16 夢の中で
ん?真っ白い部屋だ。
「ごめーん☆なんか500年寝てる間にずいぶん変わったね。桜ものすごく浮いてたね。」
「…… ですよね~。あんだけみんなが怖がってたバシリスク、石あてただけで死んだもんね。」
「前の世界の時なんか、バシリスクなんて子供が振り回してたのに。桜は私が管理してた時の強さの目安で言えば、今の状態で3級冒険者で経験を積めば、特級手前の1級冒険者くらいの実力があると思う。でも今の世界では、今の状態で最高峰のSSクラスみたいね。さらに経験を積めば…… まぁ、うん。一応この一ヶ月私もいろいろ調べてみたの。」
「なんか、強さもそうですけど、スキルや魔法もおかしいみたいで、アレンに最初、魔女と勘違いされましたよ。」
「何か今の世界は、人属の神様が沢山いるみたいだからいろいろ違うのよ。私の頃は私が一人でしてたからいろいろ簡略化してるから、例えば鍛冶魔法なんてのもパパっと出来たでしょ?今の世界では、先祖返りによって、祖先のスキルが出た人しかないね。だいたいこの世界では、英雄だったり。王族だったり、Sクラス以上の冒険者だったりするのよね。それを桜は何個も持っているわけだからね。」
「なるほど。」
「あと精霊魔法系も今の世界ではほとんどみんな使ってないから、あんなに強力で発動も早いの。ちょっと今のままじゃぁ、正直問題があるのよね。」
「そーなんですか。私も困ってますが先に話を聞かせてください。」
「まずこのままだと、桜がすごく目立つから、ほかの3神がちょっかいかけてくるかも。いくら人属で最強でも、さすがに、魔人属・龍属・天人属には桜一人では敵わないね。ちなみに、龍人属と、魔物の龍は関係ないから。」
「えー!それやばいじゃないですか?」
「さすがに今の状態が続けば、問題視されるね。なので桜がいいなら、桜の能力とスキルを封印させて欲しいの。そうすることで、ほかの種族にバレなくなることと、あとは桜自身今の強いままじゃあこの世界ではレベルが上がらないけど、あえて弱くすることで、レベルが上がるようになるの。もし強くなった状態で封印を解けば、昔のレベルの特急レベルと比べても遜色は無くなると思うわ。」
う~ん、これ以上強くはならなくていいんだけど、まぁ目立たなくなるなら歓迎ね。
「封印されたら、体がだるくなったりとかはするんです?」
「そんなことはないわ。ちなみに体力や魔力は今の世界でのDランク程度の力になると思うけど、実質スキルと装備で多分だけど総合的にはBランク程度くらいかな、まぁ自分自身で確認は出来ないけど、レベルもサクサク上がるから結構すぐ強くなっちゃうかもだけど。」
「後1個気になるのは、私の力はもうアレンや島の人には、ばれてると思う。」
「そこも気にしないで、アレンだっけ?あの子が冒険者登録して、船の手続きをしたら、島民とアレン君の記憶をいじって都合よく改竄しておくから。」
…… なんでもありだね。そんな力あるなら、最初からもっといろいろ慎重にしてほしいよ。
「これに桜の新しくなるスキル、書いておいたから確認してみて。」
スキル
アイテム鑑定 10 そのまま
武具防具作成 8→3
アイテム作成 8→3
精霊魔導 3 →精霊の祈り
格闘術 2 そのまま
光魔術 2 →全属性魔術 (ギフト)
モンスターテイム 1 そのまま
錬金術 1 そのまま
空間魔法 1 全属性魔術に統合
時空魔法 1 全属性魔術に統合
ギフト
異世界言語理解
異世界の知識
相手をチラ見
アポネシアの加護
NEW 魔術作成・無詠唱・複合合成魔法 身体能力・魔力封印
「こんなところね。いろいろ聞きたいだろうけど説明しちゃうね。精霊魔道は強力すぎるのと、この世界では、あまりに異質だから封印してもらったわ。コインがもらえる祈りだけは残したけど、前のようにはごめんだけどいかないと思うわ。武具作成やアイテム作成も、3までのアイテムしか作れないように封印しとくね。前の世界の3でも、この世界ではかなり強力なのよね。桜自身が強くなり、もっと強いものがほしいと願えば、解放されるかも。あとアイテム鑑定を少しだけパワーアップしておいたわ。ここまではいい?」
「あ、はい、大丈夫です。」
ここまでは分かるんだけど、なんか魔術がかなり強力になってると思うんだよね…… そこの説明が早く聞きたい。
「そんな顔しなくても、今から言うわ。魔術よね?精霊魔道の時、例えばクリーンを使えてたけど、あれは土・水・風・木の複合精霊魔法だけど、それを属性魔法で表現しようと思うと、今のままでは無理だったからきついから、そこはサービスしておいたわ。そのかわり本来の魔術の呪文じゃなく、桜のイメージで魔術を表現するから、無詠唱になるメリットはあるけど、本来の呪文を唱えても、魔術は出ないから気を付けてね。桜自身がイメージして、名前を付けたものなら発動するわ。あ、それと例えばウォーターウエイトみたく英語でかっこつけてるけど、異世界人には、日本語でも英語でも、重い水て聞えてるから日本語のがイメージしやすいなら、日本語でつけたほうがいいわよ。無詠唱のイメージだけでも出るけど、実際は詠唱、せめて呪文名だけでも言ったほうが強いわよ。」
あ、ソーナンダ。かっこつけて英語でつけてた意味ないじゃん。でも、イメージで呪文を作ってた、精霊魔道が使えなくなるなら、この魔術作成とかは助かるね。
「なるほどです。大体わかりました。あとは身体能力や魔力封印てのは?」
「今のままでは規格外すぎるから、悪いけどかなりの力を封印したから。まぁでもスキルはすごいから、そんなに困ることはないわ。あとアドバイスとして聞いてほしいのは、3神に対抗するためにも、桜自身の幸せのためにも、パーティーメンバーを探し、仲間を作ってほしいと思ってる。あとジョブは何を選んでも、桜がこの世界のスキルをとることはできないから、巫女を選ぶといいわ。」
「わかりました。」
「じゃあ桜、幸せになってね。またね。」
最後の女神様の優しい笑顔をみると、なぜか涙が出そうになる……




