144.年度末
とりあえずこの回で一つの区切りです。
皆さまありがとうございます。
合格発表が終わった12月の半ば、ワールハイト周辺やユニオンで大雪が降った。街道が塞がってしまい各都市が孤立した。
ウチの傭兵団も資金に困っているわけではないので討伐などはお休みとした。
「ああ、嫌になるぜ。こんなに雪が積もるとよ」
「あんまり言うなよライド。余計嫌になるから」
「ウチの方針としては決めた通りでいいんだよな?エルド」
「変わりはないよ。まあ、ライドは不満かもしれないけど」
「ああ、このくらいなら問題ないだろ?」
「みんなが慣れているわけではないからね。予想外のことが起こりやすいんだ。それで被害が大きくなることもある。無理をする必要はない」
食料などの備蓄に関してはワールハイトとユニオン東部、ニゴ帝国は全く問題がない。問題があるとすれば、戦争で荒らされたユニオン東部、元々それほど備蓄がないワールハイトの周辺都市か。
この間のユニオンの工作がワールハイトにばれたためワールハイトに入るのが厳しくなった。この間の場所に証拠を山ほど残してきたからばれるのは当然なのだが。
「‥‥と言うのが今のワールハイト周囲の状況だ」
「‥ということは戦争が起きるのか?イオ」
「その可能性が高そうだ。最も時期は雪が解けて、春以降になるだろうけど」
「そうだったのかニャ。随分ワールハイトに入るのに苦労したのはそういうわけかニャ」
「ミーアは災難だったけど、より災難なのは次の年の子たちだね。おそらくはワールハイト、ユニオンで戦争になれば、ここまで来るのはほぼ不可能になる」
「そうか!ユニオンからニゴ帝国側に行き、そこからワールハイトまでぐるっと大回りするルートしかなくなるのか!」
「そういうこと。資金的にも厳しいはずで、難易度が跳ね上がるからね」
僕がミーア、ライド中心に幹部たちと状況の確認といったところだが、戦争になれば、傭兵団として駆り出されることになるのが目に見えている。
「幸い我が傭兵団には蓄えもあり、春までなら何の問題もない。活動を抑えて、力を貯えていた方が良いと思う」
「まあ、新入団員の訓練もあるからちょうど良いか」
「エルラノーア商会としても色々教える良い機会だからね。それに商人はこういう時が稼ぎ時だから、僕としては傭兵団のことで頭を悩ませなくて良い分、商会に集中できる」
「商会のことは基本イオに任せるよ。護衛とかが必要ならいつでも言ってね」
「ああ、助かる」
エルラノーア商会は表向きは魔物の素材を各店や必要としている人に売ることをしているが、商人たち、その護衛たちから情報収集をすることが裏の仕事である。
今はただ情報を集めるだけだが、今後は建国の際の諜報部隊となる者も所属する予定だ。
もちろん商会としてあげた利益は建国のための資金となる。
「今年は我が傭兵団の知名度も上がり、冬の間のワールハイト住民からの依頼もどんどんきているから、お金に困っている奴には優先的に回そう」
というエルド
「じゃ、俺は新入団員の訓練でもするかな。ミーア、お前も来い」
「わかったニャ。きちんと先輩であるライドの顔は立てるニャ」
そう言って訓練場へ行くライドとミーア
「僕は依頼組のサポートかな」
「私は魔法の実験がしたい」
ノフスとルルは各々の持ち場へ
「僕はしばらくは商会にかかりきりかな」
僕はそう言ってエルラノーア商会へ。
今までは皆で一緒だったが、傭兵団の規模が大きくなり、今後は離れて、各々の得意なことで貢献することになる。だが、お別れではない。よく集まるし、話し合いもする。その時に皆の成長が感じられるのだろう。あと数か月。春になったらまた傭兵団として本格的に動き出す。それまで僕も僕がしなくてはいけないことをあらかじめしておこう。忙しくて手が回らなくなる前に。
今後の予定としては、またイオはダンジョンマスターに戻るのですが、その前にこれまでの登場人物紹介と用語、地名解説を土曜、日曜に投稿して、となります。そのため木曜日は投稿をお休みさせていただきます。
登場人物紹介とか今更やるのか?と思われるのかもしれませんが。




