18.冬のダンジョン 2/3
こんな拙作をお読みいただきありがとうございます。いつのまにかブックマーク登録をしていただいている方が増えておりまして、うれしく思っています。感謝ですね。
ゴブリンの進化は間に合わないことが判明したが、ウルフからはいつの間にか“コボルト”が生まれていた。
コボルトはファンタジー定番のあいつですね。犬のしっぽ、耳、顔の二足歩行モンスター。このコボルトは単体戦闘能力はゴブリンリーダーよりは上といったところ。相変わらず話はできないが。
一応わんとかきゃんとかしか言わないが、なんとなく言いたいことはわかるし、命令は聞く。
あと、ビックウルフという進化種も生まれていた。戦闘能力はもちろんゴブリンリーダーよりは上。ゴブリンリーダー基準にしても強さが全く伝わらないですが、しばらくは今後の主力モンスターになりそうな気配。あ、もちろん熊には負ける。
僕自身の強化として、いままで取っていなかった魔法を全種とった。もちろんすべてLV1。
2に上げようとしたら、DPは足りるが、僕自身のステータスが足りずレベルアップできなかった。
「主様すごいです」とメイドのシャールから褒められた。
「何が?」
「世界中で魔法が全種使えるようになった人はいないと思います。4属性に光、闇、無、さらには神聖魔法まで使えるとは、すごすぎます」
「そうかなぁ?」
「そうです。そうです」
と、褒められて嬉しいが、シャールの話で色々気になった。
「この世界の魔法使いたちは、普通何属性つかえるの?」
「普通は無属性を入れて、2~3種と言われています。4属性のうち3つ使えるトリプルと言われる魔法使いですら非常に数が少ないと言われていますし、光、闇魔法の両方を使えるという人も聞いたことがないですよ」
「ふーん。そうなんだ。でも僕の場合は全部レベル低いから、実戦では使えないけどね」
と言っておく。あと気になったことが1つ。
「神聖魔法って何?確かに回復魔法は使えるけど」
「神聖魔法とは女神教が教える、回復魔法を含む、聖なる魔法と言われていて、女神教の信者、それも比較的高位の僧侶でしか使えないとされている魔法です」
ということだが、女神教とはおそらく、魔神様が嫌がらせしている女神を崇める宗教団体でどこかに総本山があるらしい。
シャールの話から、神聖魔法とは光魔法の中で回復魔法などのことをいうということだろうと推察した。この世界では魔法が色々細分化されているのかもしれない。
あと、僕は光魔法を取ったら、LV1のものは全部覚えたが、本来は1つずつ練習をして使えるようになっていくらしい。これは魔法の覚え方全般的にそのようで、僕のように様々な種類の魔法を使える人はいないらしい。
「主様ほどの多彩な魔法使いはいないでしょう。これで主様のダンジョン領域を犯す、人間たちをせん滅するのですね」
とシャールは言うが、
「いや、せん滅しないよ?放置する」
「……え?」
と、いや、そんな悲しそうな困惑した顔で見ないでよ。あなた、元とはいえ人間でしょ。なぜそんな物騒な方向に考える。
「春になったら来るだろう人間たちはそのまま放置する」
「…なぜでしょうか?それだと、ダンジョン入り口周辺に集落をつくるかと思いますが?」
「うん。そうだね。そうなると思うし、むしろそうなってもらわないと困る」
僕の補佐役たるシャールには僕の考え方を理解してもらわないといけない。確かにダンジョン入り口周辺に集落ができれば、ダンジョンが荒らされ、最悪、ダンジョンコアを破壊される可能性があるが、ダンジョン上層部であれば問題はない。
DP収入を見ても、人間はせん滅するよりも、住まわせるほうが良い。それに僕はこの世界の情勢を知らない。集落は貴重な情報収集源になる。
それと気になっていたのが、人間たちの魔物への対応。特に隣の森の魔物に対してどう対応して村を守っていたのか?というのが非常に気になっていた。あんな、蜂やら熊やらが出てきたら強さを見る限り対応できないと思うのだが。
というようなことをシャールに説明し納得してもらう。
「なるほど、でしたら、入れても3階層くらいまででそれ以降は入れないよう罠の配置なども見直さないといけないですね。早速調整いたします」
うん。方針聞いて、すぐ対応策が考え付いて実行できるのは素晴らしいね。最初はメニュー見てひどく驚いていたけど、今では普通に使えるようになっているし、優秀な人材だね。
僕の方はDPの管理とモンスターの管理などしないと。最近気が付いたけど、どうやら野良の魔物退治するより、うちのダンジョンモンスターを狩るほうがLVの上りが速い。ダンジョンモンスターにモンスター同士で争わないように命令もできるけど、このまま自然の成り行きでダンジョン内に弱肉強食の生態系を築いていく方が良さそう。
幸いDPの収入が上がり、DPに余裕があるから今のうちにダンジョンを本格的に整備していかないと。あとぼくのMPも上げる。
なぜかというと、HPを上げても、今のステータスではどうにもならない。他のステータスは上げれないし、MP上げて使える魔法が増えれば、最低逃げることは可能になるかもしれない。あとは色々研究するのにMPないと研究できないんだよね。そのうち研究室とか作って実験とかしてのんびり、気ままに暮らしたいからね。不老で時間はいくらでもあるし。
ウーン。3話の予定が、3話で終わらない予感が・・・・・。春にならないゾ。早く2年目に入りたいのだが‥。
自分の構成力不足がここで。