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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編~諸国漫遊~
221/287

221.竜王との会談

すいません。投稿忘れていました。慌てて投稿したので、誤字脱字あると思います。すいません。


 これから“竜王”エル爺さんとの本当の話が始まるというところ。場所を考えると、相手の腹の中で話をするようなもので、非常に不利というのが生易しいのだが、かといって招待してこちらで、となると相手が何をするのかまったく読めなくなる。それも困る。


 ということで、こちらが出向くことにしたのだが、相手は格上。なるようにしかならないということで腹を括ったわけである。



「では、イオよ。本格的な話ということで、わざわざこちらに来てもらったのだ。非常に感謝しておるとともに、ワシはそなたのもつ技術に非常に興味がある。その体、ドッペルではあるまい?自領域テリトリー外で活動可能な理由が知りたいし、その技術がほしい。最低限ワシも同じことができるようになりたいのじゃ」



 エル爺さんの言葉は予測通り。ホムンクルスは見ればダンジョンマスターなら誰でも欲しいと思う。


 ホムンクルスは今、僕自身での実験中のため、まだダンジョンコアに登録していない。今のところ問題は全くないし、予定通りの性能も発揮している。そのため、このまま登録できるとは思う。

 

 ダンジョンコアに登録をすれば、DPを使うことでいくらでも量産できるようになる。



 このダンジョンコアによる登録システムとでもいうものを少し説明すると、ダンジョンマスターが独自に開発した物や技術をダンジョンコアに登録することができる。登録した物はダンジョンショップでDPがある限り、同じものがいくらでも手に入る。

 ダンジョンショップで買えるというのは、登録したダンジョンマスターだけではなく、他のダンジョンショップが使えるダンジョンマスターも購入が可能となる。


 つまり、誰かが開発した物をDPさえ払えば使いたい放題だということになる。



 ダンジョンショップで購入するとき、商品名と必要DP、登録者が表示され、簡単な説明も見ることができる。


 なぜ、登録者が表示されるのか?というと、ダンジョンショップで購入するのに必要なDPの一部が登録者に入ってくるからだ。


 現代でいう著作権がシステムに組み込まれていると考えればわかりやすいのかもしれない。


 このシステムでDPを稼いでいるのがウチのゴバ君である。


 彼は鍛冶で作成した物をどんどん登録している。もちろん実験中の物や最新の物は登録せず、手元に置いているのだろうが、それでも有用な装備品や魔道具といったものが大量に登録されている。

 

 モンスターを強化するのに一番簡単なのが、装備品だろう。しかも軍隊並みの数の強化となれば必要な量も多いため、それだけDPがかかるが、一人のダンジョンマスターではなく複数人が購入するのだから、それだけゴバ君に入ってくるDPも多い。


 DPを稼ぐ第4の方法といっても良いだろう。



 さて、話をホムンクルスに戻すが、ホムンクルスは現在僕自身が起動実験中のものであるため、まだ登録をしていない。

 そのため、エル爺さんはどういったものかは把握していないはず。おそらくはただ、自領域テリトリーから自由に出られるものという認識だろうと思う。そこはエル爺さんに確認した方が良いと思うので聞いてみる。



「僕が今使っているのは“ホムンクルス”と呼んでいますが、“ドッペルゲンガー”との違いもいくつかあります。まだ起動実験中のため、登録をしていませんが、欲しいと言うのであれば登録をしても良いと考えています」

「ふむ」

「ドッペルとの違いを軽く説明しますがよろしいですか?」

「ああ、頼む」



 ドッペルとの違い。


 成体で生まれる、つまりすぐに能力全開で使えるのがドッペルだが、ホムンクルスは幼体つまり子供で生まれるため、成体になるまで時間がかかる。

 『憑依』を解いたあと、ある程度は自動で動くことができるのもドッペルの利点の一つだ。

 そして、エル爺さんが一番気にしている能力、自領域テリトリー外での活動可能になる能力だが、デメリットもある。


 最初の能力設定で『魔神の加護』を外すことがその条件だが、そうするとダンジョンマスター能力が使えなくなる。そこはしっかりと説明した。



「なるほど。そういうことじゃったか」

「ええ。かなり不便ですよ。今そこをなんとかできないか開発中ですね」

「じゃが、自分の領域テリトリー内にいる分には問題はないな」



 エル爺さんはそう言う。



「今の状態で良ければ、登録しても良いですよ?僕が帰った後になりますが」

「能力的には問題がない。それに幼体からというのも、欠点のように言っておったが、それも人間の中に溶け込むというのを考えると、むしろそれも利点じゃな」



 長く姿が変わらない大人がずっといるというのは普通の人たちからすると不気味でしかない。しかし、子供から大人になり、しかも他の人と同じように寿命を迎えるというのは社会に溶け込みやすくなる要素でもある。

 そもそも子供はこの世界では親しい人以外にはある程度大きくなるまで他の人には見せない傾向がある。富裕層は特に。

 そのため、孤児とするよりは、自分の子供、それも後継ぎとして紹介した方が自然である。


 そのようにエル爺さんは言う。そのため‥



「今の状態で全く問題ない。お主が帰ってからで良い。登録をしてほしい」

「わかりました」



 ここでホムンクルスの話は終わりだが、ダンジョンマスターとしての話は終わらない。こちらもエル爺さんに聞きたいことがある。



「ところで、エル爺さんたちがいる龍大陸はどのようなところになっていますか?具体的には、人は住めるのですか?」

「ふむ。そこが気になるか。……ということは、気になっておるのは儂らのDP獲得方法かの?」



 たった一つの質問で、その裏にある思惑、本当に僕が知りたかったことも当ててくる。流石というべきか。



「そうです。正直、詰まりかけていまして。ダンジョンコアLVを上げるためには大量のDPを獲得しなくてはいけないのですが、上位勢はどのようにして集めているのかと。参考にできればと思いまして」

「ふむ。そんなことならいくらでも答えよう。…といっても他のマスターがどのようにしておるのかなどは知らぬがな」

「それで結構です」



 今の状態でDP集めに苦労しているのだ。もう一つレベルが上がれば、要求されるDP量はさらに跳ね上がるのが容易に予測できる。簡単にかつ大量に集める方法はないと思うが、参考にできる方法があるのかもしれないとは思っている。


 エル爺さんは話し出す



「まず、ワシらがおる龍大陸に人はほぼいない。というより住める場所ではないのじゃ」



 エル爺さんがいう龍大陸の状況。それはなかなか凄かった。


 龍大陸はほぼすべて荒野。中心に“竜王”が住む巨大な活火山があり、しばしば噴火しているため周囲は火山灰で覆われるが、その範囲がほぼ大陸すべてらしい。水もほぼ干上がってしまっているらしく、そんな中で人が暮らしていくのはほぼ無理だろうと思われた。



「まあ、人はおろか、竜以外はほぼ住めない場所じゃがな」

「そんな中でどうやってDPを稼いでいるんですか?」



 エル爺さんが言うことが本当なら、DPは稼げないとおもうのだが。そもそもDPって自分の勢力以外の生物がいないと手に入らないのだが。



「ワシは最古のダンジョンマスターの3人の中では“討伐型”になるのう」

「討伐型?」



 エル爺さんが言うには、討伐型とは、倒せば一回で大量のDPが手に入るように人を鍛えてから、強大なモンスターに挑ませて殺す。ということをしているらしい。

 このドラゴンハンターの街もそういった強い人を生み出すための街でもあるとのこと。英雄や勇者であればなお良いとのことだ。



「リュートの奴は“育成型”、“魔王”の奴は“監禁型”と呼んでいるな」



 僕やリュートのように人を守りつつ増やして、滞在させるのを“育成型”、そして、挑んできた者や自領域テリトリーへ侵入してきた者を捕らえて、監禁することでDPを得るのを“監禁型”と呼んでいるとのことだ。


 人を閉じ込めるなど、監禁状態にすると、ただ滞在するよりも4倍の速度でDPを手に入れることができる。ただし、人に完全に敵として認識されるため、滞在する人は減るだろうし、殺される危険も上がる。

 事実、魔王は全人類に敵と認識されており、最大の討伐目標となっている。



「ああ、一応わかっているとは思うが、言うておくと、お主たちをどうこうするつもりはない。お主たちを倒したところで得られるDPはたかがしれておる上に、そもそもイオ、お主と敵対するつもりもないからの。どうせ竜退治もする気はないのじゃろ?」

「ないですね」



 エル爺さんが言うとおり、僕らは竜に挑むつもりはない。

 

 そもそも、この竜退治、竜に挑んだ犠牲者はDPとなり、倒された竜は素材などから一攫千金を狙って人が集まるというシステムだ。僕らはそこに挑む必要性もなければ、そのようなことをする時間もない。




 色々長々と話をしていたが、そろそろ帰らないといけない時間が来た。挨拶をして僕らエルド傭兵団は宿へと帰る。


 翌日以降は市場調査や周囲の探索などをする予定になっており、情報収集も兼ねて、またエル爺さんの屋敷へ来ることになる。

 ダンジョンマスターとしての話は基本はメールで行い、必要があれば、またどこかで話をすることになるだろう。



次回は1週間後投稿予定です。

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