24.5 マメリコルの誓い
豆ちゃんの過去編です。
基本本編は、桜の一人称で進みますので、ほかの人の内面を知らなくても、話がわからなくなることはないと思います。また、豆ちゃん言葉使いが荒んでるのも、本心だからということで><
私はマメリコル。12歳。今はスラムに住んでいる私だが、小さい頃は豊かな商人の家の産まれだ。ある時、父さんは商隊を組んで、大規模な取引のため王国へと向かった。お母さんと私も、旅行がてら連れていってくれることになり、とてもウキウキしていたことを覚えている。護衛にも、冒険者たちが付いてくれて、危険のない旅時になるはずだった。
しかし、周りを木に囲まれた、細い山道で私達は盗賊たちの襲われた。
なんと、最後尾の冒険者と、先頭にいる冒険者も私達を襲ってきたのだ。
盗賊と、半数くらいの冒険者は裏でつながっていたみたいだ。戦闘はもちろん劣勢、最初に父さんが殺され、そのあと母さんは私を逃がすために殺された。私が助かったのは、父さんや母さんのおかげもあるが、護衛の中にいた冒険者数名が、せめて私だけでもと、守ってくれた。
なんとか死にものぐるいで逃げ、私達は助かった。もちろん両親が殺されて、悲しかったが、それでも優しい冒険者に囲まれ私は幸せだった。どうやら私には、剥ぎ取りや採掘・採集の才能があるみたいで、いつしか冒険者たちの手伝いを、自然としていた。そのうち、索敵のスキルも覚え、10歳の時には、レンジャー・シーフの、2個のジョブに就けれるくらいまで、実力は上がっていった。
冒険者のリーダー『レオン』が、次の依頼が終わったら、私の装備を買ってくれて、ジョブも就こうと言ってくれた。
しかしそれが、私達の最後の依頼になった。
依頼内容は、オークの討伐。狩場に向かったら、オークが沢山いて、予想外に稼げることに、みんながはしゃいでた。私は嫌な予感がして、リーダーのレオンに何度も帰ろうと進言した。しかしリーダーはもちろんの事、他の仲間も私の話を聞くわけなんてない。そもそも私は、もともと一人前扱いではないのだから、聞いてくれないのも当たり前だ。
そして気が付けばもう手遅れの状況だった。私の索敵で調べるまでもなく、囲まれていた。そしてそれは、オークだけじゃなく、ハイオーク、オークソルジャー、オークナイト、そしてそれを束ねる王、オークキングまでいたのだ。私たちは必死で逃げた。
もし逃げ切れなくても、どうせ盗賊に襲われた時に死ぬはずだった私を、助けてくれた人達と一緒にいるのだ。死んでも本望、みんなと最後まで頑張ろう、そう思ってたとき、リーダーが私をつかんだ。そしてオークの群れに私を投げ込んだの。最後に聞こえた言葉は「すまん、時間を稼いでくれ。」何を言っているのか、全く理解できない私に、もちろんオークは遠慮なく襲いかかる。私の左足の骨は砕かれ、走れもしない私。後は死を待つだけだ。悔しい。なぜ1度人に騙されて、2度目も信じてしまったんだ。あきらめれない、あいつらを殺すまでわ。
私と、オークキングとの距離がなくなった時、オークキングは私の顔をまじまじと見てきた。どうせここで死ぬんだ、自分が死ぬのは怖くない、だけど裏切った冒険者、それを信じた私を許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!許せない!
あぁ、憎悪が自分を包んでいく。まだ殺さないのか!貴様は、オークキングを見上げたら、そこにはもう居なかった。ほかのオークもいなくなっていた。私はオークキングの気まぐれによって、また生かされたのだ。気がつけば大粒の雨が私をうち、血も涙も汗も、全部洗い流す、だけど私の憎悪の火は消せない!
それから私は、マレポの街に辿り着き、スラム街で身を潜めた。私のなんとも弱い切り札だが、絶対に取られてはいけないギルドカード、一度孤児になってしまったら、身請け人がいない以上取得できない。
私はあいつらを皆殺しにするために、何としても生きなくてはいけない。足がもう満足に動けない私に、レンジャーやシーフのジョブに就いても、デメリットだけだ。
それでも私は…… 今は力が無くてもいつか必ず……




