194.村へ到着
投稿忘れていました。あやうくすっ飛ばすところでした。(汗)
「‥‥‥」
ザシュ!!ガザガザ‥‥バサッ!!!
「‥‥‥」
人は本当に疲れた時は無言になる。
僕らは強行軍で村を目指しており、村に近づけば多少開けたところに出るはずなのだが、一行に出てこない。今まではただひたすら、人が1人やっと通れるくらいの細いながらも道を作り、襲ってくる魔物を退治し、の繰り返しで魔力回復のため多少の休憩はあるが、ひたすら進む。そうしてもう3日目だ。
後で、作った道を通って戻った方が効率が良かったことに気が付いたが、後の祭りだ。
3日目の半ばやっと、多少開けた場所に出る。ここからは熊や狼などの動物型やゴブリンなどの人型のモンスターが出てくる。
そこで僕らは朝まで休息をとることにした。今までのただひたすら隠れるように息をひそめるような休憩とは呼べないような休憩ではなく、気は抜けないが、携帯食料や水を摂るくらいはできる休憩だ。
「やっと。ここまで来たか」
「これで明日には村に着けそうだニャー」
ライドとミーアは、警戒しつつもやっと一息ついて話し出す。
「ルル、ライドは魔力回復優先で良いから、きちんと休んで。大変だったでしょ?ご苦労様」
「‥わかった。ありがとうエルド」
「了解」
ここまでで一番消耗が激しいのは魔力をほぼ常に使っていたルルとノフスだ。
翌朝、再び村へ向けて進む。この辺りで注意しなければいけないモンスターはこれまで数で襲ってくる蜂やゴブリンではなく、一撃で大木など軽くへし折る熊だ。
―――ビックベア
その膂力と固い毛皮で猛威を振るうこの辺りの暴君。蜂やゴブリン程度なら傷をつけられることもなく、ただひたすら己の糧とし、体力、スピードもあるために、出会ってしまえば逃げることは困難。そんなモンスターであるが、
「オラァァ!!」
ドン!!ドゴォォォ!!ザシュ!!
ライドは力だけでビックベアを押し返し、殴りつけて周りの木にたたきつけ、よろめいたビックベアを切りつける。
一応、アレ、この辺りでは出会ったら絶望するレベルのモンスターなのだが‥。成長は知っていたが、単純な力で上に行くとは、予想以上に成長している。
ビックベアを数体倒し、剥ぎ取りをして、さらに先へと進む。そうして、ようやく見えて来た森の切れ目。
そこからは茂みで周囲が見えにくいが、北に馴染みの建物や煙が薄っすら見える。
「やっと、着いたな」
「もうすぐ、暗くなる。周囲を警戒しつつ、早く村へ行こう」
ビックベアは弱くないです。少なくともオークよりは強いです。




