106.幕間のようなもの その2
皆のスキル紹介 その2です。
「次、ノフス!!」
「勘弁してくれ~!!僕が悪かった~!!」
ノフスと対峙するが、ノフスはすでに及び腰。
「はぁ~。全く、模擬戦とはいえきちんと気を張らないと、大けがするよ?ノフス。治すけど」
「気を張らなくても大けがする気が‥むしろ、まともにやらないと命の危険が‥」
これで少しはまともな体勢になったかな?ノフスのスキルは『狩人』。
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狩人
投てき武器、射撃武器の扱いに関するスキルの取得率UP、成長率UP
索敵範囲UP
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少し気弱なところがあるノフスらしいと言えばらしいスキルだ。距離を取ってのヒットアンドアウェイや遠距離からの狙撃などで威力を発揮する。弱点は‥
ボゴッ!!ベキッ!!!‥バタッ
「倒れているけど、ノフス、接近されたらアウトって、使えないからな。そういう時の手段を何か考えておけよ」
倒れて、ピクピクしているけど、意識はあるはずだ。
「次はルルか」
「‥私の弱点もノフスと同じでしょ?痛いのはイヤだから、あまりやりたくないんだけど‥」
「ああ、きちんと手加減するよ?あと、ルルに対してはきちんと魔法戦にするよ?」
ルルのスキルは『魔道・攻』。ルルは魔法使いの素質があり、その才能が開花した。
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魔道・攻
攻撃魔法系スキルの取得率UP、成長率UP
魔力UP、魔力成長率UP
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ルルの場合、回復魔法への適性がなく、補助魔法もあまり使えない代わりに攻撃魔法の威力はそこそこあり、ノフスが遠距離からの単体を対象にするのに対し、ルルは中・遠距離からの範囲攻撃で敵のせん滅を狙う役割だ。
「我、たうたう魔力を紅蓮の炎と化し、我の敵へと打つ球とせん。…ファイアボール!!」
ルルのファイアボールに対し、僕は
「ウオーターボール」
パンッ!
逆属性の、ルルの魔法をちょうど相殺するくらいの威力に抑えた魔法を放つ。
その後、ルルが放つ魔法を相殺、打ち消したりするとルルは魔力切れで意識が朦朧とするようになり、膝をつく。この世界では魔力(MP)が0になると気を失うため、魔力残量の把握も魔法使いには非常に大事なこととなる。
「イオずるい。なんで詠唱なしで魔法が使える?」
「僕のは『略詠唱』だから。『無詠唱』とは違う。だが、これでわかったろう?実践では詠唱などできないし、できても効率良く無効化されるだけだと」
詠唱なんて、実戦ではこれから何の魔法を使うか教えているようなものだ。対処も簡単だ。本当ならそもそも詠唱なんてさせてもらえないだろうけど。
「こんなの勝てるわけないよ」
と言ってそのまま地面に倒れるルル。よく周囲を見ると死屍累々といった有様。
「では、これから孤児院内選抜試験まで鍛えるから」
僕の宣言に答える者はいなかった。
次回から戻ります。




