119.トトークとのダンジョンバトル 3日目 ①
本格的な攻略にいけなかった‥。
ダンジョンバトル3日目
「そろそろ、相手のダンジョンの状態もわかってきたから、主力を少し出してみよう」
「主力?ああ、あの亜空間で待機済の部隊ね」
クナが言う待機済の部隊がいる亜空間とは、ダンジョンを出た場合、一旦ダンジョンマスターがいるような真っ白い空間、亜空間に出る。その亜空間から相手のダンジョンの入り口へ行くことになる。
主力は数が雑兵と比べ少ない。力は圧倒的だが、敵が準備万端、罠多数の中で待ち構えている中、ただ突っ込ませても最大限の効果を発揮することはないだろう。むしろ削られて目的達成が困難になるだけだろう。初見殺しの罠とか多数であろうし。
「あれ?向こうも増員してきたね」
「マスター、あれは、能力値が今までの部隊とは全然違います。敵主力部隊と思われます」
ゴブオウが報告してきた敵の増員、エルフ、ドワーフたちだが、通常のエルフやドワーフではなく、ハイエルフ、ハイドワーフという1つ進化した種族だった。その後ろには額に1本の角を生やした一つ目の巨人、サイクロプスが10体ほど侵入してきた。
「おー。こんなのがいたんだね」
「いやいや、余裕だけど、イオ、あれ結構強いよ?少なくともウチのじゃ相手にするの相当大変」
「あれ?クナのところにもハイエルフはいるでしょ?」
「いるけど、あんなに鍛えてないし、あの巨人を相手にするのはかなり厳しいよ」
巨人、サイクロプスは鑑定すると悪魔系になるらしい。見た目通りとにかく攻撃力が高いこと、打たれ強いことが最大の特徴のようだ。早さもそこそこなので見つかるとまず逃げられず、殴り殺されるだけであろう。どうやら強い個体ほど大きくなるようで、最低5mほど、大きいのは8mはありそうだ。相手はウチのダンジョンの西側の入り口から侵入してきているが、西が一番大きい入り口で通路も大きいため、このくらいの大きさであっても戦闘するのも問題ない。ウチのダンジョンにはいない初見のモンスターである。
「これなら、10階くらいまでは敵はいないだろうね」
「え!?何その余裕?まずいでしょ?あの巨人だけじゃなく、ハイエルフとかもいるし」
「巨人より、そのハイエルフとかの方が厄介かもね。10階以降でこっちのモンスター層もまた変わるから見てみよう。それよりこっちも主力出すよ」
「「了解」」
今回用意した主力はドラゴン部隊。大量のDPを使用し、時間もかけて進化した個体たちを部隊として統率する個体がやっと出て来たので、今回使ってみる事にした。
フレイムドラゴン、アクアドラゴン、アースドラゴン、ウインドドラゴンの火水土風の4属性竜たち。下位の属性竜ではあるが、能力は高い。これに探索探知能力を持つフェアリードラゴンを加えた部隊。それらを操るのが騎士竜であるナイトドラゴン。
ナイトドラゴンは素の身体能力は属性竜に劣るが、剣や槍といった武器に鎧、盾といった装備品でその能力が大きく変わる。装備品はゴバ君たちドワーフが作ってくれた物を実験用として渡している。
だが、この部隊はただの露払い。本命はこの上位、龍である。本来属性竜が100年ほど生きると古竜となり、龍となる。100年など待てないので、僕の場合は大量のDPを使うことで時短をした。
やり方を簡単に解説すると、下位の属性竜をダンジョン守護者、つまりエリアボスにして、DPを使い能力強化、『眷属進化』にて龍へと進化。その龍を召喚陣をつかって呼び出すという流れだが、とにかくDP消費が激しすぎた。
本当はさらにこの上位種がいるのだが、DP消費が大きすぎて作れなかった。なにせ1000年生きた竜が古龍と呼ばれる龍になるのだが、その進化させるための能力条件が厳しく、しかも、『眷属進化』でかかるDPも物凄かった。さらにこれを召喚陣で呼び出すのにも大量のDPがかかる。まだ僕の獲得DP量では手が出ない。
次回こそ本格的な攻略に