36 回復薬の謎
「おはよ~。」
「ふぁ~おはようございます。」
豆ちゃんは意外と朝が弱い。もぉ、ムニムニしちゃおう、きっとわざとだよね☆
「ちょ、さく姉、変なところさわらないで///」
「変なところじゃあ分かんない?どこか言わなきゃやめなーい。」
「もぉ!おへそですよ!」
「ちぇ。はーい、お口あーん。」
「あーん。」
『ミニクリーン』
虫歯になったら大変だからね!あとはエチケット!このミニクリーンはほんと不思議。私が歯磨き粉のあのミントの味を想像したら、お口がスッキリしたあとミント味が残る。本当に歯磨きしたみたいだ。
「じゃあどうしよううか?」
「あ。さく姉のモンスターテイムを試す?」
「う~ん、さすがに宿屋に魔物はまずい気がする。」
「確かにそうですね。」
「じゃあ、家を買っちゃう?お金ないけど。」
「お金ないのは、さく姉のせいでしょ!もぉ、あんな変な玉に全財産使うなんてびっくりですよ!」
「いやぁ///」
「もぉ褒めてないです!」
「でもあれ、アイテム鑑定したら、アイテム名『神の涙』だよ。使用用途はまさかの不明だったけど、レア度もすごかったし。だからお金は元商人の娘の力を見せてね!」
「もぉ、知らない。」
神の涙
使用用途不明
レア度 10 【SSS】
これを、変な怪しいおじいちゃんから買った。お金をほぼ全部使った事をたまに豆ちゃんが言うが、ほんとに怒っているわけじゃないみたい。でも、ほんとうにお金どうしよう。
「あの~さく姉さえ良ければ、お姉ちゃんの作ったアイテム売ります?」
「え!お姉ちゃん?もう1回言って!!」
「え…… いや…… 言ってないです。」
「きゃー可愛い。ほっぺグリグリ。」
「もぉ離れて~。ちゃんと話聞いて!」
「ごめんごめん、でも前豆ちゃんが、私が作った物、あんまり人前で見せちゃダメって、言ってたじゃん。」
「まぁ、そうですけど、だから売り方を考えたらいいんじゃないですか。例えば少ない数なら、迷宮で手に入ったと言ってギルドに売ればいいと思います。あとは…… さく姉が言うには、イメージで魔法を作るんですよね?」
「うん、まぁ、魔術だけど、さっきやったミニクリーンとかがそうね。豆ちゃんを治した奴や、キュクロプスを倒したときに使った魔法は、ちょっと違うけど。」
「はい、そっちの魔法はいいです。そのアイテムの魔法を使うときに、効果を低めにするイメージをしたらいいんじゃないですか?それでも普通に販売しているものよりは多分めちゃくちゃ強いと思います。」
「ほむ、それをもし作れたら売るわけね。」
「はい!そうです。」
「私と豆ちゃんで売る?」
「そーですね…… まぁお金が無いので商店とかを借りるとかは無理なので…… 一番いいのは、ニコルさんのコネを使って、販売を一任するのが、今は一番かもですね。」
う~ん、ニコルさんかぁ、あの人に借りを作るのはなぁ…… でも、あの人私の事、バレてるかもでだしね。
「そぉねえ。とりあえずまず、ちょっと作ってみるね。」
夜露草は、沢山持ってるしね。鍋に魔力水と夜露草を入れる。イメージするのは、どーだろ。どんくらいの回復量だ?
骨折が治るくらいを、回復薬A
切り傷程度が治るのを、 回復薬B
とりあえず、50本づつ作成する。
ふぅ~頑張って作ったね!褒めてもらお。
「いや、さく姉、当然わかってると思いますけど、回復薬はダメですよ。その薬の効果は、異常過ぎます。」
「ほむ…… じゃあ、武器と防具?」
「それでお願いします。」
ふむ、この世界って、普通のファンタジーだとある、回復薬が少ないんだよね。迷宮で稀に手に入ることがあるみたいだけど、それでも数が全然少ない。さっき私が作った回復薬Bですら、金貨1枚以上だ。
人工的に作れるのは、アレンも言っていたけど、神聖魔法を使用するらしい。神聖魔法や光魔法を持っている者は、ほぼ教会が独占してるみたいだ。でも一体なんでだろ?この世界には、アポネシア様がいなくなって、その代わりに、沢山の神様がスキルを与えてるみたいだけど…… もっと回復する方法が沢山あれば、死ぬ人が劇的に減ると思うんだけどなぁ。なんで、こんなにスキルが偏ってるかも分からない。教会が独占してるのは、お金のため?なんか地球でもダイヤモンドで、わざと変なことしてるって聞いたことがある!
とりあえず、貯まっている素材で作ろう。




