20 マレポの町についたよ〜
ここから第3章です。
船に揺られ約1日。最初は海を見たりして、テンションも上がったけど、飽きてきたらする事も無くぼーっとしてるだけだ。もっとも、ぼーっとするのは嫌いじゃない。むしろ好きだ。
小さい定期船なので、必要最低限の船員さんしかいなく、テンテコマイになって、せわしなく動いている。船員さんをじーっと見てたら声をかけられる。
「おぉ嬢ちゃん、もうすぐ上陸するから準備しておきな。」
「あ、ありがとうございます。あ!あそこの港ですね。すごく大きいです。」
「あ、あぁ。」
なんか、顔を赤らめ行ってしまった。照れ屋さんかな?しかし、別れ際、アレンにはいろいろ教えてもらった。あんな見掛け倒しの、筋肉バカが意外と物知りだ驚いた。私の所持金は、銀貨2枚銅貨6枚だ。日本円に直すと約、26,000円。結構金持ちかも。
とりあえず、ついたら宿屋を探して、落ち着いたら防具でも、バシリスクの素材で、作ろうかな。流石に、今の服じゃあ、なんか心配だよ。弱くなっちゃったしたね。
む!船員さん達が、下船の準備をしている。私も邪魔にならないように移動して、待っていると、
「おぃ!ここの梯子から降りな、気をつけてな〜!」
「ありがとうございます。」
流石船員さん、声がデカイ。脳筋のアレンを思い出す。あいつは私の事、記憶が改竄されてるみたいだからなんか少し寂しいね。
梯子をおり、地面に足をつける。落ち着く!やっぱ地に足がつくのは、いいね!
しかし、この世界に来てから、小さい村ばかりだったから、このマレポの町の人の多さには驚く。冒険者の町と言われるだけあって、港も賑わっている。時間は分からないが、もう日暮れなのに、屋台には料理があり、どれも美味しそうだ。色々目移りしてると、一角うさぎの串焼きがあった。これって私が、頑張って捌いたのに、不味くて泣いたやつじゃん!こんなの売るレベルなの?とりあえずリベンジだ!
「おじさん!その串いくらですか?」
「ん?本当は鉄貨3枚だけど、2本買えば鉄貨5枚でいいよ。」
「じゃあ2本ください。あとおすすめの宿屋さんしってますか?」
「おぅ。まいど♫ん〜冒険者に、よく教えるのは、「白浜亭」か、「クマの寝ぐら」かなぁ。白浜亭は、安いけど雑魚寝だからお嬢ちゃんみたいな可愛い子には勧めしないから、クマの寝ぐらは、個室だし、食堂も兼ねてるから、宿泊客以外も利用してるから、料理の味も期待できるぞ。」
「そーなんですね。ではクマの寝ぐらに行ってみます。ありがとうーです。」
私は銅貨を一枚渡して、お釣り鉄貨5枚を受け取る。まいどー♫とにこにこ笑うおじさんの顔を見ると、自然と私も笑顔になる。
ハムハム!!なんだこれ!旨いっ!少し硬い鳥肉て感じだけど、噛めば噛むほど肉の旨味が出てくる。タレも美味いけど、肉自体も美味しい。あれれ?私が作ったのは泣くほどまずかったよ。なんでかなぁ。やっぱり私の腕が原因ぽいね。
少し凹みながらも、港街を抜けて、中級層への町へと行く。アレンの話によれば、マレポの町は大きく分けて、港がある港街、スラムの人達がいる貧困街、下級ギルドや下級冒険者、商人など大多数を占めてる中級層の街、あとはギルド本部や、貴族様達がいる、上級層の街があるみたい。まぁ細かく分けたら、中級層の街でも、宿屋や、商店がたくさんある商業地区や、ギルド近辺は武器屋、鍛冶屋が多いなどあるみたい。筋肉バカのアレンの話だから、あまり信憑性はないかもだけど。
港街と比べれば、中級層の街は、それほど人通りは多くない。それでも、お店には人が結構入っておりわいわい楽しそうにご飯を食べたりお酒を飲んでる。屋台のおじさんが言うにはこの辺だけど、あ!なんかクマが蜂蜜の壺を抱っこしてる看板が見える。ほぇ〜この世界でも、こんな可愛い看板描くセンスある人いるんだね〜どうやら、一階が食堂、二階が宿になってるみたいだ。食堂を覗くと、まだ中学生くらいの男の子が、忙しそうに料理の配膳をしている。あの男の子に聞いてみよう。少し待ってると、手が空いたのか、私に気がつき寄ってくる。
「どうしました。女の人が1人でこんな時間に、あ!お父さんでも呼びに来ました?」
「いや、港の屋台のおじさんに、泊まるならここがオススメと聞いて、来たのですがお部屋まだ空いてます?」
「あ〜冒険者の方ですか。若いの大変ですね。」
まさか、明らかに年下そうな、男の子に同情されるなんて思わなかった。
「あ、いや女の人が1人何て珍しくてすみません。部屋は空いてますよ。ご飯が2回付きで、1日銅貨2枚です。昼飯もいるなら、その都食堂に来てください。お弁当も出来ますよ!トイレは、1階2階にそれぞれ有りますし、大浴場も近いので、女の子にもオススメな宿ですよ。」
ん?やっぱりトイレ有るんだね。私普通に穴掘ってクリーンしてたけど、なんかあって安心した。しかもおっきな風呂も近くにあるみたい♫
「そーなんですね、では取り敢えず5日分、銀貨1枚払います。」
「ありがとうございます、5日分も泊まってくれるなら今日の分オマケでいいって、お母さんに言っておきます。部屋は2回の階段上がってすぐの角部屋になります。鍵はこれで、ご飯は下に食べに来てください。」
鍵を私に渡したら、忙しそうにお母さんの所へ走ってお金を渡してる。なんかゲンコツ貰ってたみたいだが、私には関係ない事だよね。多分。
階段を上り、すぐの角部屋が私の部屋だ。初めて1人で宿屋に泊まるから、ドキドキだね。木のドアを開けると、六畳位の部屋に、机と椅子とベッドがあるだけの、簡単な部屋だった。それでも掃除はしっかり行き届いており、古いながらも清潔感溢れる部屋だ。
まずはご飯を食べるか、防具を作るかだね。えーと、持ってる素材は
バシリスクの鱗
バシリスクの背中皮
バシリスクの瞳
バシリスクの牙
バシリスクの心臓
バシリスクの魔石
一角うさぎの角
ポイズンフロッグの舌
毒袋
大鷲ネズミの擬羽
あとは、精霊のコインだね。
バシリスクの背中皮と鱗、あとはポイズンフロッグの舌と大鷲ネズミの儀羽で、ライトアーマーを作ろう。あ!精霊様にお祈りしとこ♫
コトリ
音がして目を開けると、光の鉄貨があった。私が弱くなったからか、場所が違うか分からないかけど初めて、銀貨より下のものがでた。でもまぁ素材的にはちょうどいいのでこれも使おう。と、その前にご飯を食べに行ってこよう♫




