。ダンジョンバトルで問題なく指揮ができるくらいには鍛えましょう。それとマスターもですよ。おそらく現在のマスターはHPMP2万の他2千くらいですよね?守るのは大変ですし、反発が起きますので早急にあげてください」

「あ、はい…」



 こっちに来た!


 確かに、今までステータスって上げていなかったなと思い出す。

 


 ダンジョンマスターやダンジョンマスター代行など配下の幹部の一部は『不老』の特性がある。


 年をくうことがなくなり、寿命から解放されるのだが、欠点は経験値が入らなくなること。


 当然、レベルが上がらず、というかレベルの表示がなくなる。そのままでは能力の向上はない。能力上昇にはDPを消費し、ダンジョンコアを通して自己強化をしなければいけない。


 だいたいHP、MPは100DP当たり1、LUKは100万DP当たり1、他は1000DP当たり1上昇となるが、ダンジョンマスターだけは通常の1000倍のDPが必要になる。


 これが、低レベルのダンジョンマスターが人にやられる大きな理由である。


 自己強化ができるくらいまでダンジョンコアレベルを上げても、自己強化にかけることができるDP獲得がまた難しいためだ。

 通常はそれなら自身ではなく、配下の強化にDPを使う。しかし、そうすることで、より自身の強化が遠くなり、しかも、配下のモンスターの反発が来やすくなる。



 今のウチのダンジョンでは自己強化に問題はないくらいのDPは獲得できる。そろそろまた強化しないといけないということだ。


 ちなみに、普段人間の中にいるホムンクルスは現在12歳なので、12年前のステータスが最大値になるように成長する。以降、自己強化してもそのステータスやスキルは反映されない。


 そのため、ホムンクルスはHPMP1万の他1000.程度が最大値だ。それでも人間の中では伝説級の能力になる。対抗できるのは勇者くらいだろうが、特効効果が無効なので、よほど鍛えないと対抗できない。


 そう思っていたが、最近のエルドたちがこのステータスにかなり近いところにいたりする。


 

 ステータスの上昇の恩恵はスキルのレベルアップにも影響するのが、わかってきた。人どころか、ダンジョンマスターもほぼ知らないようだが。


 具体的には、剣術などの戦技系や火魔法などの魔法系スキルの最大レベルは5と人間たちの間では言われている。


 しかし、我々ダンジョンマスターの間では、最大値は10であるとされている。それは魔神様からの情報としてなので、信頼度は高い。


 ダンジョンコアには今まで覚えたり、見たスキルが記録されており、解説もされている。その中で最大が10と記載されており、モンスター召喚の時、スキルレベル選択時にも10までしか表示されないため、ほぼ間違いはないであろうと思っている。


 なぜ、このような齟齬が発生するのか?



 理由はステータス。


 戦技系や魔法系のスキルレベルアップには、熟練度とでも呼ぶべきものがあり、一定になるとレベルアップすると思われているが、条件はそれだけではなく、対応するステータスも一定以上あることも必要だ。


 調べたところ、魔法系レベル5にするには大体、INTが1000必要だということがわかっている。戦技系も似たようなステータス値を要求されている。


 人間ではほぼこの1000という数値に到達することがない。鍛え方の問題、単純なレベルアップの問題、それに寿命、短命であることなどの問題があるためだ。そういう意味ではエルドたちはかなり異常なのだと再認識する。


 おそらく、過去にはスキルレベルが5に到達した者がいるのだろう。いや、4に到達したのち、さらに先があることに気が付いたのか。

 どちらにしろ、スキルレベル5はそれだけ希少ということになる。


 しかし、モンスターは違う。1000くらいなら簡単とは言わないが、そこそこ発生する。DPを使えばもっと簡単にいく。


 そして、スキルレベル5以上から効果が段違いになっていくことも知っている。スキルレベル3から4と4から5では効果の上り幅が大きく違うのだ。



 以上のことから、僕のダンジョンでは、1000を基準にモンスターの棲み処を分けている。

 いわゆる対人間用と対ダンジョンマスター用に、だ。


 階層でいうと地下50階。そこで分けている。今度の海王とのダンジョンバトルでは地下51階以下に棲むモンスターたちのみで臨もうと考えている。他は一部の特殊能力を持つモンスター以外はいるだけ、エサになるだけのため、不参加とする予定だ。ダンジョン攻略中に食料補給など、むざむざさせる必要はない。



 このくらいの強さになってくるとステータスの高さも重要ではあるが、それより如何に有用なスキルを持っているか?の方が重要になってくる。


 例えば、くそ早くて一撃が重いモンスターでも、状態異常に弱ければ、大した脅威ではなくなる。眠らせるか麻痺させるかしてから、攻撃を叩き込めば良いだけだから。毒などにしてから距離を取るでも良い。


 それよりもステータスはそこそこでも、強力な遠距離攻撃を持っているだとか、状態異常を持っているだとかの方が、よほど脅威度が高い。


 そして、僕のダンジョンの51階以下で巣くうモンスターたちは、その環境の中で生き残ってきた猛者ばかり。その経験値は非常に高いと自負している。


 今回召喚したマクシミリアーノとアレハンドロにはそこでの対処法などを学んでもらう。そこで経験を積み、自分の能力を活かす術を学んでもらおうというわけだ。そうでなければ、使い物にならないともいう。


 自分?


 ああ、ダンジョンマスターはいいんだよ。


 どうやら、ダンジョンマスターはダンジョン内で起きた戦闘をすべて記録していて、自身にフィードバックされる。つまりスキルを覚えたと同時に最適化され、最も効率よく運用できるから。


 最初はあまりよくわかっていなかったけど、ここまで来るとよくわかるんだよな。それだけ、ダンジョンが大きくなり、モンスターが強くなってきたという証明でもあるんだろうけど。


いつもありがとうございます。


次回更新は1週間後を予定しております。

年度が変わり、こちらの都合で更新予定が前後することがあるかもしれません。

がんばりますが、一応お伝えしておきます。

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