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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編 ワールハイト・ユニオン戦争
197/287

197.2人の背景

完全なテンプレ展開です‥。



 転生者ダンカンと勇者マルコが生まれ育ったのはユニオンの東部にあるとある村。ダンカン、マルコ共に前世の記憶があり、共に日本で生まれ、そして死んだが、その日本は僕が知っている日本とは違うような印象を受ける。そこは深くは聞けなかったし、聞いたところで意味があるとも思えないので、そこは良いのだが。


 とにかく彼らはそこで同じ転生者ということで仲良くなった。



「あのころは楽しかった」

「そうだね。異世界に来た。しかも魔法もある。文明も全くと言って良いほど、発展していない。これは前世の知識を生かせばお金なんていくらでも稼げるし、ハーレムもできるって思っていたよね」



 そうダンカン、マルコは言う。


 彼らまず、魔法の習得から始めた。そして、村を拠点にして、発展させようと、最初にしたことは“マヨネーズ”の作製と販売だった。


 テンプレ展開というかなんというか。


 マヨネーズの素材である卵と酢だが、入手は困難を極めた。まず、酢は村の人達が存在を知らず、卵は、この世界で動物はいないため、魔物から入手するしかないのだから。


 幸運だったのは、その村には農耕の助けとなるように隷属化された鳥の魔物がいたこと。ダチョウのような大きさと形をしているが、車を引いたりして荷を運び、畑を耕し、糞を肥料としていた。そんな鳥の魔物が数匹いた。

 その鳥の魔物は卵を産む。大きさが大きさのため1個が通常の卵10個分以上になるくらいの大きさになるが、そこからなんとか入手。


 酢は村にはリンゴの木があり、特産の1つであったため、そこからリンゴ酢を作った。


 これでマヨネーズの材料を調達し、いざ作成。うまくいき、新たな村の特産となるのではと期待されていた。


 そう期待されていた・・のだ。



 この世界で転生者はともかく、勇者はそれなりの数が確認されている。勇者は全員が前世の記憶持ちである。そんな彼らがマヨネーズを生み出さなかったのには理由がある。その理由を彼らも、村の人たちも知らなかった。それが不幸の始まり。



「最初は上手くいっていたんだ」

「ああ、こんなものは初めてだって皆絶賛してくれてな」

「マルコは『鑑定』あるだろ?気が付かなかったのか?」


 ダンカンとマルコにエルドが疑問を呈する。



「『鑑定』も万能じゃないってことさ。視ても出てこないんだよ」


 マルコがそれに答える。


 結論から言うとマヨネーズはこの世界では“毒”だ。しかも『鑑定』にすら出てこない、“蓄積性の遺伝子毒”というとんでもないものだ。



 1、2回の摂取では問題はないが、連続して口にすると途端に毒性を発揮し、遺伝子に害、つまり癌を発生させる毒で解毒の魔法が効かない。一応『毒耐性』で軽減なり無効化はできるが、耐性の無い者は確実に死に至らしめる、そんな凶悪な毒。


 おそらく女神が仕掛けた罠なのだろう。転生者に好き勝手させないという意味では効果的かもしれない。性格は非常に悪いが。


 結局、村は崩壊寸前になり、近隣の村や町から調査が入り、2人の作り出したものが毒だと認定され、2人は奴隷落ち。この時すでに2人の両親はおろか親族も死亡しており、天涯孤独。生き残った村の人たちからも恨まれ、奴隷生活をしていたが、キツさに耐え兼ね、ある時逃亡。エルマンドさんの関係の行商人に連れられて、この孤児院に来たということらしかった。



通常の現代っ子が奴隷生活など耐えられるわけがないと思っていますが、どうでしょうか?特にこの2人の場合は奴隷としての扱いも最低なので、まず耐えるのは無理だろうと思いますが。

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