12 おじさんから話を聞くよ〜
やっぱり規格外だった私。
ふぅ〜溜息ばかりでちゃう。
「桜殿、落ち込んでいるところ悪いが、少し私の話を聞いてもらえぬか?」
「どぞ〜。」
つい投げやりに返事を返してしまった。反省反省。
「こほん、私達冒険者には、ランクというものがあり、特例を除けば、EランクからDランクに上がるには、試験をしなくてはならず、今拠点として利用していた街から近く、さらに今の時期ちょうど試験をしていた、この島「モーレス島」で、私達は試験を受けてた。今回は、Cランクの試験官をリーダーとした、5人パーティーを組み、シャトール村近辺に現れた、ポイズンフロッグの殲滅依頼が試験内容だ。このモーレス島には、低ランク冒険者しかいなく、船に乗って行かなくてはならず報酬も割りに合わない為、ちょくちょくランクアップ試験として採用される。」
「ほむほむ、でも試験て言うくらいだし、本来ならそこまで難しい訳じゃないよね?しかも、ポイズンなんたらて、いうくせにアレンさん石化して、カチコチになってたよ。」
「そう、それが問題なんだ。ポイズンフロッグもなぜかやたら手強く、ポイズンフロッグだけでなく、一角うさぎや大鷲ネズミまで出てきて、我々Cランク1人の試験官を除けば、Eランク4人のパーティーではとても荷が重いと、試験官が判断して、村人の避難をさせる事にした。避難も無事終わりかけた時、村人の人が最近山の方で女の子を見たという、情報を聞き確認の為、試験官の提案で、俺を含めた、Eランクの3人で様子を見に来たんだ。最初山に入った時は、魔物の気配が多く不安になったが、山道を登るにしたがい、魔物の気配が少なくなり、安心しながら歩いてた。そんな時に奴は現れた。その魔物とはBランクの《バシリスク》だった。砂漠の方での目撃証言は有るのだが、こんな島で出るなんて聞いた事もない。バシリスクと出会った瞬間、仲間の1人は逃げ出し、もう1人は剣を構えたが石化しだした。私も逃げ出したかったが、情けないことに、足が動かず、ようやく勇気を持って、行動に移した時には、仲間は完全に石化し、私も右足の方から徐々に石化しだした。バシリスクは私達にもう興味は無くなったのか、逃げた仲間の方へと消えていった。あとは、せめてもし女の子がいるなら、ここは危ないという事だけをせめて自分が死ぬ前に伝えて、無駄死じゃないと思いたくて、必死に女の子を探したら、桜殿の小屋の目の前で足が完全に石化して動けなくなったという訳だ。尤も、その女の子が桜殿で、助けてもらったのは私の方だという事になったが。」
話が長い。要は試験を受けにここに来たら、予想外に敵が手強く、村人を避難させ、山に私を探しに来たら、バシリスクという魔物に遭遇してしまい、仲間の1人は逃げ、1人は石化してしまい、アレンさんは私の所に辿り着いたて、事ね。この話の内容なら、私の力を貸して欲しいて事なんだろうなぁ。まぁ別に構わないが。結局何も分からないしね、この世界の事が。それにどうやら、私強いみたいだし。危険が無いなら別にいいかな。それに、こっちも頼みたい事あるしね。
「それで桜殿に頼みたいのは、一緒にバシリスクを倒してくれないだろうか?いやせめて、倒せなくても、村人の、いやこの島の住人の避難を手伝ってくれないだろうか?」
「倒せるか分からないが、手伝うのは構わない。ただ、条件として、結果がどうなろうと、常識があまり分からない私の、冒険者登録などをしてもらいたい。あとは、お金も無いのでもし依頼が達成でき、お金を得られたら少し分けて欲しい。それとその桜殿というのは、やめて欲しい。私は18歳だから、多分一回りくらい年下なのだから桜でいい。」
「なんと!私と同じ18歳だったとは!もっと幼いかと思っておったが同じ年なのだな。では、桜と呼ぼう。私の事もアレンと呼んでくれ。お金の件と冒険者登録の件、両方大丈夫だ。お金は、そんなに沢山入らないと思うが、善処してみよう。」
そう言って、握手を求めてくるアレン。いやいやいやいや、全然同じ歳じゃないでしょ。え?18歳なのこれで?なんか呪いにでもかかってるのかしら。しかし、これでこの小屋にも戻ってこない可能性も有るから、アイテムボックスを、ちゃちゃっと作って、荷物を纏めて急いで小屋を出よう。
「分かった、アレン。少し荷物を纏めるので時間が欲しい。すぐ終わるから。」
握手を返したら、思いの外強く握り返されビックリした。




