149.海王ニニムとの出会い
先に出てくるのは海王の方です。
さて、今南北同時にダンジョンマスターに接触するという我がダンジョン始まって以来の危機に陥ろうとしているのだが、双方の話し合いに行く前に確認しておこう。
ダンジョンバトルは各々のダンジョンの構造やモンスターの構成などをコピーした特殊空間で行うわけだが、ルールの確認をダンジョンコアにしておこう。
まずはそもそも2人同時にダンジョンバトルができるのかどうか?だが、答えは[可能]。バトル自体は2人だろうが何人だろうが同時に受けることは可能とのこと。
では、2人以上同時にダンジョンバトルとなった場合、敵対するダンジョンマスター数毎にコピーを作ってもらえるのかどうか?
現状、2人同時に相手をするという可能性が最も高い。この答えによって対応が変わる。
答えは[否]
ダンジョンバトルでのコピーはダンジョンマスター1人に対し1個だけ。戦力の水増しはできないということのようだ。
これによりダンジョンマスターを2人以上同時に相手にするのはできれば避けた方が良いということになる。
ダンジョンバトルをしている状態でさらに他のダンジョンマスターとのバトルを始めることは可能か?
答えは[可能]
この場合は前述のとおり、バトルをしているときの戦力状態で参戦となり、新たにコピ-がされたり、進行中のバトルがやり直しになるなどの措置はない。むしろ戦力を消費した状態で新たなダンジョンマスターとバトルをしなくてはいけないため非常に厳しい戦いとなる。
以上を踏まえて、ダンジョンマスター代行の3人に伝えた方針は
「海王との話し合いを先にする」
であり、理由としては
「天使と悪魔の方が先に仕掛けてきたが、期日の48時間まではまだ時間がある。それまでに海王との話し合いをして、対応を決めてしまいたい。それからクナと一緒に天使と悪魔の対応をする。戦力的に見ても海王最優先だ」
まず海王との話し合いが終わらないと天使と悪魔にさける戦力が決まらない。というより、格上である海王とのバトルになれば、他に回す戦力などない。バトル自体を避けることができれば理想的だが、難しそうだ。
「‥というわけで、クナに連絡してもう少し待ってもらえ。その間、僕が海王と話をしてくる。当然バトルは避ける方針だが、バトルになるという前提で準備をしててくれ」
「「「は!」」」
僕はダンジョンコアに触れ、ダンジョンルームと行き先の[ニニム]を選ぶ。どうやら海王の名前は[ニニム]であるようだ。
そうして海王ニニムが待つダンジョンルームへと入った僕はそこで、海に出たか出ないかくらいの岩礁のようなところで座る、というより横になりお菓子でもつまみながらTVを見るような格好をしている、でかいトド?セイウチ?と目が合ってしまった。
実物を見たわけでも詳しいわけでもない僕にはトドとセイウチの見分けはつきません。
どうやらこのでかいトド?が海王のようだ。
「オウ。お前がイオとかいう小僧か?少し前からワシの領域の近くにまで領域を伸ばしてきたのはわかっておった。いつ来るか楽しみにしていたのだが、なかなか来んで、我慢できんくなってこっちから行くことにしたんじゃ」
ベシンベシンッ!!
どうやらこっちの態勢が整うまで待ってはくれなかったようだ。しかも予想通りやる気満々。ちなみに、最後のはニニムが話終わった後に尾びれを地面に叩きつけている音です。結構うるさい。
作者もトドとセイウチの見分けがつかないので、どちらでも問題ないような展開にしていきます。




