15.もうすぐ冬
本当はこの回で「人」をだしたかったのですが、そこまで進みませんでした。次話こそは。
もうすぐ冬になろうかとするとき、僕はダンジョンの拡張やらレイアウトやらを考えていた。
よくよく思い出すと転生してこの世界に来て、もうすぐ1年になる。
ダンジョンのレイアウトとしては、東西南北に1つずつ入り口を作り、4層で合流するように繋げて、4、5層は大部屋で各種族がいる状態にして、水、食糧をここで賄えるようにする。5層は防衛力強化も兼ねて人形たちも配置。コアルームを6層へ移した。
今後モンスターの繫殖場として1階層を与えるようにしていきたい。特にランクの高いモンスターを繫殖させるために繫殖場は深い階層に設定したい。
ダンジョンコアがレベルアップしてDPの最大貯蓄量が20万から100万へ増えたが、現状20日ほどで100万貯まるペースでDPを稼げている。貯まりきる前にどんどん使っていこう。
しかし、僕のステータスを1上げるのに100万DP必要なので、この冬期間獲得DPをすべて使ったとしても3~4しか上がらない。HPかMPなら30~40だが、現状どちらにしろ厳しい。1日数十万DPを稼げるようにならないと、ステータスを上げれないと思う。
待てよ。ダンジョン領域は現在半径1km。ここから1m伸ばすのに100DPが必要。10万DPで1km伸ばせる。
西側の森の状態から、更なるDP収入の増加が見込める上に、情報も入る。特に森の奥の情報は欲しい。入り口周辺であれだけの数のハニービーがいるのだから、奥にはもっといるのでは?
現在DP10万はあるので、これは広げるべきだろう。
ということで早速、広げてみた。
いるわ、いるわ。今まで見たことない魔物が。
森ではなく、ダンジョンの南側に“ビルドアント”なる魔物がいて、すぐにゴブリンたちに1体狩らせに行かせました。この魔物、名前の通り建築が得意みたいで、ダンジョンの拡張や整備に使えるみたい。
巣は大量にいるみたいで、手を出すとやばそうなので、巣から離れた1体を狙う。
そして、その間に森を見るとなにやらあのハニービーが襲われているようだ。“ビックベア”という魔物1体にハニービー数匹が反撃しているが、この“ビックベア”は爪で薙ぎ払うと、蜂たちが上下に分れ、次第に動かなくなる。
襲われたハニービーの巣は総勢100匹に満たないくらいの巣ではあるが、一斉に“ビックベア”に反撃している。 しかし、“ビックベア”に爪での薙ぎ払いで攻撃されて、どんどんその数を減らしていく。ついには一回り大きいサイズの蜂、女王蜂が出てきた。この女王蜂は戦わずに数匹の蜂に守られて巣を放棄して逃げていく。
誰も守るものがいなくなった巣に“ビックベア”は右の爪を右から左へ一閃すると、軽トラックくらいはある巣が上下に分れる。上の巣の真ん中から黄金色の液体が垂れてきた。蜂蜜だ。
“ビックベア”はその蜂蜜をおいしそうに舐め、幼虫のハチノコをみつけてはむさぼり喰う。
慌てて<鑑定>する。
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名前
種族 ビックベア
LV 12
HP 145/145
MP 40/46
STR 155
DEX 36
INT 28
MEN 32
AGI 73
LUK 5
スキル 爪術Lv2
特性 剛毛
特徴 雑食の熊型モンスター。冬眠前は特にお腹がすくらしく、その食欲は旺盛。蜂蜜が大好物。
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あ~。この熊ヤバいわ。HP、STR3桁は初めて見た。AGIも高いので、見つかったら、まず逃げれない。ステータスも脅威なんだけど、それよりも、これだけ戦ってHPが減ってない。
この世界、ステータスで防御力に相当するものはない。この熊、強いけど、ハニービ-から攻撃を食らっていないわけではない。なのにダメージがない。まず間違いなく<剛毛>の特性の影響だろう。僕の<鑑定>では召喚できるようにならないとスキル、特性の詳細は見れない。ただ、この状況から<剛毛>によるダメージ軽減しか考えられない。
この特性により一定以上の攻撃力を持つもの以外は敵足りえない。今のうちのダンジョンではどうやってもこの“ビックベア”に太刀打ちできないということだ。
熊初登場で終わってしまった。
一応、自分の設定上この熊、熊の中では最低ランクなんですよね。
次話でなんとか冬前の話を終わらせたいのですが、自分の構成力の問題で終わらないかも。