192. 条件
なんとかサッカー開始前に投稿できました。
古い祠のようなトトークのダンジョンの入り口前で、皆で食事の準備をする。できた食事を摂りながら話の続きをする。トトークはどこかから出したジュースを飲んでいる。
「さて、食事をしながらで良いから、話の続きをしようか。僕がトトークを皆に紹介したかったのは、トトークが協力してくれるなら、色々と大きな助けになるからだ。だが、僕はトトークに協力することを強制はしない」
「イオが言う通り、僕が認めない限り、君たちに協力はしない」
「イオが言うのだから、相当なのだろうけど、どのくらいのことができるのか?どのようにしたら認めてもらえるのか?がわからない」
エルドの言う通りなので、トトークについてもう少し話をしよう。
「トトークは、元はニゴ帝国に居たんだ。最近僕が引き抜いたわけだが、その影響でニゴ帝国の上層部は大きく混乱したんだ。と言えば、どのくらい影響が大きいかわかるかな?」
最近のニゴ帝国の混乱はトトークがいなくなったことによる、今まで当たり前のように使っていたものが使えなくなったことが原因だ。
国の根幹に関わるものを作っていたのがトトークで、いなくなったことで根幹がゆらいだのだから、混乱が起きるのは仕方ないことと言える。しかも、今までトトークの固有能力を使っていない状態で、だ。
トトークの能力をわかってもらったところで、条件の交渉になる。
「僕が認める条件は簡単だよ。君たちがいた村から南にエルフたちの森と村がある。そこにもダンジョンマスターがいる。また、東にはドワーフたちの村、鍛冶の村、ブラックスミスがある。そこにもダンジョンマスターがいるから、その2人から認められること。2人が認めるなら僕も認めよう」
トトークが条件を出す。
「わかった。先にその2人のダンジョンマスターに会わなければいけないということだな」
エルドがそう返し、条件を受諾する。
「そうだね。僕の能力の詳細や助力できる範囲はイオに聞けば良いよ。彼が僕らの主だから。ね?“隠者”」
その2つ名はワールハイトにも知られ始めている。主にドラゴンハンターの街から。情報収集に余念がないエルドたちが知らないはずがない。少しずつ緊張が高まっていく。
「あまり、その名では呼んでほしくはないな」
「いいじゃないか。2つ名がつくダンジョンマスターは少ない。我らの主がそのくらい強大な力を持つと認められた証のようなものなのだから。それより、イオは彼らにどこまで協力する気なんだい?今までもほとんど、本気を出していなかったでしょ?」
トトークはここぞとばかりに攻めてくる。こちらが、うまく反撃できないことを良いことに。‥僕、そんなにストレス溜まる生活させてないはずなのだけどな‥。
「僕自身はこれでも本気で協力はしているんだけどな‥。まあ、確かにダンジョンマスターとしての力を使わないつもりでいたから、この体にはダンジョンマスターとしての力を使えないようにしてあるのだが」
「‥なるほど、だからか。ダンジョンマスターとして力を使う記憶があるのに、鑑定ではその技能がいっさい出てこないのは」
「エルドは記憶が見えるけど、長時間の記憶の閲覧はできないから、見えてなかったんだね。まあ、どちらにせよ、僕の能力は他の3人と違って、生産には向いてないから、このくらいで精いっぱいの協力なんだけどね」
「‥我らよりダンジョンマスターとしてのレベルが違う癖に何を」
トトークよ。そんなに反抗的にならなくても良いじゃないか?何かストレス発散しとくか?
ここぞとばかりにチクチク攻撃するトトークの回でした。
‥いつ村につくんだんろうか?w




