101.代行たち
更新おくれました。すいません。
孤児院へと帰ってきたあと、院長たちとの話し合いで学校へ行ける子は予想通り、希望者の中の成績上位者から選ばれることになった。この場合の成績とは今までの学習の振り返り、いわゆるテストでの成績、運動能力、普段の生活態度を合わせたものとなった。
選抜方法が決まった後、僕の意識は久しぶりに本体へと戻ってきた。この間のダンジョンの状況やDPの貯まり具合の確認やホムンクルスの報告などをしなければいけないからだ。
僕が本体へ戻ると
「おかえりなさいませ」
メイド長のシャールさんが迎えてくれた。
「ただいま」
僕も返事を返す。そして
「この間ダンジョンで何か変わったことはある?」
「いえ、特にございません」
「わかった。後で、ゴブオウとガキン、ミヒャエルにも話を聞くよ」
ここでうちのダンジョンのダンジョンマスター代行たちを紹介しておこう。僕がダンジョンを留守にする間、一定の権限を持たせた代行たちでダンジョンを運営している。
ゴブオウ
小鬼族、中鬼族たちの王。ゴブリンキング。以前ダンジョンマスター戦で僕の代行をしたダンジョン将軍。担当はダンジョン内の戦力、個体数の調整などダンジョンの生態系に関わる部分を担当している。
「‥というわけで、上位種が生まれてはおりますが、生態系を崩すことはなく順調に運営をしております。報告書にも記載をしておりますので後ほどご覧いただければ」
「わかった。ありがとう」
「では、失礼いたします」
ガキン
大鬼族をまとめるオーガキング。ゴブオウがダンジョン全体の総括をしているが、ダンジョン内の深部はこのガキンが担当している。ダンジョン深部はダンジョンが成長している部分であり、強力なモンスターや特殊地形があるところで、その分変化が激しいため、ゴブオウ1人では管理が大変だということで担当とした。モンスターの格としてはゴブリンキングよりも上と見られているが、僕としては種族的な特性が違いすぎるため、完全な別種族として扱っている。そのためゴブオウと同格の扱いをしている。特性の違いはここでは割愛させていただく。今度どこかで出るでしょう。
「‥というわけですな。ここの管理は専属を付けて正解ですな。流石イオ様です。今までのことは報告書に記載してありますので、ご参照ください」
「わかった。ここは、人間はほぼ来れないだろうけど、ダンジョンバトルでは主戦場になる可能性が高いから、このまま管理よろしく」
ミヒャエル
マスターを除くエルフたちの最上位種であるエンシェントエルフの青年男性。魔法や魔道具などを主に研究している僕の研究所の所長。ホムンクルスを作ったのがこの研究所と研究チームだ。魔力に秀でているが腕力は他のモンスターと比べると大したことはないが、それはモンスターと比較しての話。通常の人間の中では十分怪力の部類に入る。実際、次元魔法での『転移』が使えることもあり、研究目的で人間の街や村に行き、ちょっかいを色々魔法なしで撃退している。
「ホムンクルスはどうですかね?」
「色々改善点が見つかったよ。後で報告書出すから、会議だね」
「まあ、それが臨床実験の目的の1つですからね。それより、見ていましたけど、今後あの孤児院の周りの子たち面白いことになりそうですね。許されるなら色々と実験したいくらいですよ」
「やったら、殺すぞ」
こいつは人体実験など苦にしない、いわゆるマッドサイエンティストなので、釘さしておかないと本当にやるからね。
次話はこのミヒャエルさんたちとの会議などです。