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魔神配下のダンジョンマスター  作者: にゃーにゅ
建国編~少年時代
138/287

138.報復へ

傭兵団はあっさり壊滅します。(予告)


 ミヒャエルは襲撃者たちをさっさと『転移』させて自分の研究所に連れていき、僕と一緒にファエズ傭兵団とやらの拠点へ向かう。もう辺りは暗い。そのため他に歩いているようなものはほとんどいないか、酒場で飲んでいるかのほぼどちらかだ。



「そういえば、ミヒャエルの報告は結局どうなった?」

「結論は同じですよ。ユニオンでしたという報告をする予定でしたから。ただ、少し遅かったですが」

「まぁ、そこは相手が早かったというだけだろう。今のニゴ帝国にはワールハイトにかまっている余裕はないだろうし、予想通りではあったわけだ」

「大元のブフラルとかいう街の方はどうなさいますか?」

「ん?そのままだよ。何もしない。急に部下たちと連絡が途絶え、拠点が潰されたとわかればどういう反応を示すだろうね?」

「はあ。散々私のことをマッドだのなんだの言っておいて、マスターの方がよほどひどいと思いますよ?」



 現在、ニゴ帝国のスパイはワールハイトにもいるのだが、本国が今機能不全に近い状態になっているので、的確な指示が出せていない。

 トトークを引き抜いた後、ニゴ帝国はすぐにダンジョンコアを破壊した。しかし、すでにトトークのダンジョンコアは僕があげた方が機能しており、トトークには影響ない。多少魔力を感知できるものであれば、領域テリトリーの消失か存続くらいはわかるので、ダンジョンコア破壊後も領域テリトリーが存続していることからトトークの生存していることは確定で、ダンジョンコアを破壊したという行為はダンジョンマスターへの敵対行為以外の何物でもない。


 ニゴ帝国にしてみれば、トトークを連れていったダンジョンマスターにただ敵対宣言をしたようなもので、こうしている間にも機密情報がどんどん抜き取られている状態だ。しかも戦うための主力、温存していた兵力ともに削られた。まともに動けるわけがない。


 そしてそのような隙を狙ったかのようにユニオンが動き出した。と、言ってもユニオンは東西に広い。しかも、決して一枚岩ではない。今まではニゴ帝国に西部だけではなく全体がやられるという危機感があったが、現状、今までやられていた西部が反撃姿勢を強めているが東部はこれ以上の出費はしたくないようで、そこまで協力的ではない。



 ファエズ傭兵団の拠点に着いた僕はミヒャエルのおかげもあってあっさりと団長室へ。そこには団長と思われる人族のダンディなおじさんと団員と思われる3人がいた。



「何者だ!?」

「暗殺の報復に来ました」

「なんだと!?…ネズミ?」



 僕と団長のやりとりの最中、ミヒャエルは体長30cmほどのネズミのモンスターを4体召喚した。もちろんただのネズミのモンスターではない。

 そのネズミに触れた団員3名がネズミと共に消える。



「何?どこへ行った?いや、貴様ら一体何をした!?」

「邪魔者に消えてもらっただけですよ。ご安心ください。彼らは私の研究所で一生“モルモット”として幸せな人生を送ることになりますから」

「ふざけるな!‥他の奴らはどうしている!?なぜ、出てこない?」

「他の人たちはすでに私の研究所へ移送済ですよ?」

「‥チッ。あれだけの人数をほとんど音も出さずに処理したのか」

「ええ。優秀な“ネズミ”たちですから。それよりも暗殺者たちが来て、機をうかがうために急に冷静になったようですが、悪手ですね」

「‥はぁ?どういう意味だ?」



 ミヒャエルがそう言った後、天井や壁、床に潜んでいた暗殺者たちと思われる人たちが急に苦しみ出し、ほどなく動かなくなる。天井からは赤い液体がポタポタと垂れ、壁や床には赤いシミができる。



「なんだ!?何をした!貴様ら!?」

「私たちが連れて来たネズミはワープラットもしくは転移鼠と言って、対象に触れると任意の場所へ転移させるだけで戦闘能力はほとんどないネズミなのですが、体内に凶悪な病原微生物を多数宿していまして。我々の周りは『浄化ウォッシュ』がかかっていますから大丈夫ですが、その対象外の方たちはこのようになるわけですね」



 ワープラットはこれでも僕のダンジョンの最下層付近にいるモンスターなので、戦闘能力がないのであれば、強力な特性とか特殊能力を持っていないと生存できない。

 普段は転移で逃げつつ、病気をまき散らし、病気にかかって死んだモンスターを食べているのだが、これを人間の街でやったらどうなるか?…完全な生物兵器です。大きな街であればあるほど簡単に落ちるだろう。そして、ミヒャエルが全部進めてくれるから、僕は完全な空気だね。別に良いけど。

 ちなみに、ワープラットの影響範囲はちょうどこの相手の屋敷内と同じくらいの範囲なのでワールハイトそのものへの影響はない。

 

 こうして団長も飛ばし、ファエズ傭兵団は一夜にして壊滅することになった。さて、これでユニオンというより、ブフラル、そして今回のことに気が付くだろうワ-ルハイトがどのように動くか。


次話からは学校再開です。


投稿時間はいつもより遅めの夜10時を予定しています。

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