表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

雑記02「Falldown from Out of Control」

作者: 凉月

自分の感性(感情?)を、全力で作品に叩きつけてみましょう。

 少女――制服姿。

 少女――ビルの上。

 少女――屋上の突端。

 少女――これ以上ないくらいに、真剣な表情。

 少女――これ以上ないくらいに、悲壮な表情。

 少女――手には筒。

 筒――卒業証書入れ。

 少女――唇を噛む。

 少女――飛翔。

 少女――ビルの上から。

 少女――9.8Km/h2で加速。

 少女――比類なき落下。

 少女――これまでの人生で最も興奮している脳が、過去数か月の記憶をまさぐる。

 

 今日高校を卒業した私は、死ななければならない。

 理由は、自分の中から湧き上がってくる、どうしようもない、焦燥感。

 自分の中にある何か途轍もないものが、私に囁くのだ。高校を卒業した今、このままでいいのか、と。

 私にとって、高校からの卒業は、何か大きなターニングポイントのように感じられた。

 同時に、それを意識するたびに、自分の中から湧き上がって来るのだ。どうしようもない、焦燥感が。

 いや、それは、焦燥感なんてものではない。何ものにも例えようもない、もっとドロドロとした感情だ。

 このままでは、いけない。今すぐに、何かを成し遂げなければ、自分は死ぬのではないかという訳の分からない感情が、自分の奥底から噴出して、私の身を焦がすのだ。

 それは、発散しようのない感情。

 どうしようもなく、コントロール不能な感情。

 でも、私には、それをどうしたらいいのか分からない。クラスの他の人たちは、みんなこの感情をコントロールしている。あるいは、こんな感情なんかなくても、当たり前に何かを成し遂げている。

 ゲームを作りたいという者、医者になりたいという者、弁護士になりたいという者、公務員になりたいという者、自動車の設計者になりたいという者。

 それぞれが、何かを成し遂げていく。

 でも、私は、失敗した。何かをしなければならないと言う焦りだけはあるものの、どうしようもない。

 何かを成さなければ、私は死ぬという予感。

 大学には、合格うかった。人が聞けば、それなりに羨む学校だ。でも、それでは、ダメだった。私の中のこの焦燥は、消えてくれなかった。

 毎晩毎日、勝手に昂っていく交感神経にうなされる。何でもいいからこの感情を解放しないと、死んでしまう。

 でも、この感情のコントロールに失敗(Fall Down)した私には、解放する術なんか、分からない。どうして私は、この感情をどうにかしようと努力してこなかったのだろうか? いや、過去の自分を呪っても、仕方がない。

 解放するんだ。失敗(Falldown)した私にふさわしいやり方で。

 

 どうせなら、落下(Falldown)が良い。

 

 いかにもエネルギーの開放と言う感じがするし、何よりも、失敗した私には、ふさわしい。

 失敗(Fall Down)と言う単語は、私の中で、落下(Falldown)のイメージと別ち難く結びついている。

 だから私は飛ぶのだ。落ちる為に。

 エネルギーを、解放するために。


 少女――飛翔

 飛翔――比類なき落下。

 少女――これまでにないほど昂る脳。

 少女――これまでにないほど昂る交感神経。

 少女――これまでにないほど昂る感情。

 少女――かつてないほどに内圧が高まっていることを自覚。

 少女――加速。

 加速――9.8km/h2

 加速――終焉に向かって。

 加速――落下。

 落下――劇終グシャ

本当はこれを書くつもりはなかったのですが、冲方丁さんの「黒い季節」を写経しているうちに、段々とムカついて来たの書きなぐり。


丁度いいので、感性を叩きつける練習をしてみました。

何にも考えずに感性ダダ洩れさせてみて、自分の中で冲方丁大先生の影響が大きすぎることを発見しました。


どうでもいいですけど、FAlldownは、完全な造語です。


追記

何か所かルビを乗せ忘れてました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ