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パニックの始まり


いきなり大激怒した祐介は


僕の胸ぐらを掴むとさらに叫んだ


「俺の親父を馬鹿にしやがって!!


親父はお前の父親みたいな上司に嫌がらせを


受けてうつ病になったんだ!!弱い人間


だからうつ病になったんじゃない!!


お前の今のセリフはぜったいに許すわけにはいかない!!」


そう言ったかと思うと祐介は一瞬のうちにタブレットを取り上げ


玄関まで走り出した!!


「ちょ、ちょっとまて!!何のつもりだ!!」


「いい気になるなよ!!金持ちになったことを後悔させてやる!!」


そう言うと祐介は玄関の戸を開けて外へ一気に駆け出した。


その後を必死で負うと地面にいきなり穴が開いた。


僕は約3メートル下の地下に落とされた。


その後穴の中には防犯ブザーが鳴り出した。


「強盗ホイホイガ押サレマシタ。直チニ110番ヲシテクダサイ」


「くっそう!!あいつめ!!防犯システムを押しやがったな!!」


コンクリートで覆われた丸い筒状の穴からようやく抜け出したのは


10分後だった。


もうすでに祐介の姿はなかった。


とりあえず家に帰り、父親に電話することにした。


しかし家の電話機を上げると


「コノ電話ハオ客様ノパネル操作ニヨリ機能停止トナッテ


イマス。解除スルニハオ客様指定ノ暗号ヲ押シテクダサイ」


冷や汗がドッと出た。


僕が想像している以上にとんでもないことが起こっている。


僕は携帯で父親に電話してみた。


「コノ電話ハオ客様ノパネル操作ニヨリ機能停止トナッテ


イマス。解除スルニハオ客様指定ノ暗号ヲ押シテクダサイ」


絶望と恐怖が一気に僕を襲った。


両親と連絡がつかない。


あの野郎、この家をどうする気だ。


すると玄関チャイムが鳴った。


「こんにちは~宅配ピザ、プレミアムセット


10人前お持ちしました~!!」


「はああ?!」


頼んでないことを伝えても当然通用するはずもなく、


代金もタブレットの操作により、あらかじめ


銀行口座より引き落とし完了しているという。


山積みになったピザを呆然と見つめながら


僕はどうすればいいのかを必死で考えるしかなかった。


家電も携帯も使えない。


そうだ!パソコンメールで父親の携帯に・・・!!


しかしやはり最悪の結果が待っていた。


パソコンもタブレット操作により開くことができなかった。


こうなったら警察に直接相談するしかない。


外に出ようと玄関に向かったとき


また玄関チャイムがなった。


今度はなんだ?


居留守を使ったほうがいいのか?


玄関のモニターを覗き込もうとしたが、


モニターには「停止中」の文字。


あの野郎!!


「ごめんください」


女性の声だった。


恐る恐る扉を開ける。


するとそこには女子高生が立っていた。


「は、はい…?」


茶髪のロングヘアーで化粧の濃い


彼女は甘ったるい香水の匂いを


プンプン撒き散らして恥ずかしそうに


赤ら顔で立っていた。


上目遣いで僕を誘惑するように


見ている。


握りこぶしを口元に当て、


下手くそな作り笑顔でつぶやいた。


「こ、こんにちは、よろしくね」


「はい?」


「え?あ、あのう、ツトムさんですよね?」


「え、ええ、まあ…」


「タブレット指名されたNO67番の愛花です…


あの、もしかして写真のイメージと違いました?」


あの野郎!一体何を操作しやがった!!



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