4 小屋の外を確認してみよ〜
ドアを開ると同時に、朝の山の匂いを鼻に感じられた。まだ夜明けらしく、空気も凛としており、若干肌寒い。ただ、息が白くなるほどでは無い。
小屋の周りは、草が生い茂っており、中には紫色の花を咲かす物もある。
鑑定した結果、ほとんどは雑草だったが、紫色の花がついてる草は、
夜露草
回復薬の材料になる。自生しており、繁殖力も強く、抜いても抜いてもスクスク別の所からすぐ生えてくる。
レア度 1
あ、これが夜露草か。とりあえず数本抜いて、アイテムポーチの中に入れておく。入れても重さも変わる事なく、本当に便利だ。ちなみに私のいた小屋を鑑定した所、ただの小屋と出た。まぁそりゃそうだよね。
水については、精霊魔法で出すことが出来るからいいとして、問題は食べ物だね。
山の中を散策して、食べれそうな物を、片っ端から鑑定をかけていく。
ポンポン茸
小さい割にお腹にたまり、商人や冒険者には役立つが、栄養価が殆ど無く、味も無い。
レア度 0
ピクルの実
鮮やかな赤色の実。とてもいい香りがするが、実自体はとても食べれる味で無い。ただし、毒消し作用があるので毒消し薬の材料になる。
レア度 1
など、あまり食用に向く物は無い。
それでも2時間ばかり歩いていると、徐々にだが食べれる物も見つかる。
満腹豆
一房3個入りで、成長した物は一つ一つが拳大な大きさなので、食べ応えバッチリ。栄養価も高い。
レア度 1
主食になりそうなので、しっかり場所を覚え、2房ばかりもぎ、ポーチにしまう。
あとは幾つかの果物をポーチに入れ、丸太小屋に戻る途中、 初めての魔物に会う。子供くらいの大きさがあり、頭には立派な角が1本生えてる、赤いウサギみたいな魔物だ。
相手をチラ見を発動すると、チラ見程度の情報がわかった
一角うさぎ
桜より弱い
スキル 突進
肉がうまい
ふむ、肉がうまくて私よりも弱いのか。
ふぅ〜倒すしかないな!
そんな事を考えていると、一角うさぎはもうすでに臨戦態勢に入っていた。
身を低くし、後脚に力を貯めてる感じが伝わってくる。私も精霊魔道で応戦する。流石にいきなり、素手で生き物を殺すのは躊躇いがある。頭の中には、精霊魔道の知識が湧いてくる。これがあるおかげで、本当に魔法辞典が必要なのかわからなくなるが、それはそれだ。
精霊魔道の基本は精霊にお願いする事が基本だ。微量の魔力と引き換えに、周りにいる精霊に呼びかける。風の精霊が多いなぁ。
「風の精霊さん。魔力をあげますので、あのウサギさんをやっつけてください!」
と、お願いが終わると同時に、一陣の風が私の横を通り抜けたと思ったら、一角うさぎの首が宙に舞った。
え、あっけなさすぎてびっくりだ。こんなに精霊魔道とは強いんだ。とりあえず食べるために殺したのだから、水の精霊に頼み血抜きを完了する。ふと、鑑定すると今度はアイテム鑑定の方が発動した。魔物は死ぬとアイテムになるんだね。
一角うさぎの死体
一角うさぎが死んだ物。素材は毛皮、角、耳と魔石が使える。また、肉は淡白だが平民から貴族まで幅広く食べられている。
レア度 2
ほほぉ〜解体か。やった事ないけどどっちにしても、小屋まで運ばなきゃいけないなぁ。ん?これってアイテムなら、アイテムポーチにはいるかもと思い、アイテムポーチを近づけいれようとしたら、すんなり入ってくれた。いやぁ〜ファンタジー様様だね。