172.遭遇
RPGとかではよくある、ある程度進めてから戻ると敵は敵じゃなくなっている現象。
29階層の中ボス、スペクターとシルフたち。
シルフに関してはもう問題とはならない。すでに弱点が明白で対処も慣れたものだ。
問題になるとすればスペクターの方か。
ボス部屋突入後、いつものように『ホーリーミサイル』の迎撃と接近だが、接近するワーウルフに対し、スペクターが触手攻撃。触手の数が多く、しかも触れるとどのような状態異常にかかるか予測がつかない。
行動は回避一択。
距離をとるしかないワーウルフたちだが、『ハウリングボイス』は忘れない。しっかりシルフたちの動きを止める。そこに‥
『飛剣閃』
オーガリーダーが横なぎの飛ぶ斬撃を放つ。
オーガたちは怪力で格闘術のイメージが強いが、実際は各種戦闘スキルが軒並み高い者が多い。近接戦闘の達人たちと思っていた方が正しい。今回連れて来たオーガリーダーは剣術を得意としていて、重装備で参戦。
『飛剣閃』は剣術スキルのLv4。比較的簡単な部類に入る。(もちろん、モンスター基準で人間基準だと達人~神様扱い)
効果も斬撃を飛ばすだけと実にシンプル。だが、使うのが怪力で身体能力が高いオーガ種。その中でもエリートの個体が放つ斬撃。効果は‥
ギャヒィィィィィ!!!ギャン!ザシュッ!!
スペクターの触手や周囲のシルフを薙ぎ払っていく。さらにオーガやゴブリンの弓兵の追撃、最後にドラゴンのブレスで焼き払ってせん滅した。
30階層目。
ここも20階層目と同じく、階段とその前に大広間、大広間へと続く通路のみの階層。
罠を警戒して進むが、一切の罠がなかった。
この階層のボスの姿や能力、どのような種族か?といった情報が入ってこなくなった。何らかの妨害をされているためだが、最下層に近くなってきたとはいえ、急激な妨害レベルの上昇だ。
とはいっても、この階層にもシルフはいるだろうし、先制で『ホーリーミサイル』が来ることも予測できている。
大広間突入と同時に予測通り来る『ホーリーミサイル』を迎撃。今回は相手がわからない以上、ワーウルフは突っ込まず、相手の確認に留める。
今回相手の確認をしておいて、良かった。相手もわからないのに、突っ込んで行っていたら、全滅まではいかないだろうが、かなり手ひどいダメージを負っていただろう。
なにせこの階層のボスはいつものシルフたちとデーモンソルジャーたち、スペクター3体に加え、エンシェントドラゴンが1体いたのだから。
エンシェントドラゴン。それは永き時を生きた古龍。その能力は他の竜たちとは桁違い。僕もまだ生み出せてはいないモンスターだ。
バトル自体はあと6階層で終了です。
6話ではありませんのであしからず。




