タブレットセキュリティーセンター
僕と愛花という添い寝嬢は
友人(祐介)に奪われたタブレットの操作により
トラップだらけの家に閉じ込められたまま
すでに2時間ほどが経過していた。
二人はその間も何度も身の危険にさらされていた。
家のリフォーム操作により天井から柱が
何本も降って来たり、廊下を歩いているといきなり
背後の天井から壁が落ちてきたり、
テーブルや冷蔵庫から追いかけ回されたりと
散々な目にあった。
ようやくイメチェン&リフォームが終わったらしく
僕と愛花はぐったりと床に大の字になった。
「…あの、もう二時間経ったから添い寝サービスの
時間が過ぎたんですけど…」
「こっちだって好きであんたを呼んだわけじゃないし、
恨みがあってあんたをトラブルに巻き込んだわけじゃない!」
「携帯をさがさないと…」
すると家の中に突然男性の声でアナウンスが流れた。
『こちらは(株)未来ホーム・タブレットセキュリティーセンター
です。もしおうちの中にどなたかいたのであれば応答願います』
神の助けだと思った。
なんらかの影響でタブレット会社がようやく僕の家の異変に
気づいたらしい。
「います!います!ここに2名人間がいます!!
友人にタブレットを盗まれて好き放題にいじくりまわされて
いるんです!!助けてください!!」
「承知致しました!!
ワタクシは未来ホームタブレットセキュリティーセンターの
部長、若月と申します。ワタクシの指示通りに動いてください。
どこでもいいので壁にA8879@mirai###843と
書いてください」
「ペンで書くんですか?!」
「はい、できればマジックで書いてください、それが
こちらの家の携帯住宅タブレット操作を急停止させる暗証番号
なのです」
「君、マジックを持っている?」
「持ってないわよ!添い寝するのにマジックなんて
いらないでしょ!?」
「聞くだけ無駄だった、とにかくマジックを見つけないと」