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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編~少年時代
141/287

141.ホーンタイガー

フラグ回収です。


 野外授業に出て、僕たちは特に何事もなく朝を迎えた。軽くではあるが、朝食も摂り、片付けもあらかた終わり、あとは戻るだけとなった時だった。今、僕らがいるところはワールハイト南部の平原のほぼ真ん中。西に石切り場が見える場所だが、その石切り場がさわがしい気がする。距離があるので音などは聞こえない。



「‥あれは何だ?」



 だれかのつぶやきに西を見ると、その石切り場から何かが出て来た。遠いのでゆっくりに見えるが、だんだん見えてくると物凄い速度であるとわかるし、姿も見えてくる。



「‥角の生えた虎?」



 見えたのが頭に一本。立派な角を持つ体長4~5mの虎の魔物。



「あれは‥ホーンタイガー!?」



 ホーンタイガーは食欲旺盛な魔物である。普段は森の奥の方に住み周囲の魔物を食べているくらいなので当然強い。特徴はそのスピード。そしてパワーと角を生かして獲物を一突きしたり、鋭い爪や牙で攻撃されれば人はなすすべがないだろう。総合力を考えればオークよりはよほど強い。だが、こいつは石切り場でも相当暴れたのだろう。目も片方潰れ、あちこちケガをしているようだ。動きも本来と比べるとかなり遅くなっている。これなら何とかなるか?



「すぐに退避しよう。僕とイオで時間を稼ぐから、他の皆は警戒しつつ、街まで退避だ」



 エルドの指示で皆すぐに逃げに入る。手負いとはいえ、確かに他の人では太刀打ちできない。むしろ邪魔である可能性が高い。ライドたちは距離的に間に合わない。2人でやるしかない。



「最大限の警戒。僕が魔法で足を止めるから、よろしく。エルド」

「オッケー。任せた」



 ホーンタイガーは良い獲物を見つけたと言わんばかりにこちらにまっすぐ向かってくる。こちらはタイミングを見計らって魔法を放つだけだ。



『アースウォール』



 土魔法LV2、固い土の壁を素早く垂直に下から上へ向かって、かち上げるように作る。ちょうどホーンタイガーの顎に当たるように。


 まともにかち上げられたホーンタイガーが宙を舞う。意識を失ってはいないようだが、軽い脳震盪くらいは起こしたようで空中でまともな動きが取れないようだ。地面に着きそうなタイミングでエルドが一閃。


 きれいに首を切られた虎はそのまま動かなくなる。



「ナイス、エルド!」

「イオこそナイスタイミング!」



 ハイタッチした僕らはすぐにホーンタイガーをしまい、街へと帰る。今回ホーンタイガーは相当手負いであったのだろう。もしくは僕らをなめていたのか。まっすぐ来たから良かったものの、多角的に動かれただけでも捉えることが難しかっただろうからだ。

 実際帰った後、聞いた話では石切り場にどこからともなく現れたホーンタイガーは暴れまわり、相当な数の犠牲者が出たということであった。その影響で石切り場は本年中の閉鎖が決まり許可なく誰も入れないことになった。



 ホーンタイガーは毛皮が非常に高値で売れ、そのお金は僕らのグループで山分けした。


 このホーンタイガーは僕のところの魔物ではなく、どこから、どのように石切り場に入ってきたのか謎である。どうにも石切り場のさらに西からやってきたようだが、そこは湿地帯で僕の領域テリトリー範囲外。

 結局、ルートの洗い出しができず、どこの魔物か謎のままとなってしまった。


ホーンタイガーは万全の状態ならエルド、イオのコンビでも非常に危ないくらいの能力を持っています。

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