表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
海王とのダンジョンバトル
246/287

246.12歳の春

ダンジョンマスターに戻ります。


 国の名前、首都の名前を決めてから、あっという間に冬、そして、春になった。もうというか、やっとというかホムンクルスは12歳になった。


 その間、エルド、ライド、ルル、ノフス、アイシャの5人がリュート神聖国へと移動を開始した。


 ワールハイトに残留組の中で、猫人族のミーアがこちらに来たいと言っていたが、学校を卒業後、進学はせず、ワールハイトの傭兵たちをまとめていた。


 一方、こちらも転生者のダンカンが都市建設を引き受けており、また、勇者のマルコが傭兵や戦える者を率いて周辺の魔物退治をしていた。


 どちらにも、「俺は戦いしかできないんだよ」という者がいて、大陸西部を併合してしまえば、少なからず戦争は減る。騎士にしたって、数に制限があるため、全員を騎士にはできない。

 将来的な治安の悪化の不安要因、もしくは反対勢力などになりえる者たちということになる。


 だからといって、戦争終了後、「じゃ、全員死んでくれ」とは言えず、そういっただまし討ちはできないので何らかの対策が必要だった。



 結論から言うと、“冒険者ギルド”を作り、未開地の開拓や発見、魔物退治などをしてもらうことになった。初代ギルド長はマルコだ。


 冒険者ギルドが収穫物を冒険者から買い取り、買い取った物を必要としているところへ適正な価格で売る。


 個人での登録もできるため、失業者対策にもなる上、エルフやドワーフ、獣人などの保護もできる。


 特に獣人保護と聞いて、マルコが



「モフモフパラダイスの建設だ~!」



 と、非常にやる気を見せている。もう止まりそうにない。



 この春までの情報を整理すると、ニゴ帝国では、皇帝が急死し、紆余曲折あったが、息子(長男ではない)が新皇帝の座に就き、宰相だけは留任となったが、他の官僚たちは入れ替えとなった。


 今まではニゴ帝国の第一目標はユニオンで、魔の森の北部にあった街ブフラルに住み着いたゴブリンやオークなどの駆除をしてユニオンへ攻め込むというのが想定されていたが、皇帝が変わり、まずワールハイトを併合しようという方針に変わりそうだという情報がある。


 ワールハイトはその情報を掴んでおり、対策を準備しているということだった。


 ニゴ帝国の布陣如何によっては、ブフラルにいるゴブリンやオークをニゴ帝国側に流し込むことで、ワールハイトをアシストする。

 これでニゴ帝国はワールハイト侵略どころではなくなる。



 ユニオンはブフラルという西部を失い、難民たちが中央部や東部に行き、政情不安を引き起こし始めていた。

 その後、軍を使って強制的に排除に向かったが、大部分が南に逃げることに成功。ついでに各地の失業者や移住希望者も南部に移住した。


 ユニオン南部はウチの国、エルマンド帝国の支配地域である。おかげで首都エルドイオは人口20万人ほどの大都市に変貌した。



 一方、ユニオンは中央部と東部が完全に意思疎通が困難になり、ユニオン崩壊の影が色濃くなってきた。

 ユニオン西部を失ったことで西に行く貿易路が途絶え、中央での流通が減ったことが大きく、ユニオンの中心都市カルナチョスの威光や影響力が落ちていったことが原因だ。


 そんなユニオンの起死回生の一手がエルマンド帝国の併合だ。


 わがエルマンド帝国を属国とし、良質な食料や資源などを奪い、物を売りつけることで、かつての勢いなどを復活させようという目論見だ。


 ユニオン東部は女神教の残党たちの隠れ家となり、強制的な女神教への信仰などをさせつつ、女神教の傀儡政権を樹立させている。

 

 獣人、エルフ、ドワーフなど人以外はすべて、死か奴隷としてしか受け入れないという教義である以上、エルマンド帝国との和解はありえない。

 マルコなんかは、明確に敵視しており、

 


「モフモフの敵、滅ぶべし」



 と、戦う気まんまんである。準備などもあるので、もう少し待ってほしい。



 そんなユニオンとエルマンド帝国の間に巨大な壁を作り、関所を設けることで、ユニオンからの間者などの流入を減少させている。


 しかし、ユニオンは軍の編成を進めるなど、両国の緊張は高まっている。




 エルマンド帝国と首都エルドイオの発足は正式にはエルドたちのリュート神聖国からの帰還後を予定している。おそらく夏になるので、それまでは僕が残って、ユニオンへの対応をすることになる。




 エルマンド帝国発足と同時にダンジョンも解禁とするので、今、ウチのダンジョンではその作成に大忙しだ。


 今、僕のダンジョンの管理運営をしているダンジョンマスター代行の3人だけでは手が回らないことが明白なので、新たにダンジョンマスター代行が必要となっている。




 僕は今、ダンジョン内になる自室、もしくは執務室が正しいのだが、そこで、ダンジョンコアを使いつつ、資料を見ていた。


 決済のみとはいえ、それも見ないといけないし、新たなダンジョン作成、管理をするので、どの種族がふさわしいか考えているところだ。

 さらにそろそろダンジョンコアLVが8になり、そして、海王とのダンジョンバトル、その準備としなければいけないことは多数ある。

 エルドたちと居たのが長く、ダンジョンマスターとしての行動をしていなかったので、思い出しながら、色々確認しておこうと思う。




 ダンジョンコアLV8以上のダンジョンマスターは現在最古のダンジョンマスターと呼ばれる3人、“魔王”ジャギアス、“竜王”エルドゥー、“現人神”リュートだけである。


 ダンジョンコアのLVを上げるには条件をクリアしなければならず、8からはDPダンジョンポイント獲得量のみが条件になる。ちなみに8になるにはダンジョンコアLV7を達成後、1兆DPダンジョンポイントを獲得することである。シンプルだが、達成は非常に困難だ。


 そもそも、最古のダンジョンマスターたちでさえ、それぞれ主な獲得方法は違うが、苦労はしているようだし。それぞれの獲得方法を見ていくと、



“魔王”ジャギアスは英雄や勇者などの強い人間を自身の討伐に向かわせて、返り討ちにし、牢獄の国という馬鹿でかい牢獄に閉じ込め、適度に戦わせ、監禁ボーナスと自ダンジョン内での魔力消費によってDPを獲得している。当然、戦いで死ねばそれだけ大量のDPが手に入る。


 欠点は明確に人間の敵となること。そのためこの方法は僕には使えない。



 “竜王”エルドゥー、通称、エル爺はドラゴン退治によって一攫千金を目的にする人を集め、ドラゴン退治ができるように適度に鍛え、鍛え上げたらドラゴン退治に向かわせる。

 そうすることで強い者を生み出しつつ、集め、ドラゴン退治で魔力を消費させ、犠牲者が出ることでDPを稼ぐことができる。


 魔王との違いは人間への敵対度は魔王ほどではないが、獲得できるDPも魔王ほどではないこと。


 この2人は自分のダンジョン領域テリトリーの隣に配下のダンジョンマスターがおり、配下のダンジョンマスターからもDPが手に入る。



 一方、“現人神”リュートは2人とは全く別の方法でDPを稼いでいる。


 自ら国を作り、住みやすい国とすることで人を集め、国を発展させ、さらに人が増える。その中で人を鍛えることで、強い人を作る。そうして大量のDPを手に入れている。



 リュートは他の2人とは違い、配下のダンジョンマスターはいないようだが、現在世界最大の国であり、最強の国と言われている国を作り上げたことで、ものすごい数の人が住んでおり、現在の獲得DP量は3人の中で一番ではないかと予測している。


 また手法がほぼ同じなので、参考になることが多く、色々助かっている。同盟を結んで良かったと、心からそう思っている。



 “海王”ニニムはこの最古のダンジョンマスターの次に生まれたダンジョンマスターで人型のトド、トドマンのダンジョンマスターだ。

 人型と言っても陸上の時は足となり、海では大きなヒレになるため、海上で見た時はただのデカいトドにしか見えなかった。


 現在のダンジョンコアLVは7と同じで、8になるのも僕とほぼ同時だろうと予測されている。


 この海王とのダンジョンバトルは主である魔神様直々にするよう言われてしまったので避けることは不可である。

 実際のダンジョンバトル開始はお互いがダンジョンコアLV8になったタイミングであろうが、何か合図なり連絡なりが来るものと思っているが、そこは教えてほしいです魔神様。


 海王はユニオンの更に北、魔王の支配する大陸との間にある海にいて、そこにダンジョンを構えているが、どのようなダンジョンなのか?といった情報は全くない。おそらく人類未踏の地だろう。いや、正確には生きて帰ってきた者がいない地か。


 海系のダンジョンであるのは予測が付くので、攻略には水でも動けるモンスターがメインになる。


 そうなると、ウチにいる中ではゴーストなどの死霊系、呼吸を必要としない天使系や悪魔系、スライム系やゴーレム系か。一部水中系のモンスターもいるが、向こうは水中の専門家だ。過度な信頼は禁物だろう。


 攻めるときの司令官のダンジョンマスター代行がいないので、やはり新たな代行が必要とされる。


 作って、色々経験させて、としないと使い物にならない可能性もある。時間からいって、ダンジョンマスター代行の作製が第一課題だな。




いつもありがとうございます。


次回は新たなダンジョンマスター代行の登場です。


更新は1週間後を予定しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ