33 ツンデレなのかなぁ?
豆ちゃんの性格が、変わってて不自然に思うかもですが、次の話で少しだけ説明します。
2人になったら、ポリス達がいたとき賑やかだった分、余計に沈黙が痛々しいね。
「セうぷのメル?」
あ…… 激しく噛んだ。
「コホン、スープ飲める?」
「はい、飲めます・・・・・・・・・あ、おいしい…… 」
「ね!ここのお店の料理は美味しいんだよ!クマの寝ぐらていうから、蜂蜜がたくさんあると思ったら、どうやらクマて、さっきいたここの女将さんの、マリアさんみたいなの。」
「・・・。」
暗いねぇ~。はぁ~。この世界に来て溜息が癖になっちゃうね。
本庄桜の溜息、だね。
スープを一口飲んだら、大切そうに両手でもって、ふとももの上に置いて、スープをじっと見てる。しばらくしたら、何か決意をしたよう目で、私の方を初めて真っ直ぐを見た。
あれ?今初めて目が合ってる?あぁ、思えばいつも横むいたり下向いたりしてたもんね。
「あの、桜さん。私こんなおいしいスープ初めて飲めました。でも今日が最後です。明日からは、またあのスラムの街で暮らすんです。スープだってほとんどただの水に飲んの少しの塩が入ってるだけのようなものです。こんな美味しいもの食べたら…… もぉ、あそこに戻れないじゃないですか。」
「え?戻らなければいいじゃん。」
「は、え、あ、そ、そんなに簡単に言わないでください!」
「えーと、私あんまり常識ないみたいだから根本的なこと聞くけど、スラムに住む理由てなに?」
「はぁ!今そんなことないでしょう!」
「きゃー、豆ちゃんが怒ってるぅ~。こわーい☆」
「ふっふざけてる場合ですか!なんなんですか!」
「ごめんごめん、でもほんとに知らないから教えてよ。」
「そんなの!…… そんなのあそこで住むしかないからですよ。もし私達が、中層街で寝泊まりしてたら、兵士や警備の人に捕まり、呪いの紋を顔に入れられ、もう2度と街には入れなくなって、無理に入ったら紋が締まり最悪死んじゃいますね。それでもまだいいほうです、最悪は奴隷商に売り飛ばされたり、面白半分に殺されたりするんですよ。だからスラムで、生きていくしか無いんです!」
あ~なるほど!だからこの街って、門番とかいないんだね。気になってたんだよねぇ~普通門番とかいて、仲良くなるイベントとかあるもんね。また詳しくニコルさんにでも聞いてみよっと。
て!そんなことよりも今は豆ちゃんの事よね。何か言ってることがよくわかんないなぁ~。
「えーと豆ちゃん、1つ聞くけど、私と出会ってから、一緒に行ってもらってる報酬、半分に分けてるよね?それで私はここで暮らせてるのに、もしかして豆ちゃんて…… 浪費家なの?」
「さ、桜さんと一緒にしないでくださいよ!しっかりお金貯めてますよ…… いつ桜さんがいなくなってもいいように。」
ん~言いたいことは2つ、私って、浪費家なの?アイテムや武器とかに基本お金使わないから、買い食い少ししてるだけだよ?あとは…… 私がいなくなるっていうよりも豆ちゃんよね?居なくなるのって。まぁ、この世界だと、いつ死んでしまうとかはあるかもだけど。それについては…… そこまでは約束できないけど。
「私はいなくならないよ?豆ちゃんが何を怖がってるかわからないけど、これからも一緒に依頼を受けたり冒険したりしようよ。」
「わ、私は桜さんを最初カモにしようとしてたんですよ!それなのに!それなのに
「う~ん、別に私も善人じゃないから、例えば、豆ちゃんに渡したアイテムポーチを売ったりしても、私にとって別に大したことなかったから渡したんだよ?それに豆ちゃんのスキルを見て、近づいたんだからお互い様でしょ?」
「他にもいっぱい、心の中では悪いこと思ってたんですよ!」
「ひどーい、でもさぁ、別に豆ちゃんが私を利用しようと思ったように、私も豆ちゃんを利用しようと思ったんだから、お互い様じゃないかなぁ?私の最高の絵が入った服、守ったのも私を利用しようと思ったからなの?随分豆ちゃんらしくない事するのね?」
「服の時は…… べ、別になんだっていいじゃないですか。」
「ぷ、私の故郷では、ツンデレていうんだよ。私だって豆ちゃんのこと、全部は信用してないからすんごい秘密あるんだよ。それに豆ちゃん、私になんかした?」
「まぁ、何も出来なかったですけど、それは桜さんが強かったからです!ただの貴族様なら、あんなことやこんなことしてたんですから!」
「ねえ豆ちゃん、豆ちゃんてスラムにいるのに、字もかけるし計算もできるんだから、いろいろ役に立つと思うの。だから正式にパーティーを組んで欲しいなぁ~。ダメかな?」
「は、話を聞いてたのですか?ひどいことをしようと思ってたんですよ!」
「思ってたてことは、もう思ってないんでしょ?じゃあいいじゃん。豆ちゃんは私のこと嫌い?」
「き…… 嫌いなわけないじゃないですか!でも、今回も私が迷惑かけたし…… 」
もぉ!じれったい子だなぁ。子供なんだから、ありがと~桜お姉ちゃん、大好き~て、来たら終わりじゃね?あ!ふふふ、一石二鳥思いついた。
「まぁ、確かに、今回のはえらい迷惑なことだったね!しかも最初そんなふうに思ってたなんてひどい!豆ちゃんに頼みがあるんだけど、出来ないならもぉパーティー解消ね!」
「はぃ、なんでも出来ることならやります。無理なら…… 」
あれれ、泣きそうになってる。涙堪えてる顔も、かわいいね~いじめたくなっちゃうね。
「じゃあ言うよ、今後私の事は桜さん禁止です!さく・さくちゃん・さく姉、さぁ!どれがいいの!」
「そ、そんなことでいいんですか?じゃあ…… さく姉で。その、そんな事するだけで、ほんとに一緒のパ-ティーになってもらえるんですか?」
「もちろんそれだけじゃあ、まだ無理ね!」
「やっぱり…… そうですよね。」
また泣きそうになってる。あぁ、癖になっちゃう☆でもいつの間にか、最初は私から豆ちゃんに頼んでたのに、今は逆に豆ちゃんが私にパーティーになってて、頼んでるね。最初から素直になればいいのに。
「今度のはすごい厳しいよ!もぉ私と一緒以外でスラム街に行っちゃダメです!豆ちゃんは危なっかしいから私と一緒にくらしなさい!」
「ふぇ?ほんとにそれでいいんですか?わ、私は幸せになってもいいんですか?」
「当たり前じゃないか!」
私が豆ちゃんにそういうと、豆ちゃんがわんわん大泣きしたので、泣き止むまで、異世界で初めて出来た仲間…… 否!妹を抱きしめた。




