38 幸せな日々
誤字脱字が多すぎた為に読み直して、とりあえずは1章2章の修正をしました。
また、桜の性格について、補足修正致しました。あまりにも桜の心の中の言動に、思いやりがかけてるように見えてしまうので、少しフォローの一文を入れておきました。特別ストーリーが変わる事はないですので、読み直さなくても大丈夫です。
読んでくださった方には、ご迷惑をおかけいたしました。今後も読んでくださると大変嬉しいです。
私達が部屋で待っていると、暫くして、おでこに大きな絆創膏を貼ったニコルさんが来た。
「桜ちゃんが来ると、必ず厄介事になるわね。」
「おデコの傷は、自業自得じゃないですか!それよりも話を聞いてくださいよ。」
私達は、というか主に豆ちゃんが、ニコルさんに、今お金が無く困っていて、その解決の為、私が作った装備品を売る為に、信用出来る商人を紹介してくださいと、説明してた。いやぁ、豆ちゃん、商人の家で産まれたと言ってたけど、こんなにしっかり話出来るなんて、感動ものだね。
「それが、作ったら鎧?へぇ確かに凄いわね。桜ちゃんの、作るもの関しては問題無いなら、あとは売る人って事ね。いない事はいないけど…… ちょっと変わり者よ?でも、商人としての、腕は確かだも思うわ。」
「どうする、豆ちゃん。」
「そうですねぇ、会ってみないと始まらないので、一度会って話してみたいですが、場所とかはどうしましょ?」
「それなら問題無いわ。あそこのお店、いつも閑古鳥鳴いてるから、今から行ってみたら?手紙書いてくるから、それを渡せばいいと思う。」
「分かりました。」
「じゃあ、ちょっと待ってて、手紙書いてくるから。」
流石ニコルさん。無駄に広い顔と、見かけによらず仕事も出来るんだよね。なんで、いつも暇してるのか分からない。
手紙をもらい、場所を教えてもらい、一度宿に戻り、作ってあった武具防具取りに戻り、そのお店に向かう。ニコルさんの話では、変な研究ばっかしながら、訳のわからない物を売ってるみたい。そんな所で、ちゃんと売れるのかなと心配して、豆ちゃんに聞いたら、逆に胡散臭いお店のが良いかもですねと、返ってきた。ふむ、そんなもんかねぇ。あ、あそこに見えてる、古いお店がそうだね。なんか、屋根傾いてない?大丈夫かなぁ。ドアを開けて、
「ごめんくださーい。」
「すいませーん。」
私や豆ちゃんが、呼んでも返事が返ってくる気配が無い。お店の中は、ニコルさんが言った通り、変な物ばかりだ。まさにガラクタ。
「あ、お客さんですか?何かお探しで?」
後ろから急に声を掛けられ、ビックリする私達。
「あの、ギルドのニコルさんからの、紹介でこのお店まで来たのですが、カールさんですか?さく姉、手紙。」
「あ、うん。これがその手紙です。」
「へぇ〜あのニコルさんが?読むからちょっと待ってて。適当に座って待っててよ。」
適当に座れと言われても、座る所が無い。豆ちゃんと2人目を合わせ苦笑い。
「なるほどなるほど、僕と商売がしたいわけね。僕はこう見えても、貴族の家に生まれた、道楽息子でね、そんなにお金に困って無いんだけどなぁ…… あ、そだ。この木の剣、鉄の剣、金の剣どれが一番貴重な物かわかる?」
アイテム鑑定によると、あの木の剣レア度Aだ。なんか、霊木で出来てるみたい。金や鉄のは見たままの価値かぁ。なんか試されてるのって腹立つなぁ。豆ちゃんは、真剣に考えてみてるみたい。
「えーと、やっぱりこの金の剣ですか?」
「ぶー不正解。僕はねぇ、本物の価値がわかる人と商売したいから、悪いけど帰って。」
ふーむ、やっぱりだ!私の豆ちゃんを、悲しませる事しやがって!
「ちょっと、その金の剣見せてもらいます?本当に価値ないのかなぁ?」
私は金の剣を手に取り、アイテムボックスから、適当に選んだ、水の銅貨と魔力を、剣に定着させる。
「カールさん、私達も本物がわかる人と取引したいので、もう一度だけこの剣を見てください。」
ニコニコ顔でカールさんに剣を渡す。豆ちゃんは、心配そうにこっちを見ているが、多分大丈夫だろう。しばらく、カールさんは胡散臭そうに、剣を見てたが、突然気がつき、
「な、何をしたんだ!今!僕が研究してる、古代の技術を、君は甦らしたのか!」
「ねぇ、本当にその、木の剣のが価値があるの?私には、その金の剣のが価値が高いと思うんだけど。」
「そ、それは、き、君が何かしたからだろ!」
「それで?まあいいですよ。では、今回は縁がなかったという事ですね。帰るよ、豆ちゃん。」
「ちょっと待ってくれよ!き、君の魔法、もう一度見せてくれないか?」
「帰ってと言われたので、帰りますよ。でわ。」
「このとおりだ。謝る。君達を試すような事をしたり、失礼な物言い、本当に済まなかった。」
へぇ〜貴族ってプライド高いと思ってたのに、ちゃんと謝るんだ。豆ちゃんの方を見ると、コクリと頷いて、
「別に良いですよ、私達の商品はこれです。取り分は、こっちが6そちらが4のつもりですが、いかがでしょうか?あと、この装備品の出処は、人には教えないのが条件です。」
「なんとそれは、アイテムボックスか!さらにこの鎧!しかもこのカエルの絵!素晴らしいっ!」
私のカエルの絵、本物がわかる男には、分かるんだね。流石!カールさんは、ひとしきり興奮した後、販売してくれる事になり、その後、夕日になるまで、売値の値段について、念密に話し合ってた。そこは全て、豆ちゃんに任した。お店を出た時、とても大きな夕日が見えた。急に豆ちゃんが、私の左手を、手に取りマジマジと見たり、突いたりして、不安そうに
「さく姉は、いなくならないよね?なんか変な事無い?」
「いなくならないよ。こんな幸せなんだし、ずっと続くよ!」
と、話していたのを今でも思い出す。ずっと平凡だけど幸せな日々がずっと続くと、思ってたのに。この時から1ヶ月後、こんな事になるなんて。もしこの時、何か行動してたら違ったのかなぁ?




