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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ワールハイト・ユニオン戦争
209/287

ワールハイト-ユニオン戦争・表(2)

表は基本的にダンジョンマスターからの視点になります。


「おはようエルド。目覚めはどうだい?」

「おはようイオ。目覚めは最悪だね」

「本陣の指揮官殿たちは対応を部下任せにして、寝ていたようだけどね」

「距離が近いんだから、相手から指揮官の対応など丸見えだというのに」

「ま、“時”が来るまでの辛抱だね」

「初日からこれだと“時”まで待てないかもね」

「エルドたちでその様子ならほぼ確実に予想通りになるだろうね。まあ、明日か明後日の話だろうから、そんなに長くはないよ。一応これから僕は隠れて本陣の様子を見てくるよ。あとはよろしく」

「了解。どうせ軍と言っても1人1人の管理などしていないだろうし、そもそも普段の様子がしっかりわかっていないと気づけないだろうけどね」



 などと、エルドと朝の挨拶をかわし、僕はホムンクルスを残し、『憑依』を解き、ダンジョン内にある僕の本体へ戻る。それから、ドッペルゲンガーに『憑依』し、ダンジョンマスターの力を使ってワールハイト軍の本陣の様子を伺う。


 領域テリトリー内での情報収集力はどんな密偵もダンジョンマスターには絶対かなわないと僕は断言できる。なにせ、遠くにいながらにして、すべての会話を聞きつつ、記録し、見ることができる。しかも、必要なデータなどもダンジョンコアがすべて記録、整理してくれる。



 ワールハイト軍の本陣はテントのようなものが建っており、テントの布に防音がかかっているほどではないが、周りに自軍の兵士を含め、人はほとんどいない。隠れて聞き耳を立てることはほぼ不可能であろう。しかし、ダンジョンマスターの能力であればそれは意味をなさない。

 さらに現在進行形で、知りたい人の情報も見ることができる。


 では、このワールハイト―ユニオン戦争を見ていこう。



 まずは相手のユニオン軍。ブフラルの街の騎士たちや傭兵を中心にユニオン東部からの援軍を加えている。指揮官はブフラルの街の騎士隊長。名目上はブフラルの街の後継ぎとなってはいるが、本当にいるだけで、部隊の指揮、編成などはすべて騎士隊長がおこなっている。

 指揮能力は可もなく、不可もなくといったところか。ユニオン側がここまで盛り返して、優勢になっているのは指揮能力が高かったからというわけではない。単純にワールハイト側の指揮官の指揮能力が低すぎただけのことだ。



 そして、問題のワールハイト軍。まず、司令官はワールハイト領主の長男で次期ワールハイト領主。この戦争の戦果で次期ワールハイト領主の座を確固たるものにしつつ、領民からの支持も得ようといったところ。


 当然のように周りは長男支持のワールハイト政府高官の嫡男やら、大商人の後継ぎやらが目白押しといった感じで固められている。

 その長男を中央に右翼指揮官はワールハイト領主の3男が、左翼指揮官はワールハイト領主の4男が務めている。次男はいないので、継承順位としては2番目と3番目となる。

 5男は長男の副官として中央司令部にいる。つまり、フラビオ先輩より継承順位が上の兄弟がすべてこの戦争に参加していることになる。

 ちなみにフラビオ先輩の兄弟には当然女の子もいるが、継承権はない。男女平等?ワールハイトにそんなものはないのだ。

 今のところ、この世界で男女平等のようなところは孤児院のある村や逃亡者の村の辺りだけだと認識している。



 話が逸れてしまったが、ワールハイトの指揮官の陣容はそんなところだ。それぞれの指揮能力は‥低いというのがお世辞になるほどダメダメだ。長男、3男、4男、すべて後衛の魔法使いタイプで、魔法が当たれば戦争は終わると思っている。5男は長男の副官としているが、彼は元々、絵画などの芸術でのみ輝くタイプで、魔法や剣、政治などはもちろん、軍隊の指揮なども不得手であることが予測されている。


 彼らは子供のころから領主候補として蝶よ花よと育てられたせいか、人の意見は頑として聞かず、人が自分のために何かをするのが当たり前と思っているため、平気で無償で色々させようとするし、失敗は自分が悪いのではなく、思う通りに動けない周りが悪いと思っているので反省もない。


 そんな人が集まって軍の指揮をしているのだ。状況は悪くなるに決まっている。


交戦までいけず‥。

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