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時代遅れの女神様からの贈り物  作者: 白ヤギ
厄災を呼ぶ者
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39 マメリコルの不安

あの事件があった後、私の人生は、幸福に満ちていた。左足が動くようになったら、私の心の中心にあった憎しみは、少しずつ消えていった。いい事か悪い事かは分からないが、私も、幸せな人生を歩んでもいいと言われた。


さく姉と暮らし、最初は私の方に戸惑いや遠慮、後ろめたさがあったけど、過剰なスキンシップで、怒らす事で、距離を縮めていった。過剰なスキンシップは、わざとだよね?


その後は、簡単な依頼や、私の試験などをして、本当に平凡だけど幸せな日々だった。お金は、怪しい変な露天商のお爺ちゃんから、卵型の石を全財産だして、購入したりしたけど、貧しいわけでもなく、スラムにいた頃の私からしたら、贅沢な日々だった。


だけど、この頃さく姉の、様子がおかしい。あんなに上手だった、魔法を失敗したり、夜、少しうなされている。夜、うなされていると時は、左手が、少し光ってる気がする。何度も、声かけたり、叩いても起きる事はなく、なんか変だ。本当に大丈夫か心配だ。


そんな生活をしばらくしていたら、さく姉も、ようやくお金がピンチなのを自覚したみたい。作った装備品を販売する事を提案した。その話も、トントン拍子で進み、販売まですんなり決まった。なんでも、いい方向に進んでいるのに、やっぱり不安は消えない。


ドアを開けると、さく姉は、夕日を見ていた。横顔は、とても綺麗だけど、何処か哀しく、遠くに行っちゃいそうな気がした。


私は左手を取り、おかしくないか、何度も確認した。時に変なところは無い。さく姉は、不思議そうな目で私を見てる。

さく姉に、いなくならない?と聞いたら、いなくなるわけない。と優しく答えてくれた。


なのに私の、不安は消えない。その日、初めて手をつないで家まで帰る。私に本当のお姉ちゃんが出来たみたいだ。さく姉は、いつもみたいに、茶化す事もせず、頭を撫でながら、大丈夫だよって、言ってくれる。それでも私は、不安で泣きそうで、俯いてしまう。


それから、1ヶ月、やっぱりおかしい。装備品を作る為の、素材を取りに行って、魔法を使う時も、度々発動しなくたり、ものすごい強い魔法になったりとやっぱり変だ。魔法を使うと、髪の毛の色が、綺麗な金色から、黒色になってる気がする。最初は気のせいかと、思っていたけど、今はハッキリと黒色に変化している。夜うなされている時の、左手には、紅い変な紋章みたいなのが浮かんでいたりする。なんでこんなに不安に成るんだろう。さく姉に聞いても、大丈夫、気のせいじゃないというが、本当にそうなんだろうか。


最近、街の方も、なんだか騒がしい。見慣れない人をみたり、『銀狼の絆』と、『正義の盾』の、マレポの町の、2大パーティーも、見かける。

ニコルさんも最近見ないし、本当に怖い。幸せな日々は、続くんだよね?

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