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時代遅れの女神様からの贈り物  作者: 白ヤギ
冒険者の町 マレポの町
25/51

24 洞窟の中に入ったよ~

東門でマメリコルちゃんと合流する。

豆ちゃんは、背中に背負子をしょって、ボロボロのピッケルや

「あ、ごめん待った?マメりコルちゃん、重そうな荷物ね。あ、マメリコルじゃあ長いから、豆ちゃんて呼んでもいい?私の事は、桜ちゃんでも桜姉ちゃんでも、サク姉でもなんでもいいよ!」

「あ、豆ちゃんで大丈夫ですよ、桜さん(・・・)。」

「むぅ、桜さんて…… まぁ別にいいけど、あ!豆ちゃん荷物重そうね?アイテムポーチあるけど入れる?」

「え!桜さんアイテムポーチ持ちなんですか?あ、でもいいです、自分の荷物は自分で持ちます。」


アイテムポーチくらいは言ってもいいよね。迷宮とかで取れるみたいだし。だけど、豆ちゃんに断られたなぁ。もしかしたら、人に荷物をあずけるの不安なのかなぁ?まぁポーチくらいなくされても、すぐ作れそうだから、ポーチをあずけよう。


「じゃあ豆ちゃんこれ渡すから、使って。」

「え?いいんですか?」

「いいよいいよ、使って使って♫」

「はぁ…… ありがとうございます。」


しぶしぶながら、アイテムポーチを手に取り、おそるおそる、ポーチに物を入れていた。

重さが変わらないのが不思議なのか、持ち上げたりブンブンふったりしてる。なんだかんだでこういう所は子供っぽくてかわいいね。


「ヒスリ洞窟はこっちなんで行きましょう。」

「あーい。」


いやぁ、脳筋バカのアレンと違い、やっぱり女の子はかわいいね。レズじゃないよ。可愛いモノが好きなだけだからね。少しづつでも、まめちゃんと仲良くなりたいね。しかし、豆ちゃんなんか左足をひきずっている感じがする。


「ところで、豆ちゃんのジョブは何?私は巫女。」

「あ、私は無職です。だから、採掘・採集がメインです。」

「そーなんだ、豆ちゃん剥ぎ取りも得意でしょ?剥ぎ取りはしないの?」

「…… なんで知ってるんです?」


え?なんて目をしてるの?歩を止めた、豆ちゃんは私の方をしっかり向き、私の一護一句を見逃さないように、私を見つめた。


「あ、ごめん。鑑定で見たの。気に障ったなら謝る。」

「あ、その赤い眼は、魔眼ですもんね。剥ぎ取りをするためには、ナイフが必要です。私達スラム出身には、普段の生活で食べるのも精一杯ですし、そんなもの持ってないです。」

「そーなんだ、じゃあこれあげる。豆ちゃんを怖がらせた、お詫びだと思って。」


私はそう言って、今朝作ったバシリスクのナイフを渡した。

豆ちゃんは、受け取ったあと一瞬戸惑ったが、大切そうにポーチにしまい込んだ。

手に持ったとき、僅かながら豆ちゃんの目に、魔力が宿るのを感じた。きっと冒険者の加護についてる、アイテム鑑定使ったのかな?あれでも、ジョブもなく、前、鑑定した時は、無かったと思ったけど、まぁ私の『相手をチラ見』だから、ちゃんと鑑定できなくてもしょうがないっか。足をひきずっていることや、ジョブがないことはとても聞ける雰囲気ではなかった。



微妙な空気が流れる中歩き続け、体感的には30分くらいで、ヒスリ洞窟についた。

そのまま、ヒスリ洞窟につき中に入ると、意外と明るい。光苔のおかげらしい。

しかし周りを見ると、豆ちゃん達位の子供たちが一所懸命掘っている。ピッケルを持っている子は数人で、スコップやただの鉄の棒、酷い子なんて、気の棒や手で掘っている子もいる。

「あんな小さい子も来てるんだね。道具はないのかな…… 」

「1階層には、魔物が出ないんです。なので私達スラムの子達が、通ったりしてますね。自分の食い扶持は自分で稼ぐしかないですから、桜さんみたいに、ポンと人にあげれる貴族様には分からないでしょうけど、ここの子にピッケルを配っても、キリないですよ。街にはまだたくさん子供もいるんですし、結局自分で勝ち抜くしかないんですから。」

「あぁ、そうなの…… ごめんね」


貴族じゃないなんて、否定してもしょうがないし、なんか日本人の感覚だとやっぱり、いろいろ考えてしまう。確かに、今いる子達に、ピッケルとかをアイテム作成で作ってもきりがないね。はぁ~気分が暗くなるね。


「あの!桜さん、あそこの下につながってる通路の前にいる兵士さんに、ギルドカード見せてもらってもいいですか?Dランク冒険者が同伴じゃないと下に降りれないんです。」

「OK~まかせて!やっと私の出番ね!」


空元気で明るく返事をした。兵士さんにカードを渡すと、すんなりと通してくれた。いやぁ~テンプレみたく、意地悪な兵士さんなんていないいんだね。


「2階はあまり人いないんだね。」

「はい、普通のDランクの冒険者は、もっと稼ぎがいい魔物討伐をするので、実際ここにいるDランクの方は、ケガなどで引退したり、パーティーに恵まれて、Dランクになった方ばかりなので、実際は戦える人はあまりいませんね。もっと人がこないところまで、行きましょう。」


そういうと、ずんずん豆ちゃんは進んでいく。道幅は狭く、足場も滑る。確かにこっちは人がいないはずだ。大柄な大人は、ここにはこれなさそうだ。

だけど、豆ちゃんの足取りが怪しい。元々左足を引きずっているくらいだから、心配だ。悪いことの予感は的中した。足下の岩をよけようと豆ちゃんは、体重を移動したとき、足を滑らせ、崖下にそのまま落ちていってしまった。多分3階層まで行ってしまったようだ。下の階層に行けば行くほど、魔物は巨大で強くなるという話だ。私も急いで豆ちゃんの後を追う。豆ちゃんの前には、大きな一つ目の巨人がいる。

こちらに注目させるため、巨人に向けて、オリジナル魔法『風のトンカチ』をぶつけた。


キュクロプス

桜と同等の力

身体強化 


装備の差や、スキルは考慮しないらしいけど、初めて私と同等の力を持っている相手だ。

しかも今回は豆ちゃんを守っての状況だ。




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