153.クソガキども
僕はクナと一緒にダンジョンルームに来た。目的は話し合い。ここにいる2人のダンジョンマスターとの。
どうやらその2人は待っていたようだ。
片方は天使。白い羽毛を思わせる羽に白い服。おまけに紙まで白く、全身が白一色。腰に剣を下げているが、その剣だけが白ではないのでやけに目立つ。顔は無表情で綺麗な顔をしている少女だろう。というのも綺麗ではあるが中世的な顔だからだ。
一方もう片方はその少女?をすべて黒くした姿をしている。姿形、羽や紙、顔まで黒く、中世的な顔まで同じであった。
その少女?たちが口を開く
「お前らは何だ?うちらのシマにかちこみかけてきやがって」
「何だ?…きやがって~」
初対面からそれか!?白い天使に追随して黒い天使が同じことを話しているのが余計腹が立つ。だが、僕は大人だ。冷静に冷静に。
「初めまして。僕はイオ。人族型です。こっちはクナ。見ての通りエルフ型です。あなたたちは?」
「イオとクナ~?ばかかお前は?」
「バカか?お前は~?私はイナミ、こっちがイナシ~!」
「おい?イナミまだ勝手にばらすなよ」
「ん~?間違えた~?」
‥なんだろうこのユルイ感じは、腹が立つがどこかほのぼのしている。白い方が先に喋り、黒い方が追随する流れだが、黒い方がかなり天然っぽい。
そしてコイツらは白い方がイナシで黒い方がイナミであるようだ。
「ハァ。もういいや。とりあえず、お前ら、下僕になれ!」
「下僕になれ~!」
「とりあえずの意味がわからん!」
「そうよ!この流れでそれはおかしい!」
「何~?逆らうのか?」
「逆らうのか~?このイナミ姉妹に~!」
いきなり下僕になれというイナシ。それに反対する僕とクナ。そしてこの2人姉妹だったようだ。腹がたつが、我慢我慢。
「なんでいきなり下僕にならないといけないんですか?」
「うっさいわ。チビ!私たちの方が強いんだから言うことを聞け!」
「チビ~!チビ~!私は堕天使でイナシはセラフィムだぞ~!」
暴言来ました。そしてイナミが堕天使なのね。追随しつつ重要な情報をくれるねこの子。あと、今の僕はお子様の姿ではなく普通の姿である。けしてチビではない。
そして我慢できなくなったのかクナが割って入る。
「どちらが強いかなんて戦ってみなければわからないんじゃないの?」
「何だと~?たかが胸なしエルフの分際で、私たちと勝負になると思っているのか?」
「胸なし~!ペチャパイ~!」
プチッ!!
あ、クナが切れた。エルフにペチャパイとか胸の話はまずいよ?
「うが~!!クソガキどもが調子に乗りやがって~!!バトルで絶対倒す!!」
ハイ。わかっていたけど、ダンジョンバトルですね。
悪口天使たちでした。このやりとりはもう一話続きます。




