11 あれれ~私の魔法、変なのかなぁ~?
えーー!さすが私より弱いと言っても、冒険者。
きっと私にはないスキルで、見えない敵とかも見つけれるんだ。
こんな事考えてる場合じゃない。
私もサッとアレンさんの横へ移動して、光魔術の今覚えてる唯一の攻撃魔法「ライトアロー」を、唱える。光の弓矢を10本ほど生みだし、私の周りに展開させる。しかし私には魔女がどこにいるのかわからない。
「アレンさん、魔女はどこにいますか?すみません私には見えないので、位置を教えてください。」
ボソボソと、魔女に聞こえない事を祈りつつ、一応小声でアレンさんに聞き、私は隙なく、ポーチからだしたナックルグローブを装備する。
ん…… あれ?アレンさんからの返答が返ってこない。まさかもう殺された?と思い、そっとアレンさんのほうに視線を動かしたら、口をパクパクさせて私を見てる。え?この人、魚なの?いったいこの人はなんなんだろ。私はジーーーーットアレンさんのほうを見ていたら、
「光の魔法だと…… さ、さくら殿と言いましたか?その、す、すまない!私の勘違いだったのでその魔法を、解除してくれないか?」
ん?…… どゆこと?
!!ま、まさかっこいつ私を魔女だと思ったのか!カッチーーーーーン!!
なんて失礼な奴だ!せっかく助けて、武器とかも手入れしたのに!
きっと私がすごい顔で怒ってたんだろう、慌てて言葉を付け加えた。
「その、あまりにもすごい魔法や回復薬だったのと、それにあまりにも美しい顔だったので、伝説上の魔女だと思ったんだ。ほんとに申し訳ない。」
頭を深く下げる姿を見て、ほんとに誤解だったんだと理解して、しぶしぶライトアローを霧散させた。
決して美しいて言われたからじゃないよ。ふふふふーん♪
それはさておき、聞き捨てならない事を言ったわね…… あまりにも美しいって///
あ!そこじゃない。私の魔法や回復薬が、異常みたいなことを言ってたよね…… 確かにアレンさんの武器とか見ても、なんか変だとは思ったんだよなぁ。
考えられることは、
1つ目 ここが田舎で、世界の常識からかけ離れてる。
2つ目 私の能力が異常だ。
このどっちかだと思う。1つ目なら問題ない。ただもし2個目のほうだったら、それはおかしくね?確か女神様は嘘をつけないって言ってた。それでなおかつ、異世界でも強いほうだけど、そこまで悪目立ちするほどではないとも言ってた。なのにこのアレンさんは私の能力を見て、魔女だと言い放った。確かに外見は脳筋ぽくて、野蛮そうな感じだけど、言葉使いの丁寧さを見ると、そこまで変な人ではないんじゃないかなぁとも思う。そ~なると、女神様も嘘を言っておらず、なおかつ私が異常にチートて事になる。なんかそれってまずくね?私だけじゃなく、女神様もこの世界の常識知らないなら、この異世界の知識や、時点に書いてあることの信憑性が疑われてくる。ふ~む、まぁ考えてもわからないし、今は置いておこう。少しづつこの世界について、学んでいかないとまずい気はするけど……
「あぁ。魔法を解いてくれてありがとう。そして助けてくれた上に、ただの剣をこのような、魔剣にしてもらったことで、少々混乱したらしい。見た事もない魔法で、武器の手入れだけじゃなく、あんなに簡単に魔力を持たせられるなんて、とても普通の人には見えなくて、しかしほんとにこの武器をくれるのかい?」
「あ、どーぞ。もしあればでいいから、回復薬とかあれば見せてくれないかな?」
なんか丁寧な言葉で話すのもバカらしくなったから、砕けた感じでいいや。どうせ私は常識はずれみたいだし。となると、人属が強いという認識も無くさないといけないかも。私が強いだけかも。
「これが、E級冒険者クラスの私が持つ、一般的な回復薬だ。尤も(もっとも)私が、先ほどからもらってる、神聖魔法のエキスに比べたら、ほとんど効果が無いに等しいものだが。とてもこんな高価な武器などとは見合わないがもらってくれ。」
「あ、ありがと。」
ん~神聖魔法のエキス?私の回復薬が…… ?ちゃんと鑑定でも回復薬て出てるのに。じゃあこの、今もらった回復薬はなんだろ。色は一応緑だし。
色つきの水
雑草で色を付けただけの水。当然回復効果などない。
レア度 0
…… え?これが回復薬て事になってるの?回復効果が無いて書いてあるじゃん。
「これってホントに回復するんですか?」
「先ほどから頂いておる、神聖魔法のエキスの様に、飲んだりかけたりしたら瞬く間に治るなんて事は無いが、一般的な回復薬と言えば、これが普通だ。しかし桜殿の、一瞬で汚れを落とす魔法や、先ほどの武器の手入れ、そしてあの神聖魔法のエキス、まるで神話に出てくる、万能神アポネシア様がおられていた頃の様な魔法の数々ですな。まさか女神様の使いなんてことはあるまいな。それはさすがにないか。ワッハッハッハッハッハ。」
えぇ、なんか最後キャラ崩壊してるけど、それに多分その万能神様の使いのような物だよね、私って。となるとやっぱり、女神様は嘘をついてないけど、私の能力が異常なんだ。
「あのすみません、本当は武器の手入れや、属性付与とかはどうやって作るんです?なにぶん田舎者なので世間の常識に疎くて。」
「うむ、属性付与と言うのが、武具を、魔剣や魔法の鎧などにする事だな。一般的なのは鍛治の加護がある、鍛冶屋や武器屋が、何日もかけて武具を作り、それを魔法具作成の加護を持ってる魔法屋に持って行き、それまた何日もかけて魔力を持たせる。ただ、魔力を持たせるなんて事は、とてもじゃないが、Eランクの冒険者の懐事情じゃあ無理だな。あとは、迷宮で手に入れたり、高ランクの魔物が持ってたりするのだ。それを桜殿は、一瞬でやってしまったから、びっくりしてもうて。まぁ、もし桜殿が魔女なら敵の武具を直す意味もないしな。」
「なるほどです。」
やっぱり少々規格外な事がわかり、これからの事に不安を覚える私だった。




