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Armor Knight  作者: 夢暮 求
第六章 -Together-
251/645

-Prologue-

///


 光と陰、どちらで生きたいか。答えは簡単だ。誰もが陰を嫌う。陰を好む者なんて、一部の変わり者か、犯罪者だ。誰だって光を浴びていたい。


 だってそうだろう? 光はあまりにも眩しいけれど、陰の中に居れば否定され、見下され、価値観の相違というだけで見放されてしまう。けれど光さえ浴びれば途端に賞賛の嵐だ。だから光を浴びたその世界から、再び陰の中に戻りたくはないから、過剰であっても過大であっても、人は光を浴び続けたがる。人生もまた、そうだ。光の下に出て来たのならば、陰になど入りたくはない。


 けれど、望まず陰に入ったならば? 望まず陰に入ることが決められてしまったならば? それは果たして、自分自身に責任があるのだろうか?


 分からない、分からない……分からない。陰でコソコソとやって来たわけじゃない。羽目を外したことはあれど、それでも陰に身を落とすほどの悪いことをしたとは思わない。武勇伝のように語るような、馬鹿な軽犯罪履歴が自身の人生に含まれてなんていやしない。


 なのに俺は、どうしてここに居る? どうして未だに、陰の中に居る?


 どうして彼女は、光から陰に落ちた?


 分からない、分からない。


 それでも、俺がこの陰の中で精一杯、生きているのは非常に簡単な答えだ。


 全てを捧げても構わないと、思ったのだ。俺の人生なんてないがしろにしてでも、なにを放り出してでも、この身全てを削り切っても構わないと思ったのだ。


 奉仕ではない。これは責任だ。こうなってしまったことに対する、俺が出来る精一杯の、責任の取り方だ。


 初めて会った時から、どれほどの月日が経っただろうか。あの時はまだ、眩しかった。世界の全てがキラキラと煌めいていた。


 だが、今はどうだ?


 俺はなにを思っている? なにに怯えている? なにを不安がっている?


 何故、俺は俺の明日を、明後日を、一週間を、来月を、半年を、一年を、未来を、怖れている?


 あの日からずっと、ずっとずっとずっと怖れている。なにかをずっと怖れている。それは思い浮かべることさえ怖いもので、俺はきっと自分で自分の脳に、その恐怖をシャットアウトするように無意識に命令しているのだ。だから、なにに怖れているのかが分からない。


 気でも狂ったか? いや、気はもう既に狂っていたのかも知れない。気付いていなかっただけで、俺はあの日から狂っていたのだろう。


「お前にこの苦しみが分かるか、啓二?」

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