191.ダンジョンマスターについて
サッカー見てたら投稿遅くなりました。すいません。
僕がダンジョンマスターだと言うと、皆に「聞いていない」と言われてしまったので、まずはダンジョンマスターについて話をしないといけない。
「ダンジョンマスターは人類、いやすべての生きとし生けるものの敵で見つけ次第殺せと言われているが、ダンジョンマスターすべてがそうではない。僕らがそうだ。そもそも、ダンジョンマスターたちが何を目的にしているのかを知っているかい?」
「そういえば、知らない。ただ、破壊の意志のまま暴れているだけだと思っていた」
「知らないのはノフスだけじゃないだろ?おそらく、皆知らないはずだ」
そう言うと、皆頷きながら話を聞く態勢になってくれる。
「ダンジョンマスターはDPというダンジョンポイントを得ることを目的に活動している。DPを使って、ダンジョンを大きくしたり、モンスターをそろえたり、自身を強化したりできる」
「そのDPと破壊活動がどうつながるんだ?」
「慌てないで、そこを説明するよ。ライド。まず、DPの獲得方法はいくつかあるが、ダンジョンマスターはそれぞれ、自分の領域の範囲内で‥」
1.自分の仲間以外の生物を殺すこと。
2.自分の仲間以外の生物を捕らえて、閉じ込めること
3.自分のダンジョン内で魔法などMPを使う行為をすること
4.自分の仲間以外の生物が一定時間自領域にいること
「‥と言うのがある。この中でどのような手段でDPを得るかで方針が変わる。僕らは融和派だと勝手に言っているけどね」
「つまり、イオたちは4番目を主な手段としているということか」
「ノフス、そういうこと。最も僕らと同じ考えのダンジョンマスターは少ないけどね」
「だが、それなら、なぜ、ダンジョンマスターはほぼその手段をとらないんだ?」
「その理由は‥」
ノフスの疑問には推測で答えるしかない。
僕の推測としてはまず、DPの獲得量が少ないことがある。また、自領域を自分の庭のように思っているのであれば、例えば、自分の庭に武装した敵軍隊がいれば、どう思うだろうか?
それと、英雄や勇者がとにかくダンジョンマスターを目の敵にしているので、余計そう捉えられてしまうのだろう。
また、女神側の戦略も大きいのであろう。実際、今はダンジョンマスターが完全に敵であると認識されているが、それも元を正せば女神教の長年の布教活動の成果であるためだ。
女神教団は女神の意を受け、その望む世界を作るべく活動している集団で、現在間違いなくこの世界最大の宗教であり、根底にある倫理観などを作り上げたのも彼らだ。リュート神聖国に敗れ、国はなくなったが、それでも、世界中にその教会なり、息のかかった集団などがいる。
少なくとも200年以上はある宗教なので、どのような隠し玉があるかなど、全容の把握は困難だ。“女神の悪意”と言われているものがあるらしいが、それがどのようなものなのか全くわからないし。
「‥とまあ、こんなところだ」
国を作り、英雄や勇者が僕のところに来る前に対応してもらうといったこともできるのではないか?と思っているし、そもそも、現状に僕は満足していない。文明が発展していないこの世界で、国を作ることで文明の発展に貢献できるとも思っている。
娯楽がそもそもないので、ダンジョンに籠っているだけでは時間が余る。
エルドを中心にした、孤児院の皆が国作りに貢献してくれたら、領土も広いし、すごい国ができると思っているんだよね。
そろそろ、村に戻りたい。




