31 食いしん坊じゃないよ!
長くなってしまったので2つに分けます。
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あれから2日、豆ちゃんは、光の繭からまだ出てきてない。ホントに大丈夫なのかな?
私は、ギルドに行ったり、食べ物を買ってアイテムボックスに補充したりしてたけど、結局心配ですぐ宿に戻ってくる。変わったことといったら私のランクがCランクになったことだ。
もともともうすぐ上がるところだったみたいで、犯罪者を捕まえたことで、最終的にワンランクアップした。あと豆ちゃんも、私との一緒に依頼をしていたから、Dランク試験を受ける資格を会得したみたいだ。コンビで活動してる冒険者は、相棒がCランク以上、片割れが Eランクの場合は、試験官と受験者の関係が認められるみたいで、2人で試験を受けてもいいらしい。ただその場合は、本来の試験よりも難易度が上がるみたいだけど。
一緒に受けるかは豆ちゃん次第だけど、きっと一緒にうけるよね!なぜなら豆ちゃんはもう仲間、否!!私の妹だよね!ふふふ、あんな可愛い妹がいたら、毎日お風呂入れてあげちゃおっかな♪怒るかなぁ~。
宿に戻ると、繭がまるで鼓動するかのように、光が点滅している。
おや?これはもうすぐ出てくるってことかな?本当に治っているのかな。心配だ
だんだん繭の存在が薄れていく。あ、そっか。パッカて割るかと思っていたけど、元々は私の魔力なんだから、ほりゃ役目が終えたら、普通に霧散するよね。繭が完全に消えたあと残ったのは、なななななななななんと!素っ裸の豆ちゃんじゃありませんか!わわわ私は同性愛の趣味はないけど、ドキドキしちゃった☆彡
ふぅ~落ち着いてから、心配していた脚を見てみると、しっかりとした足があった。ただ気になるのは、右足首を一周くるりと、刺青みたいなのが入ってる。わずかに私の魔力が感じられるんだけど、あれなんだろ。まぁわかんないけど足はちゃんとある。一安心だ。あと体の痣や傷も消えたみたい。とりあえず、毛布をかぶせて、眠りから覚めるまで待つ。てっきりすぐ起きるのかなって思ったら、そこからまる1日、目は覚めなかった。宿屋の息子さん、ポリス君が心配してご飯を部屋まで持ってきてくれるので、大変助かる。お礼に、食堂になっている1階を、『クリーンサークル』をかけて、ピカピカにしたら、ものすごく驚かれたけど、すごい感謝された。それ以来、なんかオカズが増えた気がして、うれしい。
ちなみにお母さんは。マリアさん、お父さんはロンダさんていうみたい。
そんな感じで、豆ちゃんの前で、ご飯をパクパク食べていると、豆ちゃんが目を覚ました、というか、私がご飯を夢中で食べている間に目を覚ましてたみたいで、私の方をジト目で見ている。
ありゃ、もしかしてご飯を食べるのに夢中な食いしん坊だと思われたか!
「違うの豆ちゃん、ず~っと見てたんだよ!たまたま宿屋のポリス君がご飯を持ってきたから、今だけ食べてたの!、ほんとだよ。」
「ぷ、桜さんはいつも通りですね。ところでここは?」
「私の泊まっている『クマの寝どこ』ていう宿屋だよ。」
「!いけないです、私みたいなスラムの子供を泊めたら、宿屋に怒られます!」
そう言うと、慌ててベッドから立ち上がろうとして、まだしっかり回復していないのか、転んでしまった。
う~ん、普通そんなことをまず気にする?確かにスラムでの暮らしなら、いろいろあるんだと思う。当たり前だけど、中級街のお店から、物を売ってもらえなかったり、追い出されたこともあるんだと思う。だけど、そんなことよりも、自分の体を心配しないかな?あんな死ぬような目にあったのに、確かに私は豆ちゃんの過去を全く知らないから、無責任のこと言えないけど…… いや!ここはお姉さんの責任として、ビシッと言わなきゃね!ニコルさんが私に言うお姉様とは違うやつだから!こっちは真面目な奴だから!
「豆ちゃん、まずはそんなことよりも自分の体を心配したら?」
「で、でもスラムの
「あのね!私だって、豆ちゃんの体の事心配なんだから。私の魔法が、豆ちゃんの体に変な副作用ないのかも気になるし。」
豆ちゃんの言葉を遮り、強めの言葉で言ってしまう。豆ちゃんだって、何日も眠ってて理解してないかもだけど、つい感情的になってしまう。豆ちゃんは、ぽかんと惚けていたが、ハット気がつき、自分の右脚を確認している。泣きながら、何度も何度も膝から下をさすっている。しばらくして泣き止んでから、慌てて、私に負い目を感じるような目で
「あ、あの、ありがとうございます。これでまだ生きていけれます。その、あの、お金はそのあまり持っていないのですが、少しづつでも返していきますので…… 」
不安そうにまた下を向いちゃう豆ちゃん。
え…… ?何を言ってるの?お金?治療費て事?う~んこの世界では当たり前のことかもしれないけど、少し悲しくなるね。もっと信用して欲しいものだよ。確かに出会って1ヶ月弱、そりゃ、豆ちゃんの人生には、いろいろ有ったんだろうけど、ならなおさら今後の人生は幸せに生きないといけないと思う。なんか、鼻奥がツーンてするなぁ。
「あのね、豆ちゃん、お金の事はいいよ。私が好きでやった事だし。装備や服も私が好きであげたことよ?もし豆ちゃんが、私といることが嫌だったり、冒険者をしたくないなら、無理して一緒にいなくてもいいし、冒険者もしなくていいと思うよ。装備や服も返さなくていいし。しかも、いくらあの服の絵がカッコ良くてお気に入りだからって、豆ちゃんが怪我するほうが、私は悲しいよ!あんな物の為に命をかけるなんて…… 死ぬところだったんだよ?
「あんな物じゃないです!!…… あ、いえ、そのごめんなさい…… 絵はかっこ悪いですけど…… 」
豆ちゃんが、私の気まぐれで作った服のために命をかけてくれた事がうれしい。しかも私が「あんな物」て言ったら、初めて大きい声で怒ってた。自分でも怒ったことに、驚いてまたモジモジしちゃたけど、なんか最後、絵はかっこ悪いて聞こえたのは、気のせいだよね。きっと長いこと寝てたから、口がうまく動かないのかも。




